Ninjaアトモスフィアへのサブマリーン


ニンジャの世界へもっとダイブしていくための読書レビュー。

ニンジャ、モータル、人形、あとマグロとかからこの世界が成る。
ネコネコカワイイやユンコを筆頭とするオイランドロイド、モーター、一糸乱れぬヤクザらがひしめくこの街に生きていくならば、自動人形への接触は逃れられない。

リチャード・コールダー『アルーア』

椅子でブリッジ姿勢をキメる何かが映り込む表紙を開けばもうドロイドが待ち受ける。

「あの機械の中の幽霊、あの時計仕掛けの精髄、あのとらえがたい哀切さと反道徳の翳り」
〈人間戦線〉の標語。「英国を有機人間の手に」「人間であることに誇りを」「いますぐ入院を!」
「人間はあたしたちの系列を〈未来のイヴ〉と呼んだ。でも、あたしはリリスになるのよ……」

ガラスと翡翠の塔に刺青された仏陀のホログラムが諸行無常と語りかけるバンコクの街角で、土曜の夜ごとに貧民街から押し寄せる暴徒たちが爆ぜるロンドンで、ドロイドと人間は争い続けている。

人形があるところ、常に立ち込める不穏なアトモスフィア、それは「こんなはずではなかった」、「話が違うじゃないか」といった呻き。
本書にはドロイドの製作者、競合者、消費者等、様々な間柄に立つ者たちが出てくるが、誰もがこの不穏さと無縁ではいられない。

ニンジャへ

こうしてメジャーなドロイド作品を一瞥してからニンジャスレイヤーへ戻ってみると、そこはあからさまにニンジャの世界であると同時に豊穣なドロイドの空間でもあることがクリアに察せられてくる。
ましてや、あらゆる程度のサイバネが広く拓かれたこの街で、ニンジャ・モータル・ドロイドの境界線は時に破線となり滲んでゆきさえする。
それでもなおドロイドがドロイドと呼ばれるとしたら、そこで何が賭けられているかはイクサの果てでのみ明かされることになろう。

一筋縄では到底間に合わないテクストとしてニンジャスレイヤーを繰り返し読むこと。
そんな営みの豊作を期して、駆け足ながらひとつのレビューを置きます。

#DHTPOST #ウキヨエ #ニンジャスレイヤー222

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