「心の資本」の重要性

日立製作所の子会社、ハピネスプラネットのサービスで「人の幸福度を測る」という独自技術がある。
人が幸せを感じているかは心拍数、呼吸、筋肉の微妙な萎縮を専用アプリで測定してデータを所得する技術。

何故、「心の資本」が注目されるのか?

それは従業員の幸福度を上げることで企業の営業利益も上がるというのが理由。
具体的には「自信を持つ」「楽観的に考える」などの項目を数値化して、その指数の33%アップは企業利益の10%を後押しにも相当する。

以前までは「テイラーシステム」と呼ばれる手法で、自動車や飲食のライン工場は効率の良い作業で、短い時間にどれだけ数を作り出せるかが勝負だった時代だった。
その為に生産工程を科学的に分析して、職人の経験や勘を頼りにしなくても効率化させることができた。

時代はモノ→アイデア・ノウハウ

しかし経済の主役がモノからアイデアやノウハウといった「知」変わっていく中で、テイラーシステムでは実現が難しくなってきた。
この「知」に熱意を持って仕事に取り組む社員は5%と日本は世界で最低水準。
「考える力」が問われる時代に仕事に情熱を持てない社員がいるようでは企業の成長はない。
そして企業の成長がないことに若者たちはさらに仕事に意欲を無くしかねない、そんな悪循環を脱するには、「心の資本」を見直すしかないようだ。

テイラーシステムに代わる21世紀のシステム構築として、10年前からGoogleが一人ひとりの働く喜びを尊重するよう唱えたアリストテレスにちなみ「プロジェクト・アリストテレス」と呼ぶ社内調査が実施して企業風土改革を進めてきている。

イノベーションを産む職場とそうでない職場の違いは「心理的安全性」(自由な発言、組織に認めて貰えて安心することを指す)が大きく影響している。
この心理的安全性を社員に与えるのが大きな課題。

まとめ

企業は利益を確保したい、その為には社員が意欲を持って働かなければ会社には恩恵はない。
そしてその働き方も過去のような、作業ではなく頭で考えることが必要になってくる。
作業員としての仕事は今後はAIやロボットが担うことになるからだ。

企業を良くしたいという熱意のある社員を育てるには、その社員が働きやすい環境を企業は提供しなければならない。
一見社員を甘やかすようにも感じるが、よく考えれば「結果を出せば良い待遇をしてあげる」よりも「良い待遇があればそれに対して応える」の方が理に適っているかもしれない。
結果急ぐのではなく、先行投資としてまずは身内の幸せを約束して、安心して働ける環境(収入・労働環境)を作ることが結果として企業の利益となるんだとこの記事を読んで強く感じた。

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