骨髄針の使い方(2022/12記事から)

EMAアライアンスで論文紹介されてたのでそれからの引用。そんで、臨床まで落とし込めるように勉強用。今更だけど勉強したことを臨床まで考えてメモしておくことってめっちゃ重要だなと常々。。

そしたら、Antaaに相当まとまったものが転がっていた。。
頻繁に使うものでもないけど、使い方わかってないと使えない。

わかりやすい。

Rayas EG, et al. Distal femur versus humeral or tibial IO, access in adult out of hospital cardiac resuscitation.
Resuscitation. 2022 Jan;170:11-16.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34748766/

「蘇生中に大腿骨遠位部の骨髄路ってどうなの?」

脛骨は輸液するのに高い注入圧が必要であったり、上腕骨は胸に近いので蘇生行為中には穿刺しにくかったりする。(骨盤外傷では上腕骨にとる)

初回成功率は大腿骨95%、脛骨87%、上腕骨95%で加圧バッグを用いて投与された生理食塩水の量は脛骨で有意に少なく、大腿骨と上腕骨では差はみられませんでした。また上腕骨は大腿骨に比べて骨髄針の脱落が少ないということがわかりました。

EZ-IO®(Teleflex社)は、成人では大腿骨遠位部での使用をFDAで承認されていませんので、ご注意ください。(小児では承認されています)

狭い救急車内で胸骨圧迫しながらルート確保するには、大腿骨遠位部骨髄路、とてもいいんじゃないでしょうか。

Ankol S, et al. Distal femur intraosseous access in adult trauma patients: Afeasible option?
Am J Emerg Med. 2022 Nov 15; Online ahead on print.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36428188/

「大腿遠位部での骨までの距離」

EZ-IO®の一番長い針が45mmなので、膝蓋骨上の大腿骨の深さが40mm以上の傷病者ではそのまま大腿骨遠位部に骨髄路を確保するのは難しそうです。

大腿遠位部で骨髄路を取る場合は、さっとエコーを当ててSTDを測定してからが安全かつ確実でしょう。

以下はAntaa Slideより。骨髄針取りながらそれで採血ってのは知らんかった。鼠径から採れることがほとんどではあるけど、骨髄針刺さったら一回引くのでここで採血するのはアリだなと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?