見出し画像

税理士タケちゃんの「究極の話③」

【売上至上主義から卒業する。利益率UPで勝負する】

多くの人は集客UP・売上UPと、売上を増やすことばかり考える。
経営者にとっては売上はお守りみたいなもの。
増えれば安心するし、減れば夜も眠れない。

しかし、売上が増えると自ずと変動費(仕入)も上がる。
このことは経営者ならば誰でも理解している。
しかし、売上が上がってくると、毎月固定のはずの費用(固定費)も上がってくる事がよくある。

<固定費の増加例>
●従業員を増員したので給料が増えた
●社会保険料や労働保険料が増えた(見落としがち!)
●福利厚生費が増えた。
●消耗品の使用量が増えた。
●水道光熱費が増えた。
●借りている駐車場を増やした。
●倉庫が手狭になったので、もう1件借りた。

これらは通常、会計の世界では「固定費」とされる。
つまり、売上が増えても仕入代のように連動して増えない経費、という意味だ。
しかし、実情はどうか・・・。
確実に固定費は増えるのだ。
売上UPをして、粗利が増えて、固定費は一定だから利益がワンサカ!
なんてことにはならない!!!

多くの中小企業経営者が資金繰り難に陥る理由はここだ。
「売上が増えればHAPPYになる!」という錯覚を一度捨てる必要がある。
つまり、「売上至上主義を辞める!」
売上はむしろ下がっても大丈夫。
その代わり、「粗利率で勝負をする!」。

実際にあった話を紹介しよう。
法人開業して数年で数百万の売上から数億円に急成長した電気工事会社があった。
売上は増えるのに赤字かつ資金不足で、私の事務所に頼って来られた。

この社長はいつも「今月は粗利が●●万円くらい取れそうです」とか「この現場では●●万円くらい粗利が出そうです」と嬉しそうに話をする。

しかし、私が作成した「現場別の粗利率算出シート」に入力してもらったらどうなったか?
業態から言えば粗利率が40%台は確保しなければいけないのに「たったの数パーセント」しか発生していないではないか!

この社長は若いこともあって、売上を獲得することに全精力を注ぎ、粗利を「金額」でしか見ていなかった。利益率は完全に見落としていた。

こんなに売上が増えているのに、なぜお金が足りないのだろう・・・。
なぜ借入ばかり増えていくんだろう・・・・。

今までの社長の疑問は一瞬で払しょくされた。
「粗利は金額だけじゃなく、利益率でもしっかり検討する必要がある・・・」と。

売上がドンドン増えて行っていたのは、この会社の提示する見積価格が極端に低い為。だから、注文がバンバン入ってきた。けれど、仕事をすればするほど、変動費(材料仕入・外注)を賄いきれず、また、売上増加に伴う固定費のベースアップを支払えず、銀行借入頼りという体質になっていたのだ。

粗利益の金額は見積もっても、意外と割合については頓着しない人は実際に多くいる。商売人ならば、そして、自信のある仕事を提供しているプロであるならば、もっとそこにこだわるべきだ。

インターネットで検索すれば、大手のデータを除いて、中小企業の同業平均データなんてすぐに見れる。
自分の業界の適正な利益率、自社の抱える個別事情・・・。
それらを勘案して、かつ、金額だけではなく「率」でもしっかりと粗利益を見積もる必要がある。

私はこの会社の社長に、売上至上主義を辞めて、売上はちょっとくらい下がっても良いから粗利率UPにだけ取り組んでもらった。
すると、どうなったか。
3か月目くらいからお金が溜まり始めた。
「月末の一括支払時に、銀行にこれだけお金が残っているなんて!」
社長は初めての経験に歓喜した。

あなたの会社はどうだろうか?
当然、会計ソフトできちんと入力しているだろう。
しかし、現場別、商品別・サービス別という具合に、原価と粗利、そしてそこから個別の粗利率を算出できるような会計体制を日頃から整えているだろうか?

当税理士事務所の新たなチャネル展開である【サムライ式税務会計道場】では「あなただけの会計キャッスルを作ろう!」と題して、会計ソフト頼りにならない、まるでお城の土台(基礎)からお城を積み上げていくようなイメージで、御社が必要とする会計体制を構築します。そして、その為のコンテンツ開発を行って参ります。

もっとツナガル・もっとツナゲル。
サムライ税理士は、今日も挑戦を続けます!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?