ヒーローズ・ジャーニー


おはようございます。


さて。
今日は『従業員の応援シロの設計』という、すべてのサービス業を営むチームにとって重要になってくるお話しです。

 

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▼ ヒーローズ・ジャーニー
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日本においても、今様々な映画やアニメ、ゲーム等が世に出回り、どれもこれも素晴らしいクオリティで私たちを楽しませてくれていますが、人気作品のストーリー展開には、いくつかの「ひな形(様式)」があります。

その中でも有名なのが、神話研究の第一人者であったジョセフ・キャンベルが提唱した『ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)』です。

大体、こんな感じです↓

①日常の世界
②冒険への誘い
③冒険への拒絶
④賢者との出会い
⑤第一関門突破
⑥試練、仲間、敵
⑦最も危険な場所への接近
⑧最大の試練
⑨報酬
⑩帰路
⑪復活
⑫宝を持っての帰還

 
このストーリー展開を『ヒーローズ・ジャーニー』と呼ぶのですが、『ヒーローズ・ジャーニー』を下敷きに書かれた作品がヒットすることもあれば、「ヒットした作品がたまたま『ヒーローズ・ジャーニー』を辿っていた」ということもあります。

どうやら人間は、このストーリー展開を心地よく感じるみたいです。
音楽で言うところの「Aメロ→Bメロ→サビ」みたいなことです。

人気キャラクターを作るには、ストーリーの中に歓喜と落胆を上手くデザインし、視聴者(および主人公)の感情曲線を心電図のような『N字』にする必要があります。
#N字を繰り返しながら少し上がっていくのが理想

最初から完璧な主人公は誰も応援しないわけですね。

#その場合はダメダメなメイン脇役が必要

#足ひっぱるヤツ

 

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▼ 「機能」「品質」「正解」がコモデティー化した今…
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「コモデティー化」とは、あらゆる類似商品・サービスが同時期に販売され、クオリティが高いレベルで均一化する事で商品間の差がなくなり、市場価値が低下することを指します。

これは私の職場でもちょこちょこ部下に対して言っている事ですが、インターネットによって情報や技術が共有された今、商品の「機能」で他社と差別化を図ることは極めて難しくなってきました。多くのレシピがインターネットに出回っている現代では、ご家庭でも飲食店の料理が再現出来るようになりました。 外食する理由が一つ、減っちゃったんですね。

「機能」の勝者は、その業界に一人だけでよくて(※Googleの次に検索しやすい検索サービスなんて要らない)、多くの中小企業は「機能検索(役に立つもの)」から「人検索(意味があるもの)」にシフトチェンジが求められています。
 
「ちょっと高くなるけど、応援している【あの人】から買いたい」、「どうせ食べるなら、【あの人たち】がいるトコでお酒飲みたい。」みたいなノリです。
 
【あの人】になることがとっても重要で、ここを押さえておかないと、「低価格・高品質戦争」に巻き込まれて、まもなく、おもくそ死にます。
 
 
今、僕らが立ち止まって議論しなければいけないのは「【あの人】になる方法」です。
そこには「思い入れ」や「応援シロ」が大事なので、上げたら落とさなきゃいけません。

#上げるより落とす方が難しい (勇気いる)よね。

スナックのママが完璧じゃダメで、どこかおっちょこちょいで、意外とお酒弱くて、それでも一生懸命に働いている姿を見て、お客さんが手伝ってあげたくなったり、ママさんやスタッフさんが仕事しやすいようにお皿とかグラスをまとめたり、もう持ってって何なら洗い物手伝ったり、お客さんにお酒作ったり(笑)。そういう時間が過ごしたくて、お客さんはそこに集まっている。

#それでも怒るときはしっかり叱ってくれる
#叱られに行ってる人もいる


「上がったら、落ちる。そして、また這い上がる」という運動によって、応援シロを設計し、【あの人】になることが、とってもとっても大切で、これって『ヒーローズ・ジャーニー』なんです。

つまり、『ヒーローズ・ジャーニー』はファンタジー作家だけの課題ではなく、今は、ビジネスシーンでもメチャクチャ求められているわけですね。

……という話は、たぶん目新しい情報じゃなくて、ずっと方々で言われていて、(※「自分のN字曲線を設計しろ」とか何とか)、聞いたことがある人もいると思います。

 
というわけで、この話というのは「自分のヒーローズ・ジャーニー」ではなくて、「スタッフのヒーローズ・ジャーニー」についてです。
会社が大きくなれば、実際に客前に立つのはスタッフなので、スタッフをお客さんにとっての【あの人】にする必要があります。

上げたら、落とさなきゃいけなくて、お客さんに、「ああ、もうっ!」と思ってもらわなきゃいけない。
#これを天然でやれているのがスナックのママさん

 
「機能」「品質」「正解」がコモデティー化した現代において、スタッフをロボットのように扱うなんて、もっての他。
あらゆるサービス業のメインコンテンツは『人(スタッフ)』なので、物語を描くように、チームを作っていく必要があります。
これこそが、現代リーダーの仕事だと考えます。
 

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▼ というわけで…
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先日、スタッフ全員から新メニューを募って、合格ラインを超えたモノはすべて採用して、商品POPに考案者の似顔絵&名前を記載し、その料理に関するご指摘もお褒めの言葉も直接担当者が伺う。という案を主に新人スタッフ全員に提案させて頂きました。
緊張しながらも頑張っている姿を皆様に見ていただいて、彼らを少しでも皆様にとっての【あの人】に近づけることが狙いです。

こういうのはスピード勝負ですから、話の最後に、「来月から始めたいから、レシピ作成やらうんぬん含めて逆算すると、立案は2、3日以内じゃないと間に合わないかもだから、よろしく~。」と付け加えたのですが、彼らからその後2、3日の間に立案、発案に関する相談がくることはありませんでした。

なので、新人メニューお披露目会は中止します(笑)

文字だと伝わらないかもしれませんが、本当に(ホントに!)1ミリも怒っていなくて、「こういう世界だよ」ということを伝えるには、これが一番だと思います。

ここは小学校じゃないので、誰も尻を叩いてくれません。
「やらなかったら、終わる」「チャンスは一度」というシンプルな世界戦です。

今回の結果を受けて一番ダメな対応が「誰か一人の責任にすること」で、「ん? 動きが遅いな」と思って、動かなかった人間(チーム)もろともの責任です。
個人は悪くありません。

 
「メニューを考えて何パターンか立案し、相談する」は1日あればできる仕事で、そこに2~3日かけても何も上がってこないようじゃ話になりません。
#相手が他の会社の人間だったら1秒で契約を切ってます

つい最近まで学生だった新社会人にとっては今回がすっごく勉強になったと思うので、今後、どのように変化し、具体的に動くか楽しみです。
#二番手含むレギュラーメンバーには新人を慰める会の開催をお願いしました

 

クリエイティブやコミュニティー形成は誰よりも丁寧に、じっくりコトコトと。
ただし判断は3秒で。
それが難しいのならば、しっかり職場(職種)を選んだ方がいい。
ここはそんなにぬるい環境ではありません。

そして、働きたくても、働けなかった子達の痛みを知ってください。

#新社会人のみんなに伝わればいいなあ

みんなの事を、おもくそ応援しています。
めいっぱいの愛を持って。



今日もありがとう。

  
じゃ

またね。


阿部

 

 

#阿部の業連

#https://avenogyo-ren.blogspot.com/

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