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ProLINK環境下でイベント単位のプレイリストを作る

どうもxinです。クラブイベントのテック周りでうろちょろするのが趣味です。

今回は表題の通りAlphaTheta(旧Pioneer DJ)社の提供するPro DJ LINKを活用して全自動で各DJのプレーした楽曲を収集、記録するシステムを構築していきます。
前提として構成のコア部分が非公式のOSSに依存しているため、自己責任、事故っても泣かない、readmeとwikiとissueをちゃんと読む等の精神が必要となります。悪しからず。

構成図

構成図などと呼べるレベルではない簡素さ


用意するもの

・適当なWindowsPC
無線+有線等でNICが2つ以上、最低限OSがちゃんと動く程度のスペックという要件を満たしていれば十分。今どきそう無いが32bitだと後述のソフトウェアが動作しないため注意。
自分はフットプリントと画面サイズのバランスでこれを使っています。

・LANハブ(8ポート)
構成図では3ポートのみ使用していますが、実際はDJMやrekordboxのExportモード等が加わり6ポート以上使用するパターンもあるため、念のため。

beat-link-trigger
今回のキモである「CDJで再生中の曲データを取得してリアルタイムで書き出す」という機能を担うソフトウェア。
CDJにロードされている曲を表示する機能ばかりクローズアップされるが、BPMをAbleton Linkに変換したり配信向けのオーバーレイサーバーを立てたりとかなり多機能。詳細はこちら

VJブースでこんな画面を見た事がある人もいるのでは?

PC版Googleドライブ
書き出したファイルをリアルタイムでGoogleドライブに同期するのに使用。
csvをリアルタイムでネット上に公開できれば何でもいいが、これが一番簡単のはず。多分。


環境構築

PC版Googleドライブ

ここからダウンロードしてインストール
インストール後ログインするとGoogle Drive (G:)というドライブがマウントされているはずなので、G:\マイドライブ以下に適当にディレクトリを切る。
今回はG:\マイドライブ\開発\BLTとします。

beat-link-trigger

ここから最新リリース(Lastest)をダウンロードしてインストール
winならBeat-Link-Trigger-X.X.X-Win64.msi のはず

インストール後、とりあえず起動
以降どこかしらのタイミングでセキュリティの警告が出るはずなので、両方チェックを入れて許可

こんなやつ

PCをCDJ等と接続していない場合は以下の画面で止まるので、Continue Offlineで画面遷移

下の画面が表示されたらTriggers→Edit Came Online Expressionで新しい画面を開く

この画面で下記コードをコピペしてUpdateで保存、画面を閉じる

;PlayerStatus自動表示
(beat-link-trigger.triggers/show-player-status)

;再生履歴自動記録
(playlist-writer/write-playlist "G:/マイドライブ/開発/BLT" "blt_playlist" true)


運用

LANハブにCDJ等を接続した状態でbeatlink-link-trigger(以下BLT)をインストールしたPCをハブに接続する

BLTを起動すると自動でCDJ等を認識してオンライン状態になり、構築時にEdit Came Online Expressionで書いたコードが実行される。
結果、Player Status(曲名等が出る画面)の表示や再生履歴の書き出しが自動で行われるようになります。

この状態でCDJで曲を一定時間再生後に停止すると G:\マイドライブ\開発\BLT に blt_playlist.csv というファイルが生成され、以降曲の再生と停止が行われる度に内容が追記、更新されていきます。

G:\マイドライブ 以下のファイルとフォルダは自動でGoogleドライブに同期されるため、ブラウザ上で最新のファイルの内容を確認できます

上記ファイルはGoogleドライブの機能で手軽にリンク生成と共有が行えるため、選曲を決め打ちしないアニクラ等で出番前のDJが既にかかった曲をチェックする場合等に活用できるかと思います。

注意点

・当然ですがProLINKを介していない楽曲再生(MIDIコンやDVS、HID等)は情報を読み取れないため、原理的にどうしようもないです

・上記サンプルでも発生していますが、何かしらの要因で楽曲名が読み取れずUnknown (no metadata found)となる場合もあるので、あまり信用せずあくまで参考程度に留める方がいいと思います

・BLTは非公式である以上何の保証もないので、ProLINK周りで何かしら事故った場合真っ先に原因として疑われる可能性が高いです。そうなった場合知識武装による反証もしくは口八丁で乗り切るか大人しく泣くかの三択なので、頑張りましょう。


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