『プロセスを売る』と、『物語を売る』と、『コミュニティーに売る』の考え方

おはようございます!


今日は「一つにまとめられがちだけど、『プロセスを売る』と、『物語を売る』と、『コミュニティーに売る』は分けて考えた方がいいよね」というテーマでお話ししたいと思います。

お察しのとおり、タイトルで、ほぼ結論を言っちゃっていますが、めげずに進めます。

━━━━━━━━
▼ 現代の前提
━━━━━━━━

そもそも、どうして『プロセスを売る』とか、『物語を売る』とか、『コミュニティーに売る』といった議論が生まれているかというと……


その背景には「インターネットによって、情報&技術が共有させるようになったので、【品質】で差別化を図りにくくなった」があります。


東京なんて美味しいラーメン屋さんしかありません。


そんな中、抜きん出ている『ラーメン二郎』は味がメチャクチャ美味しいのは勿論のこと(ここ大事!)、行列に並ぶところからある種の「イベント化(儀式化)」していて、ネットには「ラーメン二郎に挑むときのあり方」的な記事がたくさん並んでいます。

前日から体調を整えていくファンもいるそうです。


これぞまさに「『役に立つ』から『意味がある』時代へ! by 山口周」です。

商品の品質が素晴らしいのは勿論のこと、その商品をとりまく物語やコミュニティーが付加価値となっていて、「現代は、その付加価値こそがものすごーく大切だよね」という話です。


そんなこんなで、「じゃあ、付加価値って何があるよ?」とアチコチ掘り起こされて、『プロセス』や『物語』や『コミュニティー』といったキーワードが出てきました。


ここからが本題です。

━━━━━━━
▼ 整理しよう!
━━━━━━━

こんな話をすると、「じゃあ、私もプロセスを売るか!」と考える方もいらっしゃると思うのですが、ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん!

#2023年にラッスンゴレライ

『プロセスを売る』と、『物語を売る』と、『コミュニティーに売る』を一まとめに考えていていると、たぶん正しく打ち手を選べないと思うので、まずは少し整理しましょう。

まず、、

『プロセスを売る』と、『物語を売る』と、『コミュニティーに売る』の3つは、その言葉のとおり、「売るもの」と「売る相手」に分けられます。

【売るもの】

『プロセス』『物語』


【売る相手】

『コミュニティー』

……といった感じです。


「海の外に打って出ていくと、GAFAとの喧嘩になるので、その勝負はせずに、人と人とで繋がって、そこで経済を回しましょう」というのが『コミュニティーに売る』です。

『スナックたか子』の隣に、三ツ星レストランが運営する最強スナックができても(#なんだよソレ)、『スナックたか子』の常連さんは流れません。

常連さんは「たか子ママ」を買っているからです。


「コミュニティーで外からの侵略を防ぐ」「世界とは戦わない!」は生き残り戦略として、すっごく正しいと思っていて、サービス提供者さんがオンラインサロンなどのコミュニティーに参加するメリットは、そこにもあると思っています。

そして、

今日お話ししたいのは、「『プロセスを売る』というのと『物語を売る』というのは、ほぼ同じだけど、微妙に違うよね」ということについて。


この話を整理するには、それぞれの代表選手を例に出した方がいいと思うのですが、なんとなく、こんな感じかしら↓


【プロセスを売っている人】

Nizi Project、『00:00Studio』を利用しているプロの漫画家さん達

【物語を売っている人】

初期のモーニング娘、『00:00Studio』を利用している一般の方々

どちらもプロセスを見せて(販売して)いることには違いなのですが、そこには「【技術】を売っているか、【成長】を売っているか?」の違いがあります。


最近はよく「俺もプロセスを売るぞ!」みたいな言葉を耳にするのですが、前者のポジションをとるためには確固たる技術が必要です。


「あの圧倒的クオリティーの裏側」を覗きたいわけですね。


要するに、「制作の裏側を売るにしても、そこと競っちゃダメだよ」という話です。

ここで、整理が必要です。


『物語を売っているか人』は「成長」を売っているので、それこそ『00:00Studio』で制作過程を配信する、“まだ技術がない人"は、涼しい顔で制作の裏側を見せるのではなく、「なんか上手に描けるようになってきた!」を前面に打ち出した方がいいと思います。

【※00:00Studioはこちら】→https://0000.studio/?fbclid=IwAR1dOaej1TMKpU0bgtcOtEAnoOlcUe8nwWB7i95Hy2PW7dvm1wuSFYHyBWQ

#2023年4月28日 (金) 17:00でサービス終了しちゃうっ!!


それは、技術を持っている人にはできない芸当なので。

制作の裏側を販売する時に、ここの整理(魅せ方)ができていない人って、意外と多かったりします。

━━━━━━━━━━━━━━
▼ 「成長」を売った先の展開
━━━━━━━━━━━━━━

モーニング娘さんが分かりやすい例ですが、成長を売ることに成功すると、場数を踏むことになるので、まもなくクオリティーが追いついてきてしまいます。


当たり前の話ですが、「できるコト」が増えてしまうと、「できないコトができるようになる」が売れなくなります。


「成長」を販売して、クオリティーを手にしてしまい、クオリティー戦争に入ってしまうと、途端にポジションのとり方が難しくなります。


「クオリティーだったら、BTSの方がすごくない?」みたいな話になりますし、もう昔みたいに付加価値としての「成長」を売ることができません。


突然、「私たちの圧倒的クオリティーの裏側を見せます」と言い出しても、それは、これまで支えてくれていたファンが求めているものではないので、なかなか難しい。


「成長」を販売する人は、このあたりで、一旦軽めに詰んでしまう(これまでのやり方が通用しない)ことを覚悟しておいた方がいいと思います。


▼どうする?

「成長」を売った先の打ち手としては、「シンプルにクオリティーで勝負する」「プロセスを面白がってくださるファンを抱えておく」「コミュニティーに売る」……などなど、いくつかあると思いますが、一つ、原点に帰って「物語を売る」をもう少し深掘りしてみるのも良さそうです。

今度売る「物語」は「成長」ではなくて、ボンヤリした表現で申し訳ないですが「グッとくる作り方をしている」です。

『THE FIRST TAKE』なんかがその代表で、あそこに出てくるアーティストの方々は既に認知も人気も獲得しているトップランナーばかりです。


その『仕上がったプロ』が『FIRST TAKE』という設定のおかげで、緊張し、ドキドキしてる様子が見れたり、歌詞を間違えたり、その時にしか出せない『ハモリ』を魅せたり。

そういう、ある程度仕上がったアーティストの『初々しさ』みたいなものを、視聴者は買っているんだと思います。

画家のゴッホが売っている物語も「成長」ではなくて、「生きている間は1作品も売れなかった」という部分で……おそらく10作品ぐらいは売れていたと思うのですが、「『1作品も売れなかった』ということにした方がグッときて、売れる」という演出が入ったと思っています。

一見、イヤらしい話ですが、「付加価値を作る」という観点から見たら、圧倒的に正しくて、「今の自分にどんな制限をかけたら、お客さんはグッとくるのかしら?」という演出プランを考えるのは、品質で差別化を図れなくなった時代において、とくに大切なことだと思っています。

今日もありがとう!

じゃ、

またね!!

阿部


#阿部の業連

#https://avenogyo-ren.blogspot.com/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?