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アカデミー映画博物館③ スパイク・リー監督の部屋

アカデミー賞授賞式の歴史を紹介したコーナーの次に、
スパイク・リー監督(1957〜)の世界観を表現した部屋があるのは、なんとも皮肉を感じます。

なぜなら、アカデミー賞に相応しいと評される映画を作りながら、長年主要賞の受賞からは遠い場所にいた監督だからです。

IMDbによると、スパイク・リー監督は、I957年アトランタ生まれ。ジャズミュージシャンの父と教師の母の間で生まれました。
若い頃から映画の才能を開花させます。80年、23歳の時に作った「The  Answer」という10分の短編映画は、15年に公開されたグリフィス監督「國民の創生」(黒人への差別的描写がある)をリメイクするというストーリーです。ぜひ見たい。

その後、1983年、45分の映画「ジョーズ・バーバー・ショップ」で学生アカデミー賞受賞、86年に作った映画「She's Gotta Have It」で長編デビューをして、商業的にも大成功をします。
その後、「Do the Right thing」(1982)「ジャングル・フィーバー」(1991)、「マルコムX」(1992)と、人種差別に深く切り込んだ映画を次々と発表して、国際映画祭で賞を受けるなど絶賛されてきました。しかし、いずれの作品もアカデミー賞で一番注目を浴びる作品賞にノミネートはされませんでした。その辺りは、前コーナーの「アカデミー賞の歴史」でも触れられています。

ようやく「ブラック・クランズマン」(2018年)がカンヌ国際映画祭でグランプリ(最高賞はパルムドール、つまり次点)を、そして翌年開かれたアカデミー賞では作品賞などでノミネートされて、脚色賞を受賞します。


若き日のスパイク・リー監督

影響を受けた映画に、「羅生門」「七人の侍」も
ほかには「タクシー・ドライバー」「スパルタカス」「戦火のかなた」「波止場」などなど。

自身の作品関連やオスカー像も

アカデミー映画博物館には、素晴らしい音響と映像が楽しめるシアターがあります。ぜひ、スパイク・リー監督の全作品の特集上映をやってほしいです。