DAM★ともの魅力

2019/04/14


 カラオケで歌った曲を録音・撮影してインターネット上に公開できるサービス「DAM★とも」でいろいろと遊んできたのだが、録っても録っても、次にやりたいことがポンポン出てくる。こうも一向に飽きないのはなぜなんだろうか。今回は改めて「DAM★とも」の魅力に迫ってみたい。

 まず一つ目は、普通に生活しているだけだと、およそ聴くことのなかったであろう人の歌が聴ける、ということ。カラオケで一緒に歌うというのは、知り合い同士か、共通の知人を介している場面がほとんどだろう。縁もゆかりもない人の歌となると、公共の電波に乗ったりメジャーレーベルと契約できるようなクラスの人でないとなかなか聴けないものだったのが、今ではどこの誰だかさっぱり分からない人の歌でも、簡単に聴くことができるようになった。

 素人だからとタカをくくっていてはいけない。「これ、カネ取ってもいいんじゃないの?」ってなぐらいに、とんでもなく上手い公開曲に出会うこともたまにある。そのときの驚きとか、お宝を掘り当てたような感触なんかは、やっぱり「DAM★とも」の魅力のひとつだ。特に、大好きな作曲家の曲をオリジナル歌手の本人以上にうまく歌っている公開曲を見つけたときは最高!「このユーザーさんをスタジオに呼んで、DAMのカラオケ伴奏ではなく、作曲家自身のバックトラックでちゃんと録り直しませんか」と、声を大にして言いたくなるようなテイクもある。

 はじめは楽曲主体の選曲であっても、次第にそれを歌っているユーザーさん自身の声に惹かれて聴いていくこともある。この方の歌なら知らない曲でも聴いてみようかということで、およそ自分だけでは探せなかったであろう曲に巡り遭えるのも「DAM★とも」の魅力。そんな中でも下拓の「ROCK THE PARTY」は本当に刺さったんだが、最近になってようやく、本物のオリジナル音源を聴いた。それまでに、「DAM★とも」の一般ユーザーによる公開曲を聴き過ぎていたせいもあって、本物を聴いているはずなのにカバー曲を聴いているような錯覚に。これ、鈴木あみの「BE TOGETHER」を先に聴いて、後追いでTM NETWORKの同曲を聴いた人はこんな感じだったのかなあ。

これだけだと、インターネットに楽曲を投稿できるサービスの総括的な特長になってしまうが、なぜYou Tubeやうたスキ・Soundcloudといった類似サイトよりDAM★ともが気に入っているのか。それはやっぱり、手っ取り速さ・敷居の低さにある。Soundcloudは自由度が高いけれど、日本語に対応していないのがネックだし、You Tubeだと録音機材や伴奏を自前で調達しないといけない。それから、「DAM★とも」にはコメント欄がない。これがいい。公開者本人によるものではなく、リスナーが感想などを書き込むスペースの方だ。「えっ…ダメじゃん?」と、普通はなるんだろうけど、You Tubeなんか特に、さほど酷い出来でもない曲であってもケチョンケチョンに叩かれていることが結構ある。他人の僕でさえ見ているだけでも多少心が痛むが、本人はたまらないだろう。コメント欄が元々なければ荒れることもないし、荒らしを静めるのにスタッフの労力が使われて、肝心の検閲が遅くなってしまうようでは身もフタもなくなる。こんな機能をつけてしまったら、今後のメンテナンスも時間がかかってしまうんじゃないだろうか。他社との差別化という意味でも、コメント欄なしを継続して欲しい。Twitterなどとの連携だけで十分だ。だが、もしも荒らしに影響されず、読み込み速度も検閲も遅れずにコメント欄を設置できる、という夢のような方法があるんだったら反対はしない。むしろ大歓迎だ。

 You Tubeに素人のカラオケをアップされても、検索の邪魔になって迷惑だという声も聞こえるが、個人的にはお門違いだと思っている。そもそもYou Tubeというのは、どこの誰であっても気楽に動画を公開できるサービスなのではないか。そりゃあ、エイベックスやソニー・ミュージック・ダイレクトのような大手の公式サイトに、歌詞は間違っている・うろ覚えでフレーズもところどころスッ飛んでいる・楽器のチューニングは合っていないみたいな曲がアップされているんだったとしたら、怒る気持ちも多少は分かる。だが、場所はYou Tubeだ。ピンからキリまでなのは前提だと思う。クオリティーの高いものだけを労力をかけずに次々と聴きたいというのなら、別な手段を講じるべきだろう。

 複数のユーザーで1曲を仕上げるコラボ撮影・録音は、インターネットでの楽曲公開における醍醐味のひとつ。これについては「DAM★とも」のシステムの方がうたスキよりも気に入っている。うたスキだと、楽曲を公開し続けるのに、視聴数やその他ポイントなど、気にしなければならない点があって労力を使うのだが、「DAM★とも」は長期に渡って公開を続けるということが比較的簡単だ。うたスキの方がラインナップが豊富で痒いところに手が届くのは確かだが、それはあくまで店内で歌ってそれでおしまい、という場合のみ。マイナーな曲をコラボしてサイトにアップするとなると、「DAM★とも」の方がむしろやり易い。

 なので、日本語だけで機材も揃えずにマイナー曲でもガシガシコラボしたい、僕のようなユーザーにとっては、「DAM★とも」はすごく使い心地が良い。こういう経験がまったくないけど、面白そうだからやってみようか、という方にはまずは「DAM★とも」から入ることをオススメしたい。逆に、既に先述したサイトを使ってきたけれど、「DAM★とも」にも手を出してみようかという方には、今まで当たり前のようにできていたことが、あれもこれもできなくなるので、少しストレスが溜まるよという忠告もしておきたい。SoundcloudやYou Tubeなら、凝った編集をして世界に向けて発信できるのが強みだし、うたスキはギターも接続できるというメリットもあるけれど、それ相応の人同士でないとコラボも成立しないもの。「DAM★とも」だとそのへんの敷居が低くて、手ぶらで誰とでも楽しめるのが、また魅力かなあ。もちろん「DAM★とも」を聴く外国人というのはなかなか想定できないので、聴いている層は限られるんだけど、そこまで大それたことは考えていない、僕のようなユーザーにはこれで十分。

 そんなわけで、日ごろ練習している曲に続いて、久々にTK PRESENTSこねっと「YOU ARE THE ONE」を「DAM★とも」で録ってみたんだけど、これまで最後の最後で歌詞テロップが豪快にタイプミスしてあったのが修正されてて感心してしまった。過去に録音済みであっても、やっぱり楽しいものは楽しいね。あと、TM NETWORKの「Come on let's dance」もラストの歌詞はテロップに誤りがあるよね。あっちの方は直っているのかな。