肋骨骨折をエコーで診断(2022.7)

Gilbertson J et al. Test Characteristics of Chest Ultrasonography for Rib Fractures Following Blunt Chest Trauma: A Systematic Review and Meta-analysis.
Ann Emerg Med. 2022 Jun;79(6):529-539.
PMID 35461720 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35461720/

レントゲンでは約3分の2をも見逃す可能性があるという報告があります(感度31.1%、特異度90.5%、PMID 28559032)
となると肋骨骨折は毎度CTでしょうか?それもコストがかかるし放射線被曝の問題がありますよね。

これめっちゃ思ってたことや・・・。

そこで今回は超音波検査での診断精度についてメタ解析が出ていたので紹介します。

超音波での診断手順としては最大圧痛点をスキャンし、その部位に皮質の不連続性があることと定義されました。

結果はCTと比較して感度89.3%(95%CI, 81.1-94.3)、特異度 98.4%(95%CI, 90.2-99.8)と良い結果でした。
陽性尤度比は55.7(95%CI 8.5-363.4)、陰性尤度比は0.11(95%CI 0.06-0.20)でした。

Limitationとしては各研究のバイアスリスクが高いこと、手技者による異質性、女性患者の数が少ない(16.3%)などが挙げられていました。特に女性は乳房で観察不良になる可能性があります。

実際検査をする際の注意点としては以下です。
・肩甲骨などのため上位肋骨では診断精度が低下する可能性がある(一方で上位肋骨は縦隔損傷のリスクが増加するという観察研究もあり!)
・疼痛部位が明確でない場合は精度が落ちる(意識レベルが悪い、複数の損傷があり他の部位の痛みが強い など)

手技としては難しいものではなく、軽傷でCTまではいかなくても良さそう…と思う時は超音波の使い所かもしれませんね。
ぜひ一度お試しください。
動画はこちらのサイトに載っていますので参考にしてください。
https://www.thepocusatlas.com/musculoskeletal

↑冷静にこのサイトがすごい笑

うわああこれもっと前に読んでたらよかった〜><

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