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フェブラリーS 考察&予想

フェブラリーS 考察&予想


☆前哨戦から考える

・根岸S
レースタイム1.22.5は、過去10年で4番目のタイムだが、良馬場に限って言えばトップタイムで根岸S自体のレベルは高い。
ポイントは、この高速決着がフェブラリーSに直結するかという点だが、先行してスピードを活かして上位に来たような馬は、スピード優先のラップに強く、フェブラリーSで求められるスピード&持続力を考えたときに、スピード質が強すぎる傾向がある。
この裏付けとして、過去10年2番目のタイムに該当する2020年(勝ち馬:モズアスコット)で、根岸Sを以下の位置取りで走った馬の、次走フェブラリーSに出走した馬の成績が以下。

根岸S
1着:モズアスコット(9-8) → 1着
5着:ワイドファラオ(4-4) → 12着
8着:ワンダーリーデル(12-13)→ 4着

参考までに、良馬場タイム3番目の2017年(勝ち馬:カフジテイク)の年は、根岸Sの上位を差し追い込み馬で独占したが、フェブラリーSに上位5頭が出走し、2着~5着を根岸Sの差し追い込み組が独占。

このように根岸S(東京D1400m)を好タイム且つ前目で押し切るような馬は、スピードの質が強すぎてフェブラリーSにおいては危険な人気馬になる可能性は高い。
今回断然人気のレモンポップは、数字上の位置取りは(5-5)だが先行好位の位置から直線早め先頭で押し切る競馬。
では、差し追い込み組にチャンスありと考えたいが、レモンポップが使った上がりはメンバー中5番目だが、上がり2位タイとは0.2秒差しかなく今年の根岸S組の差し追い込み組が1600mに替わるとはいえレモンポップを逆転できるだけの脚を見せていたかと考えると正直苦しい。
これは推測に過ぎないが、上がりで0.5秒上回っていたギルデッドミラーなら、この舞台で逆転できていた可能性は高いと考えられるが、3着以下はダートマイルへ舞台が変わっても厳しい印象で、レモンポップを逆転まで期待するのは根岸S組以外から考えたい。


☆ラップバランス傾向:前傾持続型失速ラップ戦

過去10年の平均ラップは前後半(46.7-48.4)と1.7秒前傾ラップの傾向で、例年の傾向からみても芝スタートから前半のラップが速くなり、中盤も大きく緩まず501mの直線はスピードの持続力勝負になる傾向。
昨年は中盤の4F目で一気にラップが落ち、(12.3-12.4)と息が入るラップからの瞬発型加速ラップ戦で完全に前有利になる異例な年。
過去ラップの傾向から、昨年の様なラップ推移になるのは異例で、昨年を別物として扱うと、平均ラップの前傾傾向も更に厳しくなる。
今年は差し追い込み組にチャンスが大きい年になると想定し上位評価馬を選びたい。


☆上位評価馬

※アイウエオ順です。

・ケンシンコウ
前走、距離短縮で臨んだ根岸Sは、スタートから無理せず最後方を追走する形で、直線大外へ出して1.0秒差(6着)は、根岸S組での買いパターンにハマる。
良馬場でこれだけやれたのは収穫で、もまれず競馬ができればかなり脚は使える。
今回は距離延長の一戦でもあるので、好走へのパフォーマンス上昇には渋馬場+外枠は必須条件。
レモンポップ逆転へのハードルは高いが、条件が揃えば根岸Sの差し追い込み組からは唯一強く買いたい一頭。


・ショウナンナデシコ
距離延長の東京大賞典では、3コーナー手前でサンライズホープのマクリに合い、早めに動かされる厳しい展開だったが、差し追い込み決着の展開負けを粘って1.3秒差(6着)は評価できる。
ラスト100mまではサンライズホープに対しても交わされずに走っていた内容や、かしわ記念での実績をみても距離短縮は確実にプラス。
今回はある程度ペースが流れる差し追い込み有利を想定しているので、展開的に楽ではないが、距離短縮など相対的にプラス要素も多くチャンスはある。


・ソリストサンダー
昨年のフェブラリーSでは、瞬発型加速ラップ戦の位置取り負けの4着だが、苦手のラップバランスでもラストまでジワジワ差を詰めていたように負けて強しの内容。
21年の武蔵野Sやハイパフォーマンスだった門司Sを見ても、持続型失速ラップ戦への適性が高く、フェブラリーSは合う条件のはずだったが、21年は内に強烈なバイアスがあった馬場を後方外差し、22年は前述の通り瞬発型加速ラップ戦と全く恵まれていない。
前走の大敗+休み明けに実績が薄いことから人気もなさそうでオッズ妙味も十分、ここは一発を期待できる。


・メイショウハリオ
帝王賞のパフォーマンスは圧巻の一言で、テーオーケインズ・チュウワウィザード・オメガパフュームという錚々たるメンバーを破っての快勝。
この時の後半ラップが(11.4-12.0-13.0-12.0-12.4)と、道中でスワーヴアラミスが外から仕掛けたことで、向こう正面で一気にラップが上がり先行勢には苦しいレースだったが、好位にいたメイショウハリオがラスト2Fの12.0-12.4と速い上がりに対応して強力メンバー相手に勝ち切った内容は相当濃い。
久々になるマイルで前半に追走力を求められる流れと左回り替わりがどうかだが、帝王賞の上がりに対応しているように上がりのトップスピードもあるので、流れに乗れれば一発ある。



☆上位人気馬や気になる穴馬


・レモンポップ
前走を見ても東京D1400では鬼の強さ。
ただ、ゴール前でギルデッドミラーに詰められているように、先行し追い出しのタイミングも完璧だった前走から考えても、今回は距離延長で上積みはないはず。
前述した根岸Sを好タイムで好位から勝利した馬の考え方からしても、スピード寄りの能力を窺わせていることから、東京D1600mで求められる+持続力の部分で付け入る隙があっていいし、さらに今回の乗り替わりは決してプラスとは言えないはず。
能力の高さは認めても今回は絶対的とは言い難い。
※これは稀有に終わるかもしれないが、近2走は今まで見せていなかったスタートでやや後手を踏んでいるのも気になる。


・ドライスタウト
すばるSは直線でバトルクライに上手くかぶされ、外へ切り替えした分の差し遅れで、ゴール前の伸びを見るとバトルクライと同等かそれ以上の評価はできる馬。
前走のバトルクライの走りと能力を考えると上位人気は納得だが、根岸Sでバトルクライに騎乗した川田騎手の前走後コメントが、『とてもいい走りで、全力で頑張ってくれて3着まで来てくれました』とコメントしているように、全力で走ってレモンポップと上がりで大きく差をつけられなかったバトルクライを物差しに考えると、レモンポップを逆転できるだけの材料には欠ける。
D1400の東京で高いパフォーマンスを出している馬でもあり、東京D1600mが適条件とは言い難い懸念もあり、人気ほどの信頼感があるかは疑問。


・シャールズスパイト
北米で芝を中心に使われてきた馬で今回は芝→ダート替わり。
父の日本での代表産駒は、モズスーパーフレア・マテラスカイ・リエノテソーロなどダートでも走れるがスプリント寄りの産駒が目立つ。
今年のメンバーが低調なのでいきなり通用しても驚けないが、馬券的には相手に入れるくらいが自分の思考では限界。


・スピーディキック
大井の重賞でメンバーレベルが低いとはいえ、後半4Fを(12.5-13.3-13.3-13.0)とラップが落ちていない4コーナーで外を回って直線入口で一気にマクリあげた脚は見事。
直線もしっかり伸びてラスト100mは抑える余裕を見せて13.0と加速ラップの内容から余力もあり。
関東オークスはグランブリッジの3着と健闘したが、あの時点の能力ではグランブリッジ比較で今回のメンバーに入ると厳しそうではあるが、そこからの成長があれば食い込みのチャンスあっても。
人気次第だが良馬場なら買っておきたい。


・セキフウ
根岸Sはスタート後から手綱を動かし続けるほど追走に苦労し、向こう正面で鞍上がムチを一発入れているように全く走りに集中力がない。
キックバックを嫌がったのか、内でもまれるのがダメなのか分からないが、直線も途中から追うのを止めているくらいでノーカウントのレース。
好走・凡走を繰り返す〇×タイプで、バトルクライ比較でここでも通用しておかしくない力はあるはずで、あてにはできないが人気薄なら妙味ある。


のーむーの印

◎メイショウハリオ
〇ソリストサンダー
▲ショウナンナデシコ
☆レモンポップ


◎メイショウハリオ
帝王賞のパフォーマンスは圧巻の一言で、テーオーケインズ・チュウワウィザード・オメガパフュームという錚々たるメンバーを破っての快勝。
この時の後半ラップが(11.4-12.0-13.0-12.0-12.4)と、道中でスワーヴアラミスが外から仕掛けたことで、向こう正面で一気にラップが上がり先行勢には苦しいレースだったが、好位にいたメイショウハリオがラスト2Fの12.0-12.4と速い上がりに対応して強力メンバー相手に勝ち切った内容は相当濃い。
今年は例年の1枚落ちのメンバーなら、帝王賞で破ったメンバー、東京大賞典で戦ったメンバーのレベルは遥かに高い。
久々になるマイルで前半に追走力を求められる流れと左回り替わりがどうかだが、帝王賞の上がりに対応しているように上がりのトップスピードもあるので、流れに乗れれば一発ある。

〇ソリストサンダー
昨年のフェブラリーSでは、瞬発型加速ラップ戦の位置取り負けの4着だが、苦手のラップバランスでもラストまでジワジワ差を詰めていたように負けて強しの内容。
21年の武蔵野Sやハイパフォーマンスだった門司Sを見ても、持続型失速ラップ戦への適性が高く、フェブラリーSは合う条件のはずだったが、21年は内に強烈なバイアスがあった馬場を後方外差し、22年は前述の通り瞬発型加速ラップ戦と全く恵まれていない。
良馬場にこそ回復したが未だ含水量も多めの馬場も向くはずだし、絶好の外枠を引きこの人気なら狙わない手はない。
ダブル本命の形で馬券は組む。


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