低血糖の理由に意外と副腎不全が多い?(EMA2023.1)
Tetsuya Kawahara, et al.
Frequency of Adrenal Insufficiency in Patients With Hypoglycemia in an Emergency Department: A Cross-sectional Study
Journal of the Endocrine Society. 2022; 6: 1-7
低血糖の原因が副腎不全である割合が意外に多い??
副腎不全と診断した患者では、そうでない患者と比較して、血圧と血清Na濃度が有意に低く、好酸球数が有意に多いという結果も今回出ていました。そのため筆者達は、原因不明の低血糖で、低ナトリウム血症や低血圧、好酸球増多などがあれば迅速ACTH負荷試験を行う事を推奨すると結論付けています。しかし血圧の有意な低下と言っても収縮期血圧で8mmHg、血清Na濃度の有意な低下と言っても7mEq/Lと軽度である事から副腎不全を見逃すリスクを考慮すると原因不明の低血糖では、低ナトリウム血症などがなくてもランダムコルチゾールはチェックしておいて、結果次第で迅速ACTH負荷試験を施行するというのも考慮されるかもしれません。
救命センターなどでは敗血症の頻度がもう少し多いのかなと思いました。ただ原因不明の中に実は副腎不全が紛れているかもしれないという考えは常に持っておいた方が良いですね。皆さんの施設では低血糖の患者に対するコルチゾールのチェックはどうしていますか?
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