~たゆとうとも沈まず~「凍える」

おはようございます。

「凍える」作詞:櫻井敦司 氏、作曲:星野英彦 氏 の新曲の感想です。ドラマ「闇芝居(生)」のエンディングにも予定されています。

後で書き直すかもしれませんが、印象のあるうちに感じたことを記録しておきます。

ふわふわと静かに、切ない高音で始まり、美しい、かぐわしい、泣けると巷で高評価を得ている。

けれど、これは 罠? その響きに聞き手をうっとりと浸らせるほど深くはない、フレーズが、歌い手の息が。つかのま、かいま見えた美しさで聞き手を魅了させている作戦をとったの?

「沈みたい、ただそれだけ」と歌詞にあるけれど、果たしてこの歌の主人公は、沈みたくても沈みこめないでいる。眠りに落ちきれず、まどろみの入り口で崩れ折れている。ほんの一瞬だけ、恋焦がれた相手との抱擁(曲「蜉蝣」を思い出す)のなか、流れすぎていく時間を止めたい、けれどこの時間は止まってはくれない。浸りきれない感触。

音楽は修正の効かない時間芸術。だから、何度も聴かせるようにする。深読みしすぎかもしれないが、このアレンジはそんなふうに仕掛けられた罠のようだ。

おかげで、流れるフレーズの中のもの全てを感じ取りたくて、つかみたくて、いつまでもいつまでもそのループの中に居続けてしまう。そうしてつかみとれそうでつかみとれないまま、過ぎていく時間を恨めしいとさえ感じながら、何度も聴きいってしまう ~新たな「樹海」。「ドレス」より深化した音は、沈まないようしかけられているようだ。

~ちなみに、「たゆとうとも沈まず」といえば、パリ市の標語だそうです。酷似タイトルで、西洋絵画をテーマにした小説もあります。さらにニッチな情報では、隙間家具のような少女漫画雑誌にシリーズ連載されたらしい、ある系統の元祖的存在とおぼしき少女漫画の題名でもあります。このころからダイバーシティ構想はあったのかと過大評価。

今日考えた 「おはようございます」の後に続く冒頭のキャッチコピー候補、DJ風で。 「おはようございます。どうも あなたの隙間にふんわり感触お届けします、メンタルタオルのお時間です」 かんがえなおそ。

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