測量士国家試験を短期間で攻略できたという話です。

概要:8日程度の学習で測量士国家試験に合格できたという記録です。

例年は5月に実施される測量士国家試験が、このご時勢にて今年は11月に延期されましたね。この記事投稿時点では試験対策に勤しむ方も多いことと思います。

私は昨年(令和元年)実施の測量士国家試験に合格しました。測量に興味はあるが心得は全くないという状態から学習を開始して8日程度でなんとかなったのだが、これはやや珍しい例だという気もするので記録に残してみようということで。役に立つ人がいればいいな。役に立たなければ残念だな。

以前どこかに書いたものをちょっと改稿したものです。
なお、私の実例を示すのみであって、その普遍性に責任は持ちません。

前置き

学習開始時の当方の状況は、

・大学の学部生であり測量の実務に携わったことはない。専攻は地理/測量/測地/建築/土木やその他の地球科学、いずれでもない。教養課程の微分積分線形代数ぐらいは備わっている(はず)。
・地図が好きですよ。好きというだけで専門的な知識があるというわけではないのですが。Google Maps眺めているだけで日給2万円ぐらいもらえるバイトがないものかと思っているのですが見つかりません。不景気ですね。
・入試の知識の類は少し残っているかもしれない。センター地理の地形図/地図のあたりは得点源だった。そして二次試験では地学というややレアな選択をした。地学は非常に役立ちそうな気がするけれどこの試験についてはさほどでもなく(精々、ジオイドというものを初めて知るのではなかったぐらい)、地理のほうがずっと役に立ったような気がする。

できるかな。さあやってみよう。

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まず発端から。地図が好きでちょっと測量に関心が出てきたので資格を取ろうと思いました。さて、測量士と測量士補、どっちにするかしらね。などと迷う素振りはしてみたが、測量士補を経由せねばならない決まりも理由もないのだから、上位資格の測量士を取ってしまうのが経済的ですね。なお、試験日は同じなので同年に両方受けることはできない[*]。

あと、地球科学や数学を専攻して(所定科目を修めて)大学を卒業すると、申請するだけで測量士補の資格が得られるという制度がある(測量法第51条第1号)。私は専攻が違うが、そうやってローコストで測量士補になれるのはちょっといいなあ、と、おもいました。測量士補の試験を受けるつもりはないのだが、ローコストで資格がもらえるとなるとちょっと羨ましい。卑しい根性である。とはいえ、在学中に測量士取ったらそれを羨むこともない。試験に合格しさえすればいいのだからさっさと取ればいいじゃないか。そうだ取るのだ。こういう無鉄砲なことをしばしば考える。

[*]とは書いたが、測量士と測量士補の試験を両方受けること自体はできるかも。ただ、両方同時に合格はできないけど。測量士は午前と午後、測量士補は午後のみなので、まず測量士の午前を受けてみてその出来次第で測量士を放棄して測量士補の会場に移ることができれば受験はできそう。ただ、そうすることにどれだけ意味があるのかとか、両方出願することが認められているのか否かとかその辺は知らない。

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願書の配布場所が近所にあったのは好都合だった。郵送で請求ということになったら面倒くさくなってやめていたかもしれません…っつうか、電子申請の類はなぜないのか。とはいえ、1月下旬の期末試験やらレポートやらで大わらわになっているところに願書を取りに行って出願するってのはよい息抜きになった気もする。

出願の締め切りが1月28日で試験日が5月19日だったので、出願完了から試験まで随分待たされます。試験日が同日である司法試験予備試験(短答式)より締め切りが数日早い。いや、だからなんだというのではないが。

なお、出願に必要な収入印紙やら郵便切手やらは金券ショップを利用すると少しだけ安く上げられます。さらに顔写真はうまく画像をL版サイズに合わせてコンビニで印刷すれば数十円で印刷できるので50枚ぐらい印刷してお気に入りの1枚を選ぶのはどうだろう。

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さて、無事出願できたはいいが、では勝算はあるのか。ここはとりあえず先人に学ぼうと思った、が、実務や測量士補を経ずにいきなり測量士に挑戦して勝ち取ったりという例が見つけられなかった。というかそもそも測量士試験の学習法などを載せている例があまりない。いろいろと調べてみると何か見つかるかもしれませんね。

現行の測量士試験対策用の書籍としてはおそらく唯一のものであるところの日本測量協会のテキストや同協会の通信講座というものがありますが、これのお世話になる余裕は金銭的にも時間的にもありませんでした。果たして私は協会のお世話にはならずにどうにかなりましたが、ただ、もし測量の実務に携わることになった場合、このテキストや講座で培った知識は必ずや役に立ち、利用しなかった私との歴然とした差として現れることでしょう、ということで。

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方針は定まった。あとは学習のみと意を決す。時は5月第2週。マジか。きっと時間泥棒に途中の時間を盗まれたのだと思いますが、御国から賜った10連休、休みなのだから休まずして如何する! などと猛ったような気もします。きっと時間泥棒が嘘の記憶を植えつけたのでしょう。10連休より遥かに長いはずの春休みもあったはずですが。うるさい過ぎたことをいつまでも悔やんでどうする。

…冒頭に書いたように、結局8日程度の学習で片付けたのは事実で、これは一般的には短いほうだとは思います。とはいえ、正直なところ、この「ああそろそろ勉強しなきゃなあ面倒くせえなあ明々後日ぐらいからでいいか(明日から、ですらない)」をいかに馭すか、というのはずっと私自身の大きな課題ではあります。これと対峙し続けた間もまた試験対策に(空)費した時間といえるような気もします。これを含めると、出願完了時によっしゃ勉強せねばと思ってから実際に取り掛かるまでの100日間ほどが上乗せされます。するとそんなに短くないですね。結局、さすがにこれ以上遅くなると成功の可能性は皆無というデッドラインを感じ取ったときにやっと重い腰が上がったわけです。これまでこういう帳尻の合わせ方をする人生で、それが成功したり失敗したりして、きっとこれからもそう生きてゆくのでしょう。

学習開始

そういうわけでなんとか5月11日に始動しました。一応準備はしており、試験までの間に済ませておかねばならない大学の課題とか発表の資料とかは全てやっつけ、参考になりそうな本は図書館で調達しておきました。授業をサボったりはしませんでしたが、出席取ったあとはろくに授業も聞かずに試験対策をしていたとかいうこともあったんじゃないかな。試験場で貸与される電卓(CASIO SL-910GT-N)と同じものを手に入れておこうかとも思いましたが、そこまで慣れておく必要もないだろうと思って買いませんでした(試験終わったら使い道ないし)。試験中、この機種に慣れておらず見当違いの値が何度か出たので買って慣れておくのは無意味というわけでもないのですが。

とりあえず測量ってどんなものかしら。なんか縞々の棒持って立ってたり、ビデオカメラみたいなものを構えてる人を時々見る気がするが、それは地図を作るための距離や角度などきっちり測っているんだろう。それくらいの知識からスタートです。それらの器具は標尺やレベルという名前だと知るのはもうちょい後です。

最初にこれをざっと読みました。

この表紙、なんか味があっていいですね。

なお平板測量はもう出題されない(と思う)のですが、そういうのはあんまり考えずにとりあえず通読するといいんじゃないですかね。ああ測量ってこんな感じなんですね、という大枠の大枠をとりあえず掴んでおきます。

試験についての戦略を立てます。午前と午後の合計点で合否が決まり、午前・午後(各700点満点)の合計910点以上かつ午前400点以上獲得で合格となる。午前は1問25点の択一問題が28問出題される。午後は記述式で、必須問題(300点)と選択問題(各200点・4題中2題選択)からなる。午後の詳細な配点は公表されていない。午前の点の1問あたりの配点が結構大きい(午前の4問が得点にして午後の選択問題の大問1つのうちの半分にも相当するのである)気がしたので、午前を重点的に攻めることにした。午前が満点であれば午後は210/700すなわち3割取れればよいので、それなら何とかなりそう、とか皮算用をしてみたりして。

ここに大いに役立ったWebページが、松原洋一氏による「測量士&測量士補試験対策」です。受験生にとっては説明不要なほど有名なページですね。ここの、「測量士(午前)WEB○×テスト」をひたすらやりました。トータル750問のセットです。ほとんど何も分からない状態からでもいいので、とにかく解いてみましょう。分からない用語や概念などが出てきたら、Webや本などで調べつつ(しかし深入りはせず)、とにかくまず一通りやってみましょう。

このとき参照したのは主に

この2冊ですが、私は基礎測量学のほうが好みでした。こっちは試験場まで持って行きました。

ある程度覚えたら、WEB○×テストの100問あるいは150問のジャンルごとの区分それぞれを1セットとし、最初から解いてみます。1問でも間違えたらセットの最初からやり直します。1セットはさらに5つの小セットに分かれていますが、これを解く順序は適当に変えてみると飽きないでしょう。ともかく、1セットまるごと連続で正解しましょう。それを7ジャンル分やるだけです。これを2周も3周もできればいいんでしょうが私は時間的な都合で1.5周ぐらいでした。とにかく時間がかかった。それだけでもある程度の知識が付いたようです。

ではここで午前の問題を見てみましょう。過去問は国土地理院のサイトにありますが、先述の測量士&測量士補試験対策のページにも、さらには別のページ(後述)にもあります。

すると結構解けます。大半はWEB○×テストで見た様な気がするもので、そうでない部分も少なくはないですが、測量士ほとんど関係ないただの数学だったり誤差論だったりあとは落ち着いて考えれば分かるものだったりします。誤差論については、

これの最初のほうをおさらいしました。この本は以前、計測学だかの授業にて教科書として読んだものというだけで、特にこれをおすすめするというわけでもないです。が、悪い本ではないような気がします。

あと、クロソイドについては毎年1問出るようなので個別対策として公式3つぐらいを覚えておきます。再度チャレンジほら解けた。

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などと言ってる間にもう試験は目前です。さて、午後の対策を始めましょう。午後の選択問題を何にするか。もはや、各問を実際に解いてみてじっくりと比較して検討する、なんて暇はないのです。さっさと決めましょう。

まず地図が好きなのでNo.4(地図編集)は決まり。No.5(応用測量)は多彩な上に細かいプロセスを抜かりなく覚える必要がありそうという印象があり煩雑なのでイヤです。No.2(基準点測量)は計算が多そうなのがどうにも。電卓があるとはいえ細かい計算は不得手で、時間内に解ききれるか分からないどころか序盤で時間切れになる可能性すらありそうで、あと途中の計算が間違ってたら以降が総崩れになるんじゃないかという懸念もして、やはりこれもイヤです。No.3(地形・写真測量)は面白そうだが実際に正解に至るのが難しい問題も多そうで、これもイヤです。これがイヤイヤ期というやつか。とはいえ、もう2歳ぐらいではないのだから自ら解決に及びましょう。面白そうと感じはしたのだから、得点には結びつかないかもしれないが少なくとも学習は苦ではなかろう、ということでそれにしよう。実際に問題を解いて手応えを見たわけでもない(もはやその時間すら惜しい状況である)が、まあこれでいいや。

ここで参照したのが、過去の問題についてまとめてある、あるWebページです(すばらしいページなのですが、ページ内に情報の紹介やリンクについての規定がないので一応、詳細は控えておきます)。近年の午後の解答を眺めてみます。問題と解答が併記される形式でまとめられていてとても便利です。どんな感じの問題が出るのかちょっと掴んでみましょう。このとき、午前対策で詰め込んだ知識が結構使えるんじゃないの、と気づきます。午後は3割でよいのでこれならなんとかなりそうだと安堵しましょう。なお、午前は満点を取るのだから、という前提が正しいのかは考えてはなりません。

時間の限り過去問を遡って漁ってもよいのですが、問題作成方針によると「陳腐化した技術及び使用頻度が少ない技術に関する問題」については出題されないようなので、あまり古いのを追いかけても仕方ないと思ったので直近数年ぐらいで済ませました。あと近年の傾向とかそういうのもあるしね。

試験までに残った時間は概ねそうやって問題と解答を眺めてました。

実践編

そして試験当日になったよ。行きの電車の中ではタブレットで過去問を眺めてみたり本を読んだりしました。駅から試験場まで30分ほど歩いてみたのですが途中でちょっと腹痛が。あそこにトイレを貸してくれるコンビニが無かったら命運はどうなっていたのやら。ともかく菓子やら昼食やら買っていざ試験会場へ。今は亡きOrigami Payを使って決済したのを思い出した。

周りはたくさん人がいますね。測量士補試験は午後からだから、じゃあこの辺にいる人はみな測量士試験の受験者か。一見は荷物を台車で運んでお仕事中に見えるあそこの青年も一見は散歩をしているように見えるあそこの親子連れも一見は犬に見えるあの犬もみなが受験者でありともに戦う仲間なのだ。ごっついテキストとかびっしり書き込まれたルーズリーフとか持ってる人もいたが彼らはたぶん居合わせただけの無関係な人だろう。

…ごっついテキストは先述の日本測量協会のもののようで、実物をその時初めて目にしました。辞書かよってぐらいの厚みがあって、あれは凶器になりうるのではないか(分厚い書物についての気の利いたようでもはや陳腐な表現です)。そういうのを持っている人はみな優秀に見えてしまうのが試験場の常ですね。私は本を読んだり紙に計算式とか書きなぐったりしておさらいをしていました。直前に何かしたって変わるものかもうちょい鷹揚に構えろよという言い分もあったりしてそれはそれで教訓たりえるのだろうが、何しろ私自身、大学入試にて試験開始直前にそうやって血眼で参考書を読んでいたときに目に留まったものが直後の試験で出題されてお陰で正解できたって経験が実際あったので、教訓よりも経験のほうを信じることにします。悪足掻きってのも悪いものではないと思うよ。悪足掻きという名で悪くないとはこれいかに。

くだらないことを言っていたらもう試験が始まりそうです。電卓やら用紙やらを配布してくだすった係員の方がみなビシッとスーツ姿で、胸に「国土地理院」と書かれたバッジがついていました。いいなあれ欲しいな。

そして解いた。全問解き終わってもまだ時間に余裕があったが、途中で退出すると試験問題が回収されてしまって手元に残らないので寂しい。そしてそもそもが粗忽でどうせどこかでつまらないミスをしていたりするのだからざっと見直しもした。そのへんも済ませてあとは午後に備えて記憶した単語を忘れていないか問題用紙の余白に書き出してみたりしてるうちに終わった。

実際の手ごたえはこんな感じ。
No.1:WEB○×テストで見た。
No.2:WEB○×テストで見た。
No.3:WEB○×テストで見た。そもそも、何らかのXMLではあってもさすがにHTMLが標準ではないだろ。
No.4:数学。一次変換を習った世代なら高校数学で解ける。
No.5:統計学、とはいえただの知識問題。
No.6:WEB○×テストで見た。
No.7:WEB○×テストで見たような気がする。
No.8:過去問にあったが実際に手を動かしたて解いてみたわけではないのでちょっと詰まった。とはいえ、扇形を二等辺三角形で近似して相似計算だったはずだってのは覚えていたので、それなら標高は平均を取って、あと角度についてもたぶん平均を取るんだと思ったが、関数電卓は使えないのでどうせ三角関数表にある角度を使うんだろってことで計算もせずに3°と決め付けた。案の定そんな感じだった。
No.9:WEB○×テストで見た。
No.10:過去問にあった。図を描けば解けた。
No.11:なぜか何番を答えたか問題用紙に転記し忘れてる。粗忽っぷりの発揮である。が、確信を持って答えた記憶がないので多分外してると思う。WEB○×テストで見たとは思うんだけど。
No.12:WEB○×テストで見た。
No.13:誤差伝搬。
No.14:落ち着いて読めば測量はほとんど関係ない数学。式14-1と行列で何をしたいのかちゃんと読み取る。
No.15:WEB○×テストで見た。
No.16:WEB○×テストで見たもので3.と4.まで絞り込めるのであとはそれっぽい方を選んだ。
No.17:WEB○×テストで見たものをもとに計算。写真測量のこの手の問題は三角形2つ描いて相似計算をする。
No.18:WEB○×テストで見たものなどをもとにして考え込む。しかし3.と5.で散々迷って外した。
No.19:常識で考えられる類かな。基準面が低かったらいきなりやたら高いところに行ったとき危ないじゃん。
No.20:WEB○×テストで見た。
No.21:これはそのままセンター試験地理の問題として通用すると思う。楽しい。
No.22:これもほぼセンターっぽい。すぐ3.と4.に絞り込めるがd.の正誤がよくわからん。e.は正しいのでじゃあ3.かと思ったらe.の「どの点においても」の記述に気づいた。そんなわけないですね。
No.23:WEB○×テストだったか本だったかで見たのとそれっぽい方を選んだ。
No.24:間違った記憶をもとに答えてしっかりと外した。
No.25:せっかく覚えたクロソイドの公式は1つしか使わなかった。問題の設定を正確に理解できない(あるいはよく読んでいない)場合、中心角を交角と勝手に読み替えて間違うというトラップがあったようです。あとクロソイド部分はA-B,C-D間の2つあることにも気をつけよう。意外と2倍にするの忘れそう。
No.26:WEB○×テストで見た。
No.27:座標法は本で見て知っていたが雑な理解だったので、台形の面積をいちいち律儀に(÷2して)求めていた。よく考えりゃあとからまとめて÷2すりゃいいよね。あと、補助基準点について、その方向角の始線の方向と角度をどっち回りに測るのか、が分からなかったので、真北から右回りってのが自然だろと思って解いたらその通りだったようでよかったです。ただ計算ミスで奇天烈な値が出て時間を食った。
No.28:WEB○×テストで見たのかもしれない。わかんなかったので適当に答えて外した。

結果24/28の600点(たぶん)。満点じゃなかったですね。しかし上出来じゃないでしょうか。そしてWEB○×テストの威力が凄まじいですね。すばらしいものを公開してくださって本当にありがとうございます。

昼食をさっさと胃に詰め込んだら次はやはりギリギリまで午後の知識を詰め込む。必須問題の午後No.1(法規/準則)のために本の測量法抜粋などを読む。正直なところNo.1はなんだか退屈であまり好きになれなかったので対策も手薄で、配点も多いのによくそんなこと言ってられるなという感じですね。しっかりと詰め込む。

午後の試験時間は150分なので、これをNo.1/3/4で均等に50分ずつ割り振ってこの順で解くことにした。配点を考慮するとNo.1にウェイトがあるが、時間掛けてもあまり解ける気がしないし。

始まりました。出だしは順調だったような気がするがだんだん解けなくなりました。No.1を全部埋めるだけ埋めた頃に50分経ったのでNo.3へ。結構ここで時間を食われて全部埋められずに50分経ってNo.4へ。ここは楽しく解けました。No.3へ戻ったりなんやかんやでタイムアップ。

こんな感じ。
No.1
問A.:すべて正解。ところでこの問題は測量法の条文の穴埋めで、問題文が

第二十四条 基本測量の[ウ]又は[エ]の~

となっている。もちろん[ウ](永久標識)と[エ](一時標識)の内容が入れ替わっていても論理的には何も違わないわけだが、条文に忠実に埋めねばならないのであれば、この順序は厳密でなければならないことになる。が、発表された正解では順序を問わないことになっているので、必ずしも条文に忠実である必要はない、ということになる。とすれば、他の解答も、意味が一致すれば必ずしも条文通りの表現でなくてもよいとする余地があったりしないかななどと考えた。もちろん実際のところは知らない。

問B-1.:すべて正解。語群があるとなんとなくそれっぽいものを選べる気がする。
問B-2.:見当違いのことを書いた気がするが部分点があるなら少しは拾ってもらえるかも。
問B-3.:見当違いのことを書いた。
問B-4.:それっぽいことを書いた。発表された正解は一例なので他のものはあり得るだろう。
問C-1.:大体合ってる。[ア]は単に「助言」としたかも。
問C-2.:精度の確保については書いたので部分点があってほしい。
問C-3.:見当違いのことを書いた。
問C-4.:すべて正解。語群があると。
問C-5.:過去問にこの手の問題があったのは知ってるが憶えるのを放棄していた。適当に解答したので正解かどうかも分かんない。午後はどう答えたかあまり記録してない。
問D-1.:おおむねすべて正解。過去問で見たのもある。b.については、伐採せずに済む方法を検討することへの言及が抜けていた。
問D-2.:すべて正解。おおむね過去問で見た。

No.3
問A-1.:いきなりまったく勉強していないところから出て困ったなあ。とはいえ、UAVについて重点的に出題される可能性は予想できないわけではなかった。ドローン検定あたりの勉強をしていた人は取れたんだろう。[イ][ウ][オ]はなんとか正解したので斃死というわけではない。残りは適当にそれっぽい言葉を書いてそして外した。
問A-2.:見当違いのことを書いた。雷だか強風だかのとき有人だと人命が危ないけどUAVならぶっ壊れるだけで済むとかなんとか書いたかな。そもそもそんな時にはUAVだろうが飛ばすのやめとけよって話ですよね。正解については言われりゃ納得。
問A-3.:正解。
問A-4.:丁寧に計算して正解。
問B-1.:それっぽいことを書いた。空中写真については崩落の危険性とか地上付近に火山ガスがあったりして作業員の立ち入りが危ないような地域ってのはダメですか。
問B-2.:それっぽいことを書いたが完全な正解ではないだろう。
問B-3.:それっぽいことを書いた。
問C-1.:丁寧に計算して正解。標高足すの忘れないようにね。
問C-2.:丁寧に計算して多分不正解。
問C-3.:丁寧に計算して多分不正解。
問C-4.:丁寧に計算して多分不正解。
問C-5.:それっぽいことを書いた。
問D-1.:時間がない。[ア]はすぐに分かった。[キ]~[コ]も2択なので落ち着いて読んで正解。他は適当に値を書いたが多分不正解。よく読めば[オ]とかすぐ分かったのにね。ここまで解いて時間切れになったのでNo.4にひとまず移った。
問D-2.:No.4から戻ってきた。単なる用語なのですぐ書けました。
問D-3.:見当違いのことを書いた。
問D-4.:TINについては過去問でその計算をする問題があったので、平面の方程式でも立てれば解けるだろうがそれでは時間を食うので手早く解く方法などあるんだろうか調べよう、と思って忘れていた。それが出なくてよかった。単なる用語なのですぐ書けました。ところで「最近隣法」「最近接法」どっちが正しいのかしら。発表された正解では前者だが、後者も他ならぬ国土地理院のサイト上にて用いられている。どっちでもいいのかな。

No.4
問A-1.:過去問の例によってこの問題は出るだろうなと思っていて、そのために定規を2本持ち込んでいたほどの抜かりなさだったのだ。が、そもそも図郭の取り方をよく理解していなかったので、問題文を読むのにやたら時間を食った。まあ描けたからいいか。一応書いておきますと、図郭が1つあたり(20等分して)1500m×2000mということになるので、X,Y座標がそれぞれ1500,2000の整数倍になっているB点が図郭の角にあたるわけです。これを基準に平行線を引いて図郭を描きましょう。東西/南北の基準がないので、縮尺の表示から平行/垂直になるように写し取ればいいでしょう。ここで定規が2本あれば手早く図が描けます。来年以降出るか知らないけど。

問A-2.:計算ミスしてなければ正解を書いているはず。
問A-3.:丁寧に計算して正解。
問B-1.:なんとなく大学入試テイストでいいですね。すべて正解。19とか0.9999とかの特徴的な数字は割とすぐ覚えられるのでは。
問B-2.:汚い図だが必要なことは描いたはず。
問C-1.:1つ怪しい。他は正解。
問C-2.:それっぽいことを書いた。
問C-3.:それっぽいことを書いた。
問D-1.:データベースの勉強をしたことがあるのでクラス図にも動じぬ。素直に読み取って書いてすべて正解。
問D-2.:WEB○×テストで見た。語群万歳。ここまで解いてNo.3に戻る。

おわり。

時間内に全て解くことはできなかったが大半埋められたので満足です(単に埋めたってだけものもあるが)。No.4がかなり手応えがあったし、文章も結構書けたつもりでいたので、これは合格してるかな、ぐらいのつもりでいました。後からいろいろ見当違いのことを書いていたと知ったり、それっぽいことを書いててもそんなに的確ではないんだろうということでその自信も揺らぐわけですが。まあ、終わった試験をどうこう言っても仕方ないし、結局午前や午後No.4は結構できていたのは確かなようなのでなんとかなってくれてたらいいな、ということになりました。そしたら合格していました。よかったですね。

おわりに

試験当日、そこそこ空席があったのを覚えています。不測の事態で残念ながら試験を受けられなかった方もいらっしゃるかと思いますが、到底受かりそうにないということで棄権された方も少なくはないのでしょうか。

しかし、棄権したところで受験料は返還してもらえないことですし、受けてみりゃいいのにと思います。ひょっとしたら受かるかもしれないですよ、とか思っています。そんな感じで受かった一例として記録しておきます。

私自身は、地図が好きなのでというところに発端して、試験もその一辺倒で押し切った感があります。結局基準点測量や応用測量はほとんど分からないままです。あと数学を最初からやりなおすというような手間は要らなかったことも大きいかな。

そして何より、試験に関する非常に有益な情報を公開してくださった諸氏のお陰です。これらの情報公開なくしては合格はおそらく無理でした。ここに感謝を申し上げます。

合格できておおむね満足です。が、心残りなのは一点。せっかく準備して行ったのに、赤鉛筆と青鉛筆(作図題などで使うことがある)の出番が一切なかったことです。残念。


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