見出し画像

コンフリクトガールの話

画像3

↓販売元サイトURL 体験版あり〼
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ294560.html

――梅雨の気配に空気が湿る、6月のある日。
試験に向けて勉強を教えてもらおうと、あの子に声をかけたのが始まり。
いつも優しい彼女の笑顔は、少しだけ、もういないお母さんに似ていた――

高校生活最初の夏休みを控えた6月。
『相川のぞみ』は期末考査に向けて、隣に住むクラスメイト、
『篠塚皐月』に勉強を教えてもらうことになる。
いつも穏やかな笑みを湛えている皐月。
しかし親しくなるにつれ、その笑顔の綻びに気づく。
優しさで丁寧に蓋をして、何かをずっと耐えているような……。
どこか亡き母に似た少女の見せる儚さに、のぞみは強く惹かれていく。――雨が降っている。

  あの日と同じように、朝からずっと雨が降っている――

                         (あらすじより)

 長文で感想が書きてぇ!今回のタイトルは「コンフリクトガール」
2020年も後1週間を切ったというのに、2020年最も破壊力があったゲームの一角に突如躍り出た年末の魔物だ!
 全年齢向けのノベルゲーで百合、恋愛ものでありサスペンスになっています。少し出血等の描写があるのでCERO的なレーティングだったらR-15ぐらいの内容かなーって感じ。

 やー、ね、このゲーム発売日まで全く知らなかったんですよ。発売日の深夜にたまたま友達と通話してる時にえっちな音声作品の話になってさ、「DLsiteのUI変わりすぎやろ!」とかダベりながらカチカチしてたら、なんか2時間前位に発売されたてホヤホヤのこのゲーム見つけちゃって、アンテナにピンと来て即買っちゃった。直感は当たりだった。


 実は既に自分、きじはとって名義で一度未プレイの人向けのレビューを書いていてDLsiteの販売ページに掲載してもらっています。
 そちらでは買うか迷ってる人の背中を押せるよう、未プレイの人にあまり余計な先入観を植え付けないよう、踏み込んだ話は少し避けました。でもそこではちょっとあっさりやりすぎたのでもう少し踏み込んで書こうかなーって思います。話し足りないしね!
 新たにプレイする人のきっかけになるものを書きたいのでネタバレにはあらすじで触れられている面以上には踏み込まない程度に。


画像3

 物語の視点役、話はのぞみが皐月と仲良くなっていく中で進んでいきます。亡くなった母親の趣味の影響で少しサブカルからの引用っぽい台詞がある。
 母親の死との向き合い方等で色々な事情を抱えており、明るく元気で素直な第一印象から徐々に色んな一面を見せてくれるキャラクター。

画像4

 今作のヒロイン、実質主役はこの二人で、どちらも主人公であり、ヒロインだったりする。この子もまたのぞみ以上に抱えているものがあり、柔和な第一印象からは予想もつかない程のにじみ出る危うさが今作の面白さの根幹を支えていた。

 この作品、キャラクター描写が滅茶苦茶良い作品で、キャラクターの隠れた一面を徐々に、にじみ出るように描写するのがすごく上手かった。
 話としてはあらすじの通り、期末テストの対策をきっかけにのぞみが皐月と関わるようになり、一緒に過ごす中でのぞみは皐月に対しての感情の変化に気づく、そこでコンフリクト(葛藤)していく。と言った感じ。
 事件性がなく、誰もが過ごした学生時代の平凡な日常なのに、急にゾクッとする冷気が差し込まれる。そのコントラストが素晴らしく読んでいてダレない。
 また、二人の周囲の人達が優しく真摯な姿勢で二人に関わる事でこの作品の日常描写を暖かに包み込んでいる。担任の松本先生とのぞみの父親の二人は特に良い描写が多かった。みんなあまりにも良い人でこの作品の雰囲気がよく出ている。


この作品のテーマは

「他人を頼るということ」
「死者を悼むということ」
「自身の感情は周囲の感情によって形作られる面もある」

 大体こういう所にあり、最後に挙げたものがこの作品が刺さるかどうかに結構影響する面かも。
 今作の登場人物、基本的にすごく他人の気持ちの機微を感じ取るのが得意な聡い子ばかりで、それが自分自身、他人を傷つける事に繋がったり、それが作中の出来事の遠因だったりするのがすごく感じ入るものがあった。

 誰も悪い人がいないサスペンス、こういうノリは青空文庫の夢水清志郎シリーズだったり、創元推理文庫の引きこもり探偵シリーズと言ったものに近いかなーって思ったりします。自分にとってはどちらも思い入れのある本なので、そういう部分も刺さった理由だったんだろうなー。

ED数はトゥルー1、ノーマル1、バッド9種類。個人的には初見のプレイ時に露骨なバッドエンドは避けずに回収しながらプレイするとより楽しめると思う。ifの顛末を知る事で余計に先が気になるだろうし。

 ノベルゲー好き、キャラクターがリアリティを伴って生きている作品が好きな人にはマジでオススメ!!体験版もあるよ!!

画像引用元
販売元サイト
https://www.dlsite.com/home/work/=/product_id/RJ294560.html
ミラーイメージCi-en記事
https://ci-en.net/creator/6731/article/330641
https://ci-en.net/creator/6731/article/330976

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?