肉を食う夢

ある集まりにいた。

前の方には、金髪の痩せた男性が講師として招かれていた。
最初はフランス人だと思っていたのだけど、
どうやら英国人のようだ。
ソフトな語り口で、
調理の方法を皆に教える

なにを食うのかというと、
若い金髪の女性の肉体を食べることになっていた
私たちは、どこかに保存された人体の
どこかの部位を、提供され、試食し、調理法や、
そのような食べ物を食するための作法を習うために
集まっていた。

その会場に来ているのは、ほとんど女性で
亡くなった(試食されている女性)人が
自らの意思で、そうなることを選んだのか、それとも強制的に殺されて
ここに人肉として供されることとなったのかはわからない。

ただ、そこに出席している私たちは、
ああ、これは必要な知識なんだな、と
だれかが死んだのだけれど、それは仕方ないことなのだと
自然に納得している

前から周ってきたその部位は、ゼラチン質の物体で、肉という実質はなく、
おそらく皮膚などのコラーゲンを含む部位だったのだろう。
口に含み、なんとなくの旨味と、ふるふるとした食感があった。
猫に与えるとりむね肉を裂く時に感じる、残酷な感覚を思い出した。
肉になることを望んで生まれたわけではない。
でも、猫は肉食だから、肉を与えないわけにはいかないから。
命は 命をバトンして、生きる。だからこそ、命を
自分の命を粗末に扱ってはいけない。
だれかの命をいただいて、生きていることを許された我々が、
自分の命を粗末に扱う時、それはあまりにも傲慢だということになる。
せっかく命を投げ出して、自分に捧げてくれた万物に、申し訳がたたないから。

どうしてか、そのコラーゲンみたいな物質は、わかめや昆布を極端にふやかしたような感じにも思えた。黒い、透明感のある物体


夢から覚めて
とても恐ろしい夢をみたと思ったと同時に、
今自分がやっていることが、果たしてこれでいいのか、と思った
そして、夢占いを探した。
人肉を食べる夢は、意外にも吉夢なのだそうだ。
生命力がみなぎって飛躍的に活躍できる夢なのだという。
食べた相手によって解釈は異なるようだけれど、
こうした若い女性を対象とした場合は、自分が憧れるような女性になれると
いう暗示なのだそうだ。
まだ暗い朝方、目がさえてしまった私は
そのままYouTubeを開いたら
駐車場などのコンクリートを敷き詰めた地面に時々
乾燥したワカメのような 藻の一種が雨に降られてふやけているのを見たことがあるが、あれは食べられるんだというのをやっていた。

あの黒い物体は、なんと藍藻の一種なんだそうだ。
藍藻といえば、ピロール農法を思い出す。

先の動画をみて、
本当に、人間はなんでも試してきたんだなあ、と思う。
私の潜在意識は、この動画を観ることを予知でもしていたのだろうか。
人肉とは程遠い食材だけれど。

様々な情報に触れ、 twitterや、ある種の YouTubeでも
そのようなものを食べている人たちがいる、という証拠画像的なものを見させられてきたので、
とうとう、それを(夢の中であっても)自分自身が体験し、
しかも自然なことのように受け止めている夢の中の自分に
衝撃を受けた。

人や、動物の肉を食べるということは
だれか、どこかの個体の死を意味する。

今考えると、あの人体のもとになった「女性」が自ら死にたいと思ったはずはなく、なぜか死んだ若い女性の肉を(これからの食糧難の時代だから)無駄にしないように、食べ方を学びましょう的な会だったように思う。

それを、当たり前のように受け止めて
人肉食を「習っていた」夢の中の自分。
そして
それを口にした生々しさを感じた自分。

そんな、はっきりした夢だった。

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