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どっちも必要?流動性知能と結晶性知能

僕たち人間は生活するうえで大なり小なり問題に直面します。
そして、問題の解決には個々の持つ「知能」を駆使しますが、普段意識する機会は少ないのではないでしょうか。

知能とは、簡単に言うと「物事を理解したり、判断する力」のこと。
そんな知能は以下の2種類に大別されるといわれています。

・流動性知能
・結晶性知能

一言で説明すると、流動性知能は新しい情報を獲得し処理していく力、結晶性知能は自身の経験や知識から物事を判断する力です。
上記の知能のどちらかが欠けていると、問題解決に時間がかかったり、満足のいく答えが出せなくなってしまいます。

この記事では、以下の内容について説明します。
・流動性知能と結晶性知能について
・加齢で劣化する流動性知能の鍛え方

物事を考える上で、自分に足りない力は何だろう?と疑問に思っている方は是非最後までご覧ください。

◆流動性知能

特徴:新しく獲得した情報を処理する力。集中力、記憶力。
劣化有無:25~30歳がピーク。その後は低下
流動性知能を利用する身近な例:
・新しく買ったスマートフォンの使い方に慣れる。
・得た知見をどのように活用するか考える。

流動性知能は問題解決のために必要な能力の総称です。

流動性知能の大きな特徴は、加齢による劣化が見られる事。
メディアによって記載に差異がありますが、大体25~30歳までがピーク年齢です。その後は劣化を辿り40代でガクッと落ちてしまいます。

年を取ることに抗うことはできないから、知能が落ちていくことをただ指を咥えて見るしかないのでしょうか?そんなことはありません。
流動性知能は鍛えることで伸ばすことができます。その具体的な方法は後述します。

◆結晶性知能

特徴:過去の経験や学習から判断する力
劣化はあるか:加齢による低下はあまり見られない。
身近な例:
・学習から得た専門的な知識
・仕事におけるスキル

結晶性知能は流動性知能と異なり、加齢による劣化はそこまでありません。
自身の経験や知識から最適な解決策を導き出すため、学べば学ぶほど知能が磨かれます。

◆どちらの知能を上げればいいのか?

ここまでの解説から分かる通り、どちらの知能も問題解決のために必要です。
そのため、自分には足りないと思った知能を重点的に伸ばしていくことをお勧めします。

問題の多くは流動性知能、結晶性知能を組み合わせて解決します。
「料理の時短化」する場合を例に挙げると、解決のためにはそれぞれ以下の要素が必要となります。

結晶性知能:レシピの手順、調理器具の使い方
流動性知能:どの手順を改善すれば良いのか把握

調理手順や器具の使い方は経験、知識に基づくもの。
一方で、手順の改善は経験だけでは困難なケースが多くなります。改善点を見つけたとしても、場合によっては新しい調理器具を導入し、使い方を理解する必要もあるでしょう。

流動性知能だけを有していても、判断材料がなければ解決に導くことはできません。
一方で結晶性知能だけでは、未知の領域に踏み込むことは難しい。
どちらか欠けている知能を補うことで、より問題解決がしやすくなるのです。

◆流動性知能を向上させるには

結晶性知能は自身の経験を増やすことでほぼ無限に蓄積できますが、流動性知能は加齢による劣化が発生します。
高齢者の方がスマートフォンや最新技術をうまく使えない理由は、流動性知能の劣化によるものです。

では、流動性知能はどのように向上させるのでしょうか?
本記事では2種類のアプローチについて説明します。

・新しい物事に触れる

新しい事に取り組む事は、それだけで流動性知能を使う機会に繋がります。
普段考えないような事を思考した結果、使われずに眠っている脳細胞を活性化させるのです。

例えば、以下のような取り組みを行ってみると良いでしょう。
新しい知見を得ることで、脳の刺激を促すことができます。
・普段関わらない人と話す。
・今まで全く触れたことのないジャンルのゲームをプレイする。

人間は変化を嫌う生き物と言われますし、中々腰が上がらない人もいるかと思います。
まずは、興味があって、かつあまり労力を使わないことからチャレンジしてみましょう。

・脳トレに挑戦する

問題を解くために試行錯誤する行為には、流動性知能向上のための要素が織り込まれています。

脳の中には、短期的な記憶を一時的に保持する「ワーキングメモリー」という機能が備わっています。
人間は五感から伝わる情報をワーキングメモリーに記憶し、情報を組み合わせて思考しているのです。
そのため、ワーキングメモリーは流動性知能に直結する脳の機能となってます。

ワーキングメモリーの記憶を引き出す力を向上させるには、脳トレが効果的。
スマートフォンの普及により、アプリでも手軽に脳トレが楽しめるようになりました。
また、任天堂のハード「ニンテンドー3DS」にも脳トレに関するゲームが発売されています。

以下におすすめの脳トレゲームを紹介します。
いずれのゲームも、正解が増えてきたら自分のできるギリギリのレベルまで難易度を上げましょう。
できる範囲をこなすだけでは、トレーニングの効果は期待できません。

1.「DNB」(デュアルNバックタスク)

メンタリストDaiGoさんが監修したスマートフォンアプリ。
流動性知能の向上方法として有名な「Nバック課題」を取り入れています。

このゲームでは、9つのスペースの中にランダムでアルファベットが表示されます。
N回前に表示された場所や、アルファベットが同じ場合は、画面下部に表示された「場所」「文字」ボタンをタップします。

Nを2に設定すると、2回前に表示されたアルファベット&場所と、今回表示されたものを比較して、同じ要素をタップする、といった形になります。

このゲームでは、N回前までに表示されたアルファベットと場所を記憶しなければいけません。
手軽にワーキングメモリーを鍛えるにはうってつけのアプリでしょう。

ルールは文字で見るより動画を見た方が分かりやすいと思います。
※難易度を上げると場所、文字に加え、枠の色まで記憶が必要に。。

2.「ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング」

ニンテンドー3DSから発売された、ワーキングメモリーの向上に役立つトレーニングが多数収録されたソフトです。略して「鬼トレ」。
監修は任天堂の脳トレゲームと太いパイプをもつ、東北大学の川島隆太教授。
ゲーム内でも、鬼に扮した川島教授が至る所に登場します。

トレーニング内容は、DNBでも取り入れられた「Nバック課題」の発展形。
N回前の答えを解答する計算問題や、消えたブロックを全て記憶する視覚問題等、バリエーション豊かなトレーニングにチャレンジできます。

トレーニングの難易度は自身の脳レベルに自動で合わせてくれます。
昨日まで使っていたテクニックが通用しなくなる事もあるため、正解を増やすために試行錯誤を繰り返す醍醐味が味わえます。

◆終わりに

ここまで流動性知能と結晶性知能について解説しました。
問題の解決のためにはどちらの知能も欠かすことはできません。

両方の知能を最大限引き出すために、常に新しいことにチャレンジしていきたいですね。

ちなみに、僕は新しいアイデアを生み出すことが苦手なので、流動性知能を伸ばしていきたい、と思いました。

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