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電気ビリビリー・エリオット(日記)

最高〜!
ありとあらゆるエネルギーが込められている。13歳のこどもが見せつけてくる智力体力人間力に大人のわたしは情けなくもなるわけですが、感情の'すべて'が入り交じった表現を目の当たりにしてそれすらどうでも良くなるのです。舞台から圧迫されるくらいの感情に充てられて気づいたら勝手にボロボロ涙がでていたのだ。なんだかこう書くと気持ち悪いね。うまくいえません 言葉にできない 抑えきれない気持ちになりました。

二回目以降はそうはいかないから、初回のこの衝撃を大事にしたい。ぜったい忘れたくない。けどもう一回観たい。他のキャストでも観たい。ていうか、過去にも他のキャストも見たことないけど、これだけのことできるこどもがこの他にいるのにわかに信じ難いよ。少なくともキャスト分だけは存在するんだもんな…。

踊りの演出もお芝居も12,3歳の男の子がこんな飛んだり(文字通り)跳ねたりとび乗ったり出ずっぱりだったりする?!?!ってビビり狂ってしまったけど、もうこの感想が失礼に値するレベルなんだよね。
わたしが観たのはみんな大好き劇団🌻の川口くんは歌もダンスもタップももちろん上手だけど、アクロがめちゃくちゃ上手い。バトンの動画見たら意味わかんない動きしてた。バク宙、台宙したあと次の動作までのラグが全然なくてどうなってんだ?っておもった。あと足が長い。今どきの子はスタイルが良い…の見本。顔はあどけなくて可愛らしいのにね。
ビリーの感情の流れが淀みなくて、お芝居からダンス、お芝居への切り替え部分みたいなのが全然なくてスッと繋がっている。細かいところ視線の動きが繊細につくられているから合間に余計な感情が入らずにスッと観れたような気がする。バレエはものすごくうまいって感じじゃないんだけど(じゅうぶん上手なんだけどさ…)どちらかと言うと、バレエをお芝居としてやってるから等身大のビリーがそこにいるみたいな。だからこそangry danceが衝撃で泣いちゃった。こんなこと出来るんですか?!小さな身体にこんな感情が詰め込まれていたんですか?!みたいな。感情の爆発のさせ方とか、しなやかなアクロとか、跳ねるようなタップとか猫のよう。

フェイス(マウス)シールドなし、両隣に人がいる(中通路前だけ規制緩和によりあとから増席したそう)という状況と、推しが出てるとか好きな劇団とかそういう人間の個に対する思い入れがさしてない演目なのもあって初めて「コロナ禍だから」という状況を意識しないで見れたのも大きい。今まで何作品か観たけど、どうしても観劇中も「公演中止にならずに演れてよかった…」という安堵の想いが強くでてしまい、何もかも飛び越えて感動するっていうより現実と重なった部分に物語の焦点を当ててしまっていたような気がする。

でも、音も光も動きも全部意味があって作られているから頭で整理するより先に感覚でスッと物語に入っていて、無意識のうちに希望のない炭鉱場とコロナ禍で腐っている自分の現状とかを「ビリーの夢」と「ビリーになれる子の夢」とか重ね合わしてたと思う。相当当たりが強かった時代場所でマイケルがあんなに明るく生きてたのがビリーにとって救いだったし、マイケルにとっても秘密を打ち明けられるようなビリーがいた事で救いだったように思えたこととか。

別に今の状況じゃなくてもきっとスッと入ってくる普遍的な物語作品としての完成度とそれを表現できる人間たちが存在するのがすごいね…。

冒頭でさっさと泣きながら、終盤の綾瀬はるかちゃんへの質問の仕方がしっかりしすぎてて泣いた。

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