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最近のお気に入り歌ってみた動画〜浅倉大介編〜

2020/06/01


 小室哲哉ファンの目線から、今気になる音楽について熱く綴る当ブログだが、当の本人が引退してしまっている以上、どうしても過去の作品を掘り起こすことしかできない。後続のアーティストによるカバーやリミックスなら、今後も生まれる可能性はあるが、まったくの新曲については、書くことができないわけだ。

 そこで期待がかかるのが現在も現役続行中の浅倉大介。TM NETWORK(当時TMN)のレコーディングやライブのサポート・メンバーとしてキャリアをスタートさせ、自身のユニット・accessでデビュー。NHK紅白歌合戦にも出場した。その後もさまざまなアーティストをプロデュース・楽曲提供したり、音楽雑誌での連載、TV番組「堂本兄弟」への出演など、多岐に渡って活躍している。

 今回は、そんな彼の作品をYou Tube上に掲載している歌い手の中から、ビビッ!ときたテイクをピックアップしてみた。第一興商のカラオケ録音・録画サービス「DAM★とも」を利用しているときの、僕自身のエピソードも交えてある。

hiromi「HOT LIMIT」

You Tubeチャンネル・ひろみちゃんねるに掲載。

 ロックバンド・hiro3nimumのボーカリストによる、T.M.Revolutionのカバー動画。一部の隙も無い完璧な歌いっぷりには、ただただ感嘆するしかない。そもそも異性ボーカルのカバーというのは、敷居が高い印象が僕にはある。男性の立場からだと、小比類巻かほるやSHOW-YAのようなカッケー姉さんの歌なら、まだどうにかやりようがあるものの、華原朋美などの女性らしさ全開の歌手の場合は、どう歌えばサマになるのか僕には皆目見当がつかないのだ。そうは言っても川畑要は「I'm Proud」をバッチリ歌っているわけで、プロってやっぱ凄いなあと思う。

 この歌い手と僕自身で決定的に違うのが、自分のスタイルが確立できているかどうか。僕は新曲を覚えるときも、オリジナル歌手に寄せて歌うことしかできない。寄せると言うと聞こえは良いが、単につられているだけで、導いてもらわないと何もできなかったりする。故に女性シンガーの歌になると無理が出てくるんだろう。この歌い手はメロディーをひと通り覚えたら、細部にいたるまで西川貴教の跡をキッチリとトレースするのではなく、この部分はこう処理する、と自ら判断して歌い回しを決めているように思える。なので、オリジナル歌手が男性らしさ全開の声が売りの西川貴教の歌であっても、女性だからといって物足りなさの残る歌にはならない。これは長年の経験があったればこそだ。

 つまり僕も自分のスタイルを確立して、歌い回しを自ら捻り出すことができれば、女性シンガーの曲でもサマになる歌が歌えるということだ。これまでは自分で歌ってもサマにならないので選曲から外すしかなかったのだが、この動画を見てからは考えが変わった。

 公開はしていないが、僕もカラオケで西川貴教の曲を歌って録音したことがある。「Silver and Gold dance -meets T.M.Revolution-」だ。これはキーが高くて大変だよねえ。

purin「BE THE ONE」

You Tubeチャンネル・purin1223に掲載。

 

 2人組ユニット・Re:Placeのボーカリストが、グループ結成前に単独で出した動画。どれだけ高い所まで声が出るのか、もう驚きしかない。単に音が当たっているだけではなく、音色として実用に耐え得る声がこの音域で出せているのが凄い。このテイクを聴くと、歌うまいっていいなぁー、と心底羨ましくなるね。オリジナルのBeverlyの歌を聴いてしまうと、「これは自分には無理だわ!」とサジを投げてしまう人が大半のようなイメージがあるが、よく自分も歌ってみるか!という気になった、そのチャレンジ精神がまず良いよね。僕もそういうところは失わないようにしないとなあ。

 僕もカラオケでこの曲を歌って録音したことがある。さすがにこの曲だけはどんなに精進を積んでも自分で主旋律を歌いこなしている姿は想像できない。既に録音を公開してある、他の歌い手の上から脇役でコーラス参加した。僕と同じように「主旋律を歌うのは気後れするけど、コーラスならなんとかなるかも」と思っている方には、ぜひPANDORAのミニアルバム「Blueprint」収録のバージョン・UK mixを聴いていただきたい。こちらのミックスの方が俄然コーラスラインを追いやすいからだ。

 また、自ら歌いはしなくとも鑑賞は大好きという方は、Beverlyのアルバム「24」(2018年発売)収録のバージョン・Let's start experment!!にも要注目。仮面ライダービルドでも使われた、シングル収録のオリジナル・バージョンはやはり、電波に乗せる・チャートに入れるという点を意識した作りになっている。対してこちらは届くリスナーの射程範囲こそ狭まっているものの、より繊細で深い作り込みになっていて、大変聴き応えがある。ダンスフロアでもしっかり機能するだろう。シングルなら既に入手したという方も、今度はこちらでもう一度この曲を楽しんでみてはいかがだろう。

SoRa「LOVE & JOY」

You Tubeチャンネル・sora09190に掲載。

 木村由姫による2000年発売のシングル。ゲームセンターのダンス・ダンス・レボリューションでこの曲に触れた方もいることだろう。この歌い手の声質が楽曲のアレンジにピッタリお似合い。原曲の聴きこみもしっかりできている。サビの「Joy」の部分も一音の内でピッチに変化をつけて表情を出している。単に声質の良さだけに頼らずに、歌い方そのものの魅力もしっかりあるなあと思う。

 僕もカラオケで同曲のコタニキンヤ.によるバージョンを歌って録音したことがある。これなら男性でも歌えるなあ!このバージョンを見つけたときは「ヨッシャ!」と思ったものだ。サビの「LOVE & JOY」の前に「ラララ…」をくっつけておくと、より録音が楽しくなるね。それもキツいエフェクトをかけておくと尚更。でもエフェクトをかけると音声が遅延してタイミングが合わなくなるので、アップテンポの曲で頻繁にかけるのはどうしても躊躇してしまう。面白い機能ではあるけれど、使いどころは悩むものだ。

 access「CRAZY GONNA CRAZY」

TRF「TRIBUTE ALBUM BEST」(2013年発売)に収録。

 最後に、浅倉大介本人によるパフォーマンスも見ておこう。accessによる他のアーティストのカバーは、なかなかにレアで新鮮に聴こえる。僕もカラオケでこのaccessのバージョンを歌って録音したことがあった。これも「BE THE ONE」同様、脇役での参加だった。コーラスに加えて、TRF版に入っているDJ KOOのラップパートも勝手に足しておいたが、いやあ楽しかった。とりわけ気に入っていたので、曲数の上限の関係で一度は公開を取り下げざるを得なかったが、その後何度も再掲載したものだ。

 これは主旋律の方が女性ながらにカッコ良くキマってるテイクを出していたんだよね。貴水博之の歌唱を聴いた直後に聴いても、まったくガッカリさせない出来栄えだった。今思い返すと、先の「HOT LIMIT」同様にこの方も自分なりのスタイルが確立できていたんだろう。まあ、この曲の場合は元々TRFによる女性ボーカル版が存在してはいたから、極端に違和感は出ないんだろうけど。