何故勉強をしなくてはいけないのか

「何故勉強をしなくてはいけないのか?」

これは、おそらく殆どの人が抱いたことのある疑問だろう。僕も、高校生のときに学校の授業のスピードについていけなくなった時にこの疑問を抱き、色々と屁理屈を述べて勉強から逃げようとしていた気がする。某小学生Youtuberも「算数なんてやらんでも電卓があるし、知らないことは検索すればわかるし勉強なんていらない」みたいなことを言っていた。

しかし、皮肉なことに、社会人になってようやく、自分なりの答えが導き出せた。そして同時に「何故勉強をしなくてはいけないのか?」という問いに対する答えを見つけられていない人が多いことにも気付いた。

僕が子供のころに「何故勉強をしなくてはいけないのか?」と聞くと、大人は「いい大学に入って、いい会社に入るためだ」と答えた。しかし、この答えでは「いい大学って何?難しい大学?それは何がいいの? いい会社って何?給料が高い会社がいいの?会社勤めじゃなくてもお金を稼いでいる人はいっぱいいるよ?」というような別の疑問が生まれるだけ。ようは、大人は僕を納得させるだけの答えを持ち合わせていなかったのだ。

しかし、今は僕自身が納得できる答えが出た。これが他の人にとっても納得できる答えかどうかはわからないが、書き記してみよう。


答えその1.選択肢が増える

例えば、東大に行けば色んな会社に就職するチャンスがあるが、マイナーな大学ではそうもいかない。仮に会社に就職せず、何か事業を始めるにしても、東大卒というのは大きなブランドになる。Youtuberだって「東大卒Youtuber」と名乗るだけでアクセントが効く。こういう事を書くと、「学歴じゃなくて人間の中身を見るべき」という屁理屈が昔の俺から返ってきそうなので、また別のたとえ話をしてみよう。

例えば、超有名企業の人が高校にやってきて、「この学校の3年生のなかから5人をうちの会社で雇いたいです。年収は1000万円です。希望者は先生を通じて応募してください」と言ったとしよう。もちろん、3年生はこぞって応募するだろう。・・・・・さて、選ぶ側はどうするか。希望者全員と面談し、その人と中身を見るか?答えはNoである。そんな手間はかけられない。試験等による書類審査を行った後、面談を実施する。つまり、中身を見てもらう為にはある程度の能力が必要になるのだ。もちろんこれは例え話だが、実際の就職の際も話はだいたい同じ。

さらに言えば、試験で良い点を取るということは、勤勉であり能力があるという中身を証明することになる。勉強し、難易度の高い大学へ進学することが自身の能力を証明し、それがその後の自分の助けになる。

正直、高校生までの間に将来の自分の職業を探すのは難しい。しかし、大学生になって就職活動をはじめたら、嫌でも自分の職業を考えなくてはいけない。その時に、自分の大学から就職可能な職種、企業というものがどうしても引っかかり、選択肢の幅が狭くなる。そうなってからでは遅いのだ。世間一般では「なりたいものがあるから勉強する」というのが多いかもしれないが、なりたいものがないからこそ勉強する事が大事なのだ。


答えその2.学ぶ、ということが大切

1の理論だけだと、「じゃあプロ野球選手になりたいやつは勉強する必要はないじゃないか」という事になる。その通りだ。しかし、学校の勉強に限らず、勉強・・・いわゆる学びそのものが重要なのだ。

どんな職業であれ、現在自分が持っている知識や技術やセンスだけで続けることは出来ない。常に自分自身に足りないものを見つめなおし、スキルを向上させなければ、いつか時代に取り残される。そのために必要なのが学びなのだ。プロ野球選手にはプロ野球選手の、お笑い芸人にはお笑い芸人の学びがある。もちろん、それは学校で学んだこととは全然異なるだろう。

「中学校で勉強した事なんて大人になったら全然使わないし、意味ない」という事を言う人がいる。中学校で学んだことを将来使うかどうかはわからないし、使わないことのほうが多いのかもしれない。しかし、どんな職種であれ、常に勉強しなければ、取り残されてしまうのだ。


3.ある程度の教養は必要

「算数は電卓があればいい」と某小学生Youtuberは言っていた。確かに、買い物ならそれだけで良いだろう。しかし例えば「これは1000万円のマンションだが、他人に貸せば毎年100万円の利益が出る。10年待てばプラマイゼロ、それより後は完全に君の利益だ。買わないか?」と言われた場合・・・算数だけで考えると合っているように思えるが、そもそもの大前提として「そんな上手くいくなら他人に売らない方がよくね?」というものがある。世間には、色々な情報が溢れているが、それが信じられるものかどうかは自分で判別しなくてはいけない。その自分自身を作るものが、ほかならぬ勉強なのだ。他人が発する情報に盲目的に従う前に、その情報は正しいのか、他の視点はないか・・・そういう考えは勉強して自分自身を持たなければ身につかない。



正直、僕自身が高校生活どれだけ勉強したところで、(少なくとも現役では)東大、京大といった大学にはいけなかったと思う。僕の高校はある程度の進学校だった為、何人かの友人は東大に進学した。金曜日の授業で配られた問題集一冊(高難易度)を月曜日には全部解きおわってるような勉強しまくる奴、そいつより勉強時間が少なくてそいつより全教科の点数が高い奴ら。どいつも俺からしたら次元の違う生物だった。しかし、問題集一冊解く奴が「東大に受かるかどうか半々くらい」と言われていた。

世の中には「学歴は無くても頭がいい人」というのは存在し、様々な分野で活躍している。そのおかげで、自分自身がそういう人だと錯覚している人もいる。しかし、頭のいい人間はそもそものレベルが違うのだ。ネットで聞きかじった程度の知識を披露したところで、頭がよくなるわけではない。


僕は、頭がいい人ではない。しかし、それでも勉強は大切なのだ。

正直高校生や大学生の頃の勉強は嫌いだったが、あの頃勉強したおかげで、そこそこの仕事にいられる。今でも学ぶことが(さすがに高校生の頃のような勉強は出来ないが)苦ではない。いろんなことに興味を持っていける。そこそこにいろんな知識もある。

自分自身の生活を常によりよくしていくために、勉強は大切なのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?