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愛知県 豊川稲荷と知多半島

ひと頃、名古屋の住人だったもので…どこに行こう?

今月は名古屋市内でちょっとした用事があり〈愛知県に行く〉と決めていた。さて、それでは何処を訪ねに行こうか…いつも飛行機から眺めている渥美半島? 伊良湖岬灯台は恋人たちの聖地、ってちょっと違うなぁ。
名古屋市内はもちろん、明治村や犬山城は、かすかながら両親に連れられて行った記憶があり、却下。
あんまり遠い山の中や三河湾に浮かぶ島々となると、先約の用事に差し障り、まだ行ったことがなくて有名どころの【豊川稲荷】に行き先を決定。
周辺で他にも行けそうな所は、と探して三河一宮を発見。そう言えばこの記事を書き始めて最初に取り上げたのは《上総一ノ宮》だった。諸國一之宮巡り、というのも面白いかも。
どちらもJR飯田線だから、便利…かと思いきや、ICカードが使えない!
豊橋駅から豊川駅 (豊川稲荷最寄り駅) までは、ICカード対応なのに、たった一駅先の三河一宮駅は非対応。そして豊川より先は…単線。やはり「ゆく年くる年」に出るような全国区の豊川稲荷とは差がついてしまうのか。〈一之宮〉なのに…。
後に調べてみると、来年の春に、ICカード対応が先まで延びるそうで。良かった。線路は…たぶん単線のままだろうなぁ。そこはその方が情緒があって良いかもしれない。

豊川稲荷は神社なの?

なんだか東京の別院の方が有名で、「あら【豊川稲荷】って、こんな所にあったのね!?」というのが正直な気持ち。大変失礼いたしました、というお詫びの心を込めて本堂内でご祈祷も受けることに。

通称:豊川稲荷  正式名称は《豊川閣妙厳寺》
こちらが大本殿
大本殿を脇面から撮影  長~い廊下を渡り、こちらの中でご祈祷を受ける

豊川稲荷は、JR豊川駅 ( 名鉄豊川稲荷駅とはすぐ隣合わせ ) から徒歩5分ほど。そんなに遠くは無いのに、私はウロウロと迷ってしまう。おまけにどうにかもっていた空模様も怪しくなり、小雨が降り出した。お狐様に嫌われているのかしら?💦
駅前広場には狐の跳ね回るモニュメントがあり、『豊川稲荷=お稲荷さん=お狐様=神社』という印象が強いが、本来は【圓服山妙厳寺】というお寺で、ご本尊は千手観音菩薩さまだとか。しかし、今回ご祈祷を受けたのは写真の《大本殿》であり、本ではなかった。よくよく解説を読むと、ご本尊さまは大本殿から長い渡り廊下で繋がった《法堂》内におわしますようだ。そちらは丁度、新築工事中で、今年の11月に落慶法要が営まれるとのこと。その後12月から、新しい法堂でご本尊さまの特別拝観が叶うらしい。
ということは、私はご本尊の千手観音菩薩さまには会えず、ということか。さらにこの法堂新築を機に、ご本尊さまもより大きなご本尊像の胎内仏としてお祀りされるそうだ。旧きご尊像にもお目にかかりたかったな、残念。

霊狐塚  お稲荷さんのパワーで願いが叶った人々が納めるお狐様たち


三河國一之宮 砥鹿神社(里宮)

豊川駅からひと駅。単線なのが珍しくて先頭に陣取って、ずっと線路を眺める。電車の本数が少ないので時間短縮のため、駅前にたった一台停まっていたタクシーに乗って神社へ向かう。行ってみると迷いようもない分かり易い道のりだった。これなら帰りは大丈夫、歩ける。鳥居のある入口に着いた、と思ったが、車はさらに奥へ。鳥居からの参道と直角に交わる形で表神門があり、門を入ると真正面に御本社が。
静謐な空気、ここは神気に満ちていると感じる。向かって右に大きな鹿の絵馬、左には今年の干支、龍の描かれた〈開運招福〉の絵馬。手水舎の横手には、〈日本一大きいさざれ石〉があり、その隣に子宝・安産・夫婦円満と大きく書かれた絵馬掛けが。参拝を済ませて奥宮の遙拝所を探すと、三河えびす社があり、靴を脱いで上がらせて頂いてお詣りする。
上がった途端にこんなえびす様に出くわして思わず笑ってしまう。

なんともユニーク❣  きっと大漁間違いなし
ちなみにこちらは、豊川稲荷 (妙厳寺) の大黒さん

参道脇の木立も大変清々しく、思わず時間を忘れそうになる。
参集殿はちょうど結婚式が行われていたようだ。また、御本社には初参りの真っ白なおくるみに包まれた赤ちゃんを抱いたご家族の姿も。
西暦701年からおよそ1300年以上の歴史があり、今現在も周辺の信仰が篤いのだと分かる。ご祭神は大己貴命 ( おおなむちのみこと ) であり、この里宮の創建よりも以前から、奥宮のある本宮山は霊山として古代の人々に崇められていた。奥宮には巨大な磐座 (いわくら) や巨木が存在し、はるか昔から、祭祀が執り行われていたという。行きたい気もするが、時間と体力が足りないかな(;^_^A
そろそろ帰りの電車の時刻が気になりだした時、境内図に〈荒羽々気神社〉を発見。境内地から一旦、外の道路へ出て振り返るような配置で、置かれている。大己貴命の荒魂が祀ってある。お参り出来て良かった。

知多半島の要 セントレア空港

名古屋市内での用事も済ませて2日目。住んでいた子供の頃からよくお買い物に行っていた〈栄さかえ〉に泊まったのだが、テレビ塔近くに出来ていた【オアシス21】なる場所が広くてすごかった。基本はインバウンド向けのバスターミナルなのだが、ガラス張りの大屋根の上 ( 水の宇宙船 ) には満々と水が張られ、その下の空間は、さながら水中を泳ぐように人々が行き交う。懐かしさも手伝って、後ろ髪をひかれつつ、常滑に向かう。

常滑は、子供の頃から憧れの土地であったにも関わらず、まだ行ったことがなかった。行き方を調べると、金山駅から名鉄に乗るのが良さそう。〈金山かなやま〉も、小さい頃によく連れて行ってもらった記憶がある。
名鉄金山駅に着くと、常滑方面の行き先表示には、【中部国際空港セントレア行き ミュースカイ】というカッコイイ名前の列車が出ており、「乗りたい!」と思ってしまった。路線図を見ると、空港駅まで行って一つ戻れば常滑らしい。( 実際には2つ戻る、だった ) 
「よし、乗っちゃえ!」特急券は車内で買えますよね、とホームにいる駅員さんに確認して【ミュースカイ】に乗り込んだ。快適~❣
夜間にかなり激しく降った雨も上がり、5月の気持ち良い空が広がっている。気分が良くなるといいアイディアが浮かぶ。
「もしかして、空港でレンタカーできたりするかな?」常滑の【やきもの散歩道】に行くつもりだったので、車の発想が無かったが、車なら、常滑だけでなく、知多半島のもう少し先まで行けるかもしれない…。急いで調べると、いつものカーシェアが予約できた。ほんっと便利な世の中になったよね~。思いがけず、セントレア空港も見て廻ることに。
実は、愛知県の観光スポットを調べていると頻繁にこの空港が出てきた。「ん~、空港は旅の目的地ではなく、旅に出る出発点だよね!?」とスルーしていた。でも、行ってみて、愛知の人が自慢したくなるのも分かる気がした。新しくてカッコイイ空港です。

憧れの地 常滑

なぜ憧れかと言うと、別に焼き物に興味があった訳でなく、子供の頃、うちに遊びに来ていた兄の友人が、常滑出身だった、というだけ。5つ年上の兄の友達は、幼心にとてもカッコよく見え、しかも母親が「〇〇君は頭も良くて礼儀正しくて、お家は【常滑】なのよね~」と、意味不明に褒めるものだから、私の中で、【常滑】は特別な場所として記憶されたのだ。
とこなめ、という音の響きも印象的だったのだろう。…余談だが、愛媛県の滝が美しい渓谷は、なめとこ ( 滑床 ) 。
セントレア空港で常滑のガイドマップを探したのだが、 外国語のものしかなく、一応、英語のをもらったのだが、名古屋市内で手に入れた日本語の《やきもの散歩道マップ》に頼った。
まず、陶磁器会館の駐車場に車を停め、おすすめコースに沿って歩き出す。

この標識に従って歩けば、まず迷うことはない  頼りになる招き猫の《とこにゃん》

マップには、陶器の販売店やギャラリー、陶芸体験ができる工房などが書かれているのだが、扉が閉まっているところが多くて、ちょっと入るのに勇気がいる。外からは中の様子も覗えない。でもそれこそ《お散歩》気分でそぞろ歩いているだけでも楽しい。

こんな風景は、常滑ならでは。

ぶらぶら歩いていると、この記事のトップに載せた写真のお店に遭遇。戸口は大きく開かれており、中で他の観光客がお店の人と談笑しているのが見える。安心して中に入ると、私好みの緑色の陶器に目が留まった。
前のお客さんが出て行かれると、お店の女性が声をかけてくれてあれこれと話に花が咲く。すべて彼女の手作りだそうだ。素敵だな、と思う一方、「荷物はあんまり増やしたくないから、後でネット注文しよう…」と名刺をもらったら、通販はやっていない、とのお返事。一期一会、ということか。確かにネット上では、本物の質感は伝わらない。SNSは得意じゃない、という彼女の人柄にも好感が持てて、お気に入りを購入。また訪ねたい、と思わせてくれるお店だった。ありがとう。

欲張って正解! 旅の終わりに最高の眺め

歩き疲れたので、どこかで珈琲でも一杯飲んで休憩したいな、と思うが、もう夕方になり、付近のカフェは、どこも店仕舞い。帰りのミュースカイの時間までに空港に戻らねばならないが、果たしてどこまで行けるか?
できればもう少し知多半島の南へ行ってみたい、でもネットの情報を頼りに行っても、カフェはもう閉店しているかも…コンビニコーヒーを車で飲もうか…? Google Mapとカーナビさんを交互に見比べつつ、「よし。時間の許す限り行けるところまで走ってみよう!」と車を出す。自分でも「ホント、私って欲張りだよな」と思う。
常滑から国道247号線を南に走っていると、突然! 目の前に絵のような景色が広がった。思わずひとり喚声を上げる。

野間崎灯台  
恋人たちが鐘を鳴らし 五線譜を型どった鉄柵に誓いの鍵をかけるのが流行りらしい 

下調べの時には上がって来なかった場所で、思わぬ出逢いに感謝。
でも平日の日中に、ウェディングドレスの新郎新婦が3組も撮影に来ていたので、名の知れた絶景ポイントなんだろうね。
そして、道路を挟んで反対側にレストランがあり、「もうディナータイムになってるかなぁ…」と思いつつドアを開けると、カフェでも大丈夫、とにこやかに迎え入れてくれた。ああ、来て良かった( ´艸`)
しかも、最近のマイブームの《ハワイコナコーヒー》もあり、もう最高❣
今回も大満足の旅となりました。

豊川稲荷のおもてなし

豊川稲荷でご祈祷を受け、4,000円以上のご志納をすると、点心 ( 精進料理 ) のご接待を受けられる。ご祈祷受付でご志納金額に応じて、決まった色の参拝券を渡され、色ごとに待合処が分かれており、ご祈祷が済むと、そちらにお膳が用意されている、という按配。参拝券の種類は、金券・白券・グリーン券、そしてお札のみを頂く紫券がある模様。

手桶には、お替わり用のお味噌汁がなみなみと 
お腹いっぱい 美味しかったです、ごちそうさまでした!

令和6年5月の旅










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