はじめてのLEDマッピング(クラブ編)
LEDっていいよねLED。正式名称Light Emitting Diode。
どうもxinです。遂にVJでもないのに映像演出にダイレクトに干渉し始めました。
2024年1月7日にYOKOHAMA COAST garage+にて開催されたPRODUCER'S B@NQUET!!!!!!にてメインフロアLEDのマッピング等を担当したので、その際具体的に何をしていたかの記録です。
マッピングとは
雑に言うと素材とアスペクト比や形状が合っていない対象物に正しい比率やサイズで映像等を投影する行為。高輝度プロジェクターを使用して建物の壁面等に投影するものはプロジェクションマッピングと呼ばれる。
要件と構成
半年ぐらい前(23年6月頃)に会場の下見をさせていただいた際にメインフロアがLEDかつかなり横長な事を知り、マッピングの必要性を確信。
ただこの時はテクニカルのスタッフさんが不在でLEDのシステム自体も開催までにアップデートが入る可能性ありとの事だったので、詳細は詰めずに解散。
そして時は流れ、それとなくつついたもののシステムの詳細情報が手に入らぬまま年が明けて開催二日前ぐらいに。最早要件も何もあったものではないが、まとめると下記のようになった。
アスペクト比:不明
マッピングファイル:なし
入力端子:不明
解像度:不明
フレームレート:不明
走査方式:不明
カラースペース:不明
その他フォーマット:不明
結論:なんもわからん!!!
何も分からないという事は全てに対応する必要があるが、過去にアニクラ系のイベントで普通にVJが入っていた事からそこまで特殊な要求はされないだろうと楽観。自分の手持ちで対応できる最大の範囲を考えた結果下記の構成に。
図示したものが全てではあるが、V1のPGMをキャプチャしてマッピングした上で出力、必要に応じてフォーマット変換してLEDに送出する形に。
マッピングの手段
マッピング専用ソフトウェアMadMapperを使用。
これ以外の選択肢はほぼないと言っても過言ではないが、完全にプロ用なため恐ろしく高額。サブスク的なレンタルも存在するがそれでも高い。泣きながら1ヶ月1PCでレンタル。
仕込み
MadMapperを使用したマッピングのやり方自体は雰囲気で把握していたものの、マッピングファイル無しでの仕込みという謎要件への対応に困り、開催当日の午前3時に有識者にヘルプ。起きてた。神。
ああでもないこうでもないと言いつつ、下見時の資料や適当にインターネットから拾ってきた画像等からLEDのアス比が概ね32:9(普通のモニターの2倍の横幅)と推定。一旦32:9と仮定してプロジェクトを組む事に。
ぱっと思いついたのものを何パターンか実装。
途中で別途アウトプットを作ってそれをループバックさせれば現場で素材を一つ差し替えるだけで済むと閃きイチから組み直したりしつつ、一応実装完了。
気付けば部屋の外が明るくなっていた。
設営
事前に書いた構成図に従い粛々と設営。LEDのコントローラーがPC直出しの1080pを受けてくれたためUpDownCroosが不要だったり、出力自体もコントラーラー側で上下カットでマッピングされていたため現場での調整は最小限で済んだ。
LEDコントローラー側のバグで左半分の画が出なかったり、持ち込みのウルレコの調子が悪く予備として持参をお願いしていたATEM mini Proに差し替えるなどのトラブルはあったものの、映像面はある程度余裕をもって設営完了。
運用
無知故に各パターンの切り替えはSurfaceを直接表示/非表示する力技で対応。Cueの使い方をこの時の自分に教えてあげたい。
あとはVJ陣からの提案で上下カットを中央から下にずらしたパターンを追加したり、二面出しの時にロゴが複数出ないようMadMapper側で出したりと細かいアップデートを行いながら運用を進め、特にトラブルもなくイベント終了まで完走する事ができた。
課題
遅延
比較的遅延量の多いUVCでキャプチャしていた事もあり、E2Eで150ms近い遅延が発生していた。
ハードウェアキャプチャに変える、V1を挟まずに各VJからの映像をNDIで受ける等の対策が考えられるが、全VJがMadMapperを買って各自マッピング済の映像を出すのが一番手っ取り早いのでみんな買おう。
マッピングファイル作成忘れ
現地で上下各何pxづつ削れば完全な表示になるかを測定してマッピングファイルを作成すれば後続が楽をできたが、完全に失念していた。次の機会に期待。
完走した感想
一夜漬けの割には恙無く終えられたものの、知識不足故に「演出は思い浮かぶが実現方法が不明」というシーンも多々あったため引き続き勉強していきたい。
イベント後有識者から色々と教わった結果試したい演出も出てきたので、次回開催待ってます。
おまけ
24/01/16追記
実はOBSでもやろうと思えばできる。お勧めはしない。
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