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PDI VSR-10用MODULAR STOCK

PDI VSR-10用 MODULAR STOCKのレビュー

マテリアルが樹脂や木製が多いVSR-10用カスタムストックの中では非常に珍しいジュラルミンCNC削り出しで作られたストック。他のマテリアルでは実現が困難な高剛性高精度を求めた結果のよう。

ストックの剛性に左右されずに射撃性能が検証できる物は無いかと、VSR用ベンチテスト台やMR-30PGの様なストックをしばらく探していた所、MODULAR STOCKが見つかりました。

(ノーマルストック仕様との命中精度比較は以下の記事になります)


今回のベースはVSR-10プロスナイパー。
カスタムの方向性としてはなるべく純正パーツを使いMODULAR STOCKにフォーカスした内容にしています。

ノーマルストックと違いホップ調整レバーの切り欠きが無い為、チャンバーはマガジンを取り外してホップ調整をするアクションアーミー製に交換。ノーマルパッキンにマルイ純正VSR-10用精密真鍮バレルを使用。その他内部カスタムは未実施です。

せっかくなのでチャンバーはPDI製をと考えたのですが、ホップ調整が左右独立型だったり、ノーマルバレルもパッキンも使えなかったので保留にしました。

ストックにはマガジンを取り出し易くする為の切り欠きが大きく空いています。デザイン上少し奥まった場所にマガジンが入るようになるのですが、取り出し易くなっています。

ストックパイプはPDIの専用品ではなく、G&P WA/M4対応 5ポジションストックパイプ(Vltorタイプ)を使用。
問題無く取り付けできました。

樹脂ストック部分はレプリカのマグプルタイプストック。グリップはマルイガスブローバックライフルm4 MWS用。

各パーツを組み上げ、1.5-5倍スコープをマウントした状態で総重量3660gと、アイアンサイト搭載のノーマルの1923gに比べ約2倍の重量です。

組み上げた後にゼロインや調整で何回も銃を構えたり下ろしたりを繰り返したせいか、次の日には軽く筋肉痛になってしまいました。

ニーリングやプローン又はバイポットや三脚を用いるなど委託射撃を活用したい重量です。

今回の構成で重心の位置は銃のほぼセンター。(赤丸シールの場所)グリップを持つ手より銃を保持する側の手に重さを感じます。

金属の角材のような形状は手に持った時の保持のしやすさや快適性より、バイポットや三脚を利用した際の剛性確保を優先しているのでしょう。

テストシューティングを何度か繰り返す中で、MODULAR STOCKの重量と高い剛性はエイミング、トリガーワーク、フォロースルーと一連の射撃動作に影響を与える銃のブレ減少をさせる効果があると気が付きました。

例えば、スタンディングで委託をせずにスコープでターゲットを狙う場合、銃は微妙に揺れながら狙点にレティクルの中心が近付いたり離れたりするのですが、MODULAR STOCKではこの揺れ幅がノーマルVSRよりかなり少なくなりました。

ただし、十分な体力がある時に限ります。疲れてきた途端、ブレの抑制どころか保持も難しくなります。

トリガーを少し雑に引いてしまったと思った時もノーマルVSRに比べて銃のブレが明らかに少ない。操作のブレが銃に伝わり銃口がブレる前に弾が発射される感覚です。

また、ノーマルVSRでピストンが前進する際に起きる振動も減っていました。

射撃過程の中であからさまにブレが減少する現象は、これまでノーマルやカスタムでも樹脂ストックを用いて軽量に仕上げたVSRを好んで使ってきた自分にとってかなり新鮮な体験で、ネットで見かけるウエイトをバレルやストック内に追加してVSRの重量を増すカスタムの理由を理解できました。

物理的要因によるブレを減らせるというメリットの他にも、シューター本人がブレを抑える為に身体に向ける意識や労力が減ることで、エイミングやトリガーワークにより多くの意識を向けられる点も、結果的に射撃精度向上に繋がるのでもう一つのメリットだと思います。

MODULAR STOCKとノーマルストックのVSRを比較すると、カスタムにはシューターの基本的能力は変えずとも一連の射撃動作中の意識の向け先の配分を変えることで、結果的に精度向上に繋げるアプローチ方法もあるのだと思えました。

逆にデメリットは重量からくる取り回しの悪さでしょう。ゲーム中に素早く移動を繰り返したりダッシュするのはかなりハードルが高く思えます。

あと、チャンバーブロックが外から見えてしまうのは仕様のよう。気になる場合は銀色部分をブラックに塗装するなど手を入れれば見た目が良くなるでしょう。

MODULAR STOCKのデザインで好みの別れる場所の一つはトリガーガードまわりかもしれません。構造上トリガーガードとグリップの間に隙間ができます。

また、ノーマルトリガーガードではストックとの間に段差ができます。ここに関しては、段差の無いMODULAR STOCK専用トリガーガードをPDIが出しているので、こちらを入手すれば対処できるでしょう。

ノーマルVSRが軽く3丁は買えてしまう金額+グリップやストックパイプ等のパーツが必要な点もデメリットでしょう。

しかし、工業製品としてトップレベルの丁寧な加工や表面処理は素晴らしく、そこに価値を見出せる方は納得できるのかもしれません。

フィールドゲームでは前線付近で積極的な移動を繰り返す近〜中距離をメインとしたアタッカーやミドルポジションでのプレイスタイルよりも、有効射程距離ギリギリの長距離で高精度のシューティングをしやすい点から、前線にいる味方の後方支援やフラッグ付近のディフェンス向きでしょう。

他にはバイポットや三脚など委託射撃を前提としたターゲットゲームでも、精度の高い射撃が期待できそうです。

色々と書いてしまいましたが、同じVSRの機関部でもストックの使い分けで、まるで別物のシューティングフィーリングを体験できるのが、MODULAR STOCKの最もお気に入りのポイントです。

あと、ザクの様なODカラーも。



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