DAM★ともで新しく知ったお気に入り楽曲

2019/12/15


 お気に入りの音楽に出会うまでの道筋には、人それぞれ色々あるだろう。第一興商のカラオケ録音・録画サイト・DAM★ともを始めてから、気になるユーザーさんが公開している中でも「これ、知らない曲だけどどんなんだろう」と興味本意に開けてみたら、すごく良い曲だった!ということがある。

 ラジオやTV、店頭の試聴機といった、かつての探し方だけではおよそ巡り合わなかった、自分の意志が働かないところで良曲に辿り着く道筋ができる。DAM★ともにはそんな楽しみもあるので、歌うのは苦手で、専らリスニングのみという方にも使い道があるんじゃないだろうか。今回はそんな風にして知り得た、お気に入り楽曲をピックアップしてみた。

下拓「ロック・ザ・パーティーfeat.SWAY,Staxx T(CREAM),APOLLO,寿君,KIRA」 DAM★ともネーム・ジンジャー☆さん(2018/06/19公開)

 このお題で迷うことなく真っ先に思い浮かぶのがこの楽曲。とにかくブチ上がるノリノリなアッパー・チューンで、大のお気に入りになった。DAM★ともなしには、どう頑張ってもこの曲にはたどり着かなかっただろう。下拓はおろか、feat.の後にこれだけズラズラ名前が連なってるのに、誰一人知らない。

 普通に考えたらまずこの曲をクリックすることはなかっただろうが、そうなった背景は歌うユーザーさんの過去の公開曲にある。女性パート担当のジンジャー☆さんはglobeの「Feel Like dance」で完璧なテイクをアップしていて「こりゃすごいな!」と、もう惚れ惚れしていた。男性パート担当のMC DOCさんはglobeの「Like a snowy kiss」のコラボ動画あたりから注目度がアップしてきていた。こんな曲まで知っているのかというだけではなく、コーラスパートを先に撮ってしまうという点でも凄い。後から合わせるのだって、そんな簡単じゃないのにね。

 それぞれ個別に注目していたユーザーさん同士が、同じ楽曲に収まることで、「え!この方とこの方が一緒に何かやるの!?これは面白いことが起きそう!」となると、歌う楽曲を僕が知っているかそうでないかは大して重要ではなくて、面白くなりそうな予感の方が勝ってしまって再生する、という所までつながっていく。「Feel Like dance」と「Like a snowy kiss」のどちらか一つでも欠けていたら、おそらくここまでは辿り着かなかっただろう。下拓本人の音源より、こちらのDAM★とも公開曲の方が僕自身の再生回数は多かったりする。なんでだろうね。

 これが100万枚売れるかというと、大のお気に入り曲だがどう贔屓目に見ても、残念ながらあり得ない。万人に向けて超オススメ!絶対聴いて!と大きな声では言い難いが、僕のDAM★ともマイページを見て「アレもコレも好きな曲がたくさんある」という方にだけは胸張って薦められる。う~ん。ターゲットが狭いなあ…でもこういう、狭い所にズドンと深く突き刺さるような曲は大好きだ!



SOUL'd OUT「COZMIC TRAVEL」 DAM★ともネーム・美佐さん(2019/12/05公開)

 この方のマイページが今一番ハマってる。歌の上手さもさることながら、動画づくりの発想が面白くて、それこそ美佐さんの新しい公開曲がアップされる度に逐一感想を書いていくだけでも、このブログが成立してしまいそうな勢いだ。

 今回この曲で注目すべき点はやっぱり、女性ユーザーが男性アーティストの、しかもラップ曲を歌ってるという点だ。僕は美佐さんがDAM★ともを始めたばかりの頃(と、言っても今でもそんなに長年やってるわけでもないが)から聴いているので、どれだけ上手いかは分かってはいるが、再生ボタンを押す前はアーティスト名を見て「いくら美佐さんでもこれはさすがに無茶だろ」という変な先入観は拭えなかった。でも実際聴いてみると無難に歌いこなすのを通り越して、ちゃんと刺さる公開曲に仕上がっていたから驚きだ。ちゃんと刺さるとはどういうことかと言うと、最後まで聴いた上でもう一度聴きたいと思わせるような歌だったということだ。

 SOUL'd OUTがどんな音楽をやっているかはぼんやりとは知っているけれど、そもそも「COZMIC TRAVEL」という楽曲をちゃんと知ってるわけでもないのに、固定観念で音楽聴いててもどうだかねえ、と思い知らされた感じ。

 僕は性別の壁を乗り越えらえる自信はないから、例えば、自分自身で安室奈美恵の「CAN YOU CELEBRATE?」の主旋律を原曲キーで歌ってみよう!とは思わないし、好きな楽曲でも主旋律を女性シンガーが歌っている場合は、脇役に回るか男性のカバー版を探すかとなる。女性シンガーの楽曲で自ら主旋律を歌ったのはこれまで唯一、渡辺美里「Tokyo」だけだ。それも、後に同曲で満足いくコラボ曲が録れたので、もう自分が主旋律のテイクは残っていない。これは、女性シンガーの歌を自分で歌うのはやめとこう、という抑えが効かなかった珍しいケースだったが、少々うまくても異性曲で聴かせるとなると、一筋縄ではいかないね。どうやっても「本当はこんなもんじゃないだろ」っていう消化不良感は残ってしまう。ここをクリアできているから、美佐さんやっぱ良いなと思える。ここまで歌える人はそうはいない。

 まあ、脇役に甘んじるという感覚は一切なくて、脇役の楽しさを目いっぱい謳歌しているんだが。globeのコラボでも曲によっては待ってる時間がやたら長いものもあるが、僕はそんなに苦にならない。「FREEDOM」や「DEGENERATE」など、自分も主役の感覚で歌える楽曲もあるが、楽しさはそれらと同等だ。

 この方は歌だけではなくて、ファッションも注目ポイントのひとつだと僕は思っている。この映像だと1枠目のキャップのデザインが良いよねー。僕も同じようなの欲しい!あれ着用でTMNのリミックス盤・CLASSIXの収録曲を撮ってみたくなるものだ。

 それにしても、SOUL'd OUTは良い曲あるねえ!下拓のときとは違って「誰やねん!?」ということはさすがにないが、本人のMVも後にちゃんと向き合って聴いてみた。これも美佐さんがDAM★ともで歌っていなければ、本人の曲をフルコーラスでしっかり聴くのはいつのことになっていただろう。



米津玄師「LOSER」 DAM★ともネーム・せあЯAさん(2019/11/29公開)

 今や誰でも知ってる超メジャーなアーティストの米津玄師だが、ちゃんと通して聴いたのはこの方の公開曲が初めてだった。こだわり強く長々とした音楽論を綴ってる割には、この曲すら知らなかったのかよ!?と言われれば返す言葉もない。特にここ最近は、日本人のくせに20年前のヨーロッパのダンスミュージックを掘るのに夢中になっていて、国内の現在進行形での動きを追うのが疎かになっている節もあるから、こういうことが起きてしまう。

 この方は過去にDAM★ともマスコットに就任していた時期があるので、当時を知るユーザーにとっては名の知れた存在だろう。先の美佐さんは、そこいらの男性には引けをとらないカッコ良い歌いっぷりだったが、それとは正反対。男性アーティストの曲をいつもの自分そのまんまで歌っているのに、「何か物足りない」感がないのは不思議だ。声質のキャラがしっかり立っているから、無理に男勝りな歌い方をしなくても、これがこの方ならではの味になってて、最後まで聴いていられるのかな。あまり楽曲の雰囲気に自分の歌唱を合わせにいかなくても、むしろどんなジャンルも声質ひとつで自分の色に染めてしまえる強みがある。

 ぼ~っと聴いていると気づかないような些細なことだが、途中で微妙に口が回っていなくて、苦笑いが隠しきれていない一面もある。完璧なテイクとは言えないかも知れないが、だからと言って、聴いてガッカリとはならないんだよね。むしろこの後、米津玄師本人のMVを見てみようという気になった。

 本人の楽曲にちゃんと向き合ってみたけど、これも良い曲だねえ!世間的には「Lemon」の方が評価は高いのかも知れないが、僕は「LOSER」の方が断然お気に入りだ。映像はYou Tubeの一般ユーザーがアップしている「踊ってみた」でよく見られるシチュエーションを、プロの技術で撮ってみました!という印象を受けた。映像的にも見応え十分だったが、楽曲そのものに魅力がある。

 どこに楽曲の魅力があるのか、自分なりに探ってみた。これはベースラインが見事なぐらい、進んで欲しい方向にキレイに行ってくれるなあ。小室哲哉の楽曲が好きな方にはグッとこないわけがないベースラインだ。それにメロディーの言葉数も、これでもか!ってなぐらいギッシリ多く詰まっているのも僕好み。

 ここまでは、日頃聴いている音楽との共通項だ。しかし主旋律のアップダウンの在り方や他の楽器の奏法が、これまで慣れ親しんできたアーティストがやらないような動きだからこそ、新鮮に響く。洋楽だと、GREEN DAYの「Boulevard Of Broken Dreams」が僕にとってはこのような立ち位置。GREEN DAYに特別肩入れしてはいないけど、この1曲だけ無性に好きなんだよね。



 最後に、もう聴けなくなっているけれど、Myみるきぃさんがアップしていた欅坂46「風に吹かれても」も挙げておきたい。まさか自分がこのアーティストの楽曲をガッツリ真剣に聴くとは思っていなかったけど、楽曲自体がすごく良かった!アイドルだからと言って色眼鏡で見たら駄目だなあと思ったね。この方は大変な人気者だし、知らないという方はほぼいないんじゃないかな。僕も声を大にして、「見てて楽しいユーザーさんをDIGりました!…Myみるきぃさんです!」という気はない。みんな知ってるだろうから、DIGったうちに入らんわ!と言われかねないし。


 以上、どれもアーティスト本人の楽曲を聴く前に、DAM★ともユーザーの公開曲を先に耳にしてから、「じゃあ本人の曲も聴いてみよう」となったものばかりをピックアップしてみた。誰も知らないような超絶マイナー曲から、知らないのは僕だけみたいなド定番メジャー曲まで、振り幅の広いラインナップになったものだ。

 ここで言えるのは、どんなに知名度が低い曲でも響く所には響くし、ファンにとっては耳タコ・今更的なド定番でも人によっては新鮮に感じるケースもある。選曲の際に「こんなの誰も知らないだろう」とか「これはありきたり過ぎかな」といった理由で歌うのをためらっているとしたら、そんな心配はする必要がない。それよりも重要なのは、自分がその楽曲にどれだけ情熱を注げるのかだ。