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福島牝馬S 考察&予想

☆レースラップ傾向

過去10年、同コースで行われたレースの前後半平均レースラップは(47.4-47.4)と前後半のラップ差は±0と珍しいレース。
前半は初角までの距離が約305mとローカルのなかでは、比較的長めの距離であることもあってか、やや速くなる傾向で先行勢も楽ではない。
ただ2コーナーを曲がり切ってからは、平均ラップでゴール前の1Fまで一気にラップが上がる区間がない傾向から、後方に位置する馬が一気にポジションアップするには負荷が大きいレースで、結果前目〜中団に位置する馬が比較的有利。
ただ、近4年は上がり最速馬が1着になっているように、決め手のある馬が勝ち切れるレースでもある。
近4年で勝ち切った馬は、前走からの斤量が同か増、瞬発型ラップを後方からキレ負けした形の馬が、持続寄りのレースで上がりを使えるパターンの巻き返しが目立ち、このパターンに該当してくる差し馬は要注目。
そして、穴になりやすい馬は、この持続寄りのラップを先行~好位で粘り込むタイプ。



☆上位評価馬


・クリノプレミアム
前走は鞍上が、「スタートもうまく出てくれたのですが、その後がボーッとしていました。心配になって出していったら掛かってしまいました』と意図的に出して行ったことが裏目に出て、前半からかかってしまい、5F 目に12.0→11.4と一気にラップが上がってしまう先行馬には負荷が大きい競馬になり見直し可能。
2走前の中山金杯は次走以降で好走馬多数のハイレベルなメンバー相手に、直線で進路があれば勝てていた内容で、牡馬混合のレースでこれだけやれれば、牝馬限定戦のO字型コースなら能力上位。
柴田善臣騎手への鞍上変更がどうでるかだが、斤量減でもあり、人気でもここは上位評価が妥当。


・ジネストラ
近走の内容は走る毎に成長を窺わすレースで、まず3走前の秋色Sは3勝クラスとしては超ハイレベルなレース、次走OPを連勝する勝ち馬に対して、差し追い込み決着のなかを逃げて0.1秒差は、このレースで最も強い競馬をした馬といえる。
前走はそれまでの逃げから、1列後ろで控える競馬ができるようになりレースぶりに幅が出たのは距離延長の今回に向けて好材料。
前走は自身の位置取りを考えると、マイルより持続的な1800寄りの流れで競馬ができていて、2走前まで出来なかったことが出来るようになったことは成長を感じさせる。
初のOP・重賞への昇級戦でもあり実績馬に対して、実績で見劣りするのは確かだが、先行有利の流れに乗じればチャンスはあるはず。好走へのひと押しに内枠ほしい。


・ストーリア
近走で着順を崩したレースは、ポジションを取れなかったレースで、2走前の初音Sは、上がり幅が小さいレースになり、内前有利のなか、外を回らされる競馬でゴールまでしぶとく脚を使っているが位置取り負け。
前走は中盤でラップが一気に上がる先行勢には苦しい展開を、(6-7-3-3)と自ら動いて位置を上げる負荷がありながら2着に好走は、秋華賞が位置取り負けの8着ながら0.4秒差の少差で走れたことがフロックではない証。
今回は斤量増にはなるが、前述のレース傾向の際に書いた【斤量増・瞬発型ラップのキレ負け巻き返し】パターンに合致。
ここは上位人気になりそうだが、好走率は高いとみて人気馬では最上位評価。


・スライリー
最後に馬券になったのが、21年のフローラSと以降馬券にこそなっていないが、着差は1秒以内のレースがほとんどで大きく負けたレースのほうが少ない。
トップスピード勝負では分が悪いが、上がりがかかる競馬は昨年の福島牝馬Sでも0.4秒差の4着とあと一歩の競馬でもう少し位置を取れれば馬券には届いていい内容。
前走は津村騎手が意図的に出して位置を取りに行き中団を確保も、少し力んでしまったとのことで、この経験が活かされて折り合えればもっと脚を使えるはず。
舞台設定は昨年の4着が証明しているし、暖かくなるこの時期にパフォーマンスを上げてくるのは牝馬らしく、今週のこの暑さも本馬にとってはプラスになるのではないか。
人気は全くなさそうだが、大穴ならこの馬の一発に期待するのは悪くない。



・ビッグリボン
忘れな草賞はスライリーに0.3秒差の3着と走っているように、3歳時から一定の能力は示している馬。
長期休養を2回挟みながらジワジワと馬体を増やし、しっかり成長をしているのは好感。
2勝クラス・3勝クラスの勝ち上がり時は、上がりのかかる持続型ラップ戦で勝利と今回の舞台への適性もありそうな点も良い。
前走は大逃げをうったレッドベルオーブを自ら動いて捕まえに行く競馬で、先に動いた分、ラスト1Fで止まってしまい、1・2着馬に差された形だが内容は濃い。
前走から1Fの短縮も、1.58.4の高速ラップを自ら動いて行ける脚を考えれれば、追走も問題ないと思われ、牡馬相手にここまでやれるなら、重賞初挑戦でも牝馬限定戦のここは勝負になっていい。



・ミスニューヨーク
自身の上がりが33秒台のレースでは、トップスピード&キレ負けで凡走。
反対に自身の上がり34秒以上のレースでは、22年以降0.3秒差以内の僅差で走っていて、上がりがかかる持続型ラップ戦への適性の高さはメンバー随一。
近2走はトップスピード勝負の適性外レースで、上がりがかかりやすくなるこの舞台への上積みは大きい。
前述のレース傾向に書いた【斤量同・瞬発型ラップ戦のキレ負け】パターンに該当。
Mデムーロ騎手から、今年32戦で馬券内0の加藤騎手への鞍上変更はプラスとは言えないが、その分でオッズがもらえるならここは買い。



その他上位人気、他気になる馬


・ウインピクシス
近2走で逃げを打っているのは、ジネストラと本馬のみで、おそらく逃げはこの馬。
楽に行かせてくれれば展開利を活かせそうなのは強味。
前走はスタートでバランスを崩し、前半&中盤に脚を使う形になり、見た目以上に負荷は大きく見直し可能な内容。
2走前の壇之浦Sで負かしたリューベックは中山記念で6着ながら0.3秒差と善戦を考えると重賞級の能力はある。
3走前のレース後コメントで松岡騎手が『来年の福島牝馬Sを意識しながらレースをした』とコメントしているくらい鞍上も能力を買っている馬で、展開向けばチャンスは十分も、前走は同じく前半から苦しい走りのクリノプレミアムには振り切られており、実績の割りに人気になりすぎると妙味は薄い。


・エリカヴィータ
秋華賞は一か八かの溜めに出て、流れが向かず後方まま。2走前はマイルへの距離短縮で追走に苦労し、最後方から追走も大外を回し、更に外から来た馬を気にして外へ逃げる走りになりながら0.3秒差はむしろ評価できる。
前走は、1コーナー手前で挟まれ気味になったことで、鞍上も『メンタルとリズムを崩した』とコメントしているように、ノーカウントの競馬。
福永調教師が騎手時代にポテンシャルを評価していた馬で能力はあるが、同時に繊細すぎる面があり、外から馬が来る形になると気性的な難しさを見せる馬。
すんなり先行できるか、外枠から被されない競馬が理想なのでここは外枠がほしい。
能力的にはオッズ以上の好走は可能で、ここは人気もないなら外枠を引き当てたら大穴でおさえても。


・ステラリア
エリザベス女王杯(2着)、ハイレベルな大阪杯で0.6秒差8着は、このメンバーでも能力は最上位の一頭ではあるが、約1年ぶりのレースでOPに上がってからの休み明け成績が一息である状況からも、ここで強気に印を回すだけの材料には欠ける。
調整過程がどうかは自分のファクターでは図れないが、実績だけで上位人気に推されるようならここは様子見。


・ホウオウエミーズ
昨年の福島牝馬Sでは本命に推して0.3秒差6着とあとひと押し利かなかったが、レースラップが前後半(46.8-48.4)と想定より速い流れで追走に苦労したことで、いつもの脚を使えなかったが適性は見せた走り。
時計勝負より、時計がかかる馬場のほうが良さそうで、上がりがかかりやすい福島芝コースは舞台設定としては悪くない。
ただ、近3走のレースは展開が向いているなかでの走りで、レース内容からの上積みはなく、後方からレースを作るならもう一つ決め手がほしい印象。
人気がなければ印は回したいが、昨年の0.3秒差やエリザベス女王杯でも大きく負けていない内容から、意外と人気しそうな気もするのでオッズ次第か。


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