無題

明日の二十九日から翌年一月三日までの六日間、彼女が遊びに来てくれる。彼女がうちに五泊もするのなんて初めてだ。それなのに、ぼくは死にたい気持ちのまま。今年の夏に彼女がやってきたときはどうだったろう。楽しみにする気持ちのなかに死にたい気持ちはなかっただろうか。去年の年末はどうだっただろう。嬉しさのなかに死にたい気持ちはなかっただろうか。これだけは確かに言えることがある。ぼくのなかの死にたい気持ちは、日を追うごとに少しずつ、目に見えないほどゆっくりと膨らんでいる。いつかぼくのなかが死にたい気持ちでいっぱいになり、それが風船のようにはじけてしまったとき、ぼくはどうなってしまうのだろう。彼女をおいて死んでしまうのだろうか。両手におさまらないほど膨れ上がった死にたい気持ちを抱いたまま生きるのだろうか。そんなことばかり考えている。

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