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LAの映画愛好家が集うレンタルビデオ屋 コロナ禍のネット配信隆盛時代を生き延びる

ロサンゼルス Santa Monica Bld にある
CineFile Video Movie Rental (シネフィル・ビデオ・ムービーレンタル)を訪問しました。

創業は1999年。
大手レンタルビデオチェーン「ブロックバスター」が倒産した2013年に、こちらの店ではオーナーが交代します
新オーナーのセバスチャン・マシューさんは、レコード店も経営しています。アナログ全般を愛している方なのでしょう。それをビジネスとして成り立たせているのがすごいです。
 「時代の変化に押し流されて、DVDやVHSなどアナログ媒体でしか残っていない映画のコレクションとファンが集う場合を守りたかった」と公式HPで語っています。

店の外観です。外にもお値打ち品?のラックがずらり

E.T.が店番しています

中に入ってみました。
平日の昼間にもかかわらず、数人のお客さんがいました。
店員のグレッグさんに許可を取って、店内のあちこちで写真撮影
「日本の人たちにもぜひアピールしてください」とのことです。

店内のあちこちに貼られたポスターから、シネフィル感が伝わってきます

なぜか日本語のポスターも

「七人の侍」もありますね

“ビート“北野武、小林正樹、是枝裕和、その上段が、スパイク・ジョーンズ、ニール・ジョルダン、下の段には黒澤清、隣にはエミール・クストリッツァ

シネフィル純度1000%といったところでしょうか
日本からは、三池崇史、園子温、深田晃司、もちろん小津などの名匠も

これも!

もちろんジブリも

このお店では、映画などの撮影用にロケーションを提供する「Film  Here」というサービスをしているそうです

グレッグさんが「僕は日本語がわからないけど」と見せてくれたのが
町山智浩さん
https://www.cinefilevideo.com/film-here


ちなみに、ここにきた目的はオリジナルグッズを買いたかったからなのです

これが欲しかった・・・がサイズがXX Lしかなく

なのでこれを買いました↓

OZU  Tシャツ!
監督のイメージと合わなすぎて、きっとこれを着たら「オズの魔法使い」ファンと間違われるでしょう。

私、小津監督の作品が結構好きです。
秋日和とか秋刀魚の味とか、おっさんたちが日の高いうちから若松に集まって、女将を揶揄いながら、楽しくお酒のんでいるシーンとか(しかしあの時代の女性に生まれたくはない)

他にもいろんなグッズがあります。

フィリップ・シーモア・ホフマンのトートバッグとか欲しい・・・・けどぐっと抑えました。

配信時代、さぞ経営状況が大変かと思いきや、そうではないらしいです。

平日の昼間にもかかわらず、熱心に棚を眺める男性たちが数人。スタッフと熱いシネフィル談義をしている方も。

グレッグさん曰く「オーナーが経営するビデオレンタル店はPasadenaにも一店舗あり、もう一店舗もコロナ禍が開けたら再開させる」とのこと。

 確かに、今や数多くある配信サービスでなんでもみられると思いがちです。しかし、ビデオやDVDでしか残されていない映画もかなりあります。
私も古い邦画の記事を書いたり、アーカイブの取材をしていたので、「映画がいかに残らないか」を痛感しています。
 DVDなどで入手できたらまだましで、フィルムでしかないものも。

制作会社が倒産した、著作権者である監督が死去して相続者が複数になったなどの権利関係の処理の複雑さなどで、上映やテレビ放映、配信はできないけど、DVDやビデオでは残っている映画もあります。
 映画の公開本数から考えると、今私たちが観られる映画は全体の数%ではないでしょうか。
 そう考えると、シネフィル・ビデオ・ムービーレンタルはますます貴重な場所だと思えてきました。

グレッグさんは「ネット配信を使わない年配の人たちのために、レンタルDVDサービスもある。自動販売機みたいなマシーンがあって、借りたい映画を借りれるんです。よくスーパーにありますよ。買い物ついでに利用できます」とも教えてくれました。

確かに、スーパーでこんな装置をみました。
一晩2ドルで新作がみられるとは、なかなかお得かも


ネットを探していたら、オーナーがDVDやビデオへの思いを語ったインタビューも出てきました(英語)。興味のある方はどうぞ


ロサンゼルスを訪問予定の、映画ファンの皆さん、機会があればぜひ!店員の方々もフレンドリーです。


駐車場:Sawattelle Blvd 近くの路上パーキングを使用