ラグビートップリーグの感染対策と説明義務、そしてファンの在り方
開幕目前での延期
ラグビートップリーグ開幕延期の知らせは、ラグビーファンを大いに落胆させた。もちろん、これはあくまで『感情』の問題であって、大多数のファンは延期を支持している。
当然だろう。感染は複数のチームで発生、しかも陽性者の数は尋常ではない。
何が起きたのか。
まず断っておくが、今日本列島を覆う厳しい感染状況の中、今回感染したことは『被害』もしくは『事故』に近い。なにより1日もはやい回復を祈るばかりだ。ご家族の感染がないことも祈っている。選手の年齢からいって、お子さんが未就学児という場合が極めて多いからだ。
ただし、
『皆さま、お大事になさってください』
というお見舞いの言葉だけで済む話ではない。
彼らは社会人だ。リーグ開幕日はとうに決まっていた。新型コロナウイルスの潜伏期間も知っている。当然の事として
12月半ばから今日まで、細心の注意をもって生活しなければならなかった。これは最低限の義務だ。プロであるかないかは問題ではない。
社員選手には『社業』がある。この時間も、感染防止に向けたできる限りの努力は必要だったことは言うまでもない。
リーグ、そしてチームは、
各選手の『年末年始の行動』と感染の関係
をしっかり調べた上で、結果を公表してほしい。もちろん、チーム関係者以外のプライバシーは守られなくてはならないが。
ここをうやむやにしたまま、リーグ再開までズルズル行くのではないか、今そんな不安にかられている。
年末年始の選手達の過ごし方には大分落差があった。
なぜ出かけるのか?
なぜ会食したのか?
なぜ不特定多数の参加するイベントに出るのか?
そんな事して大丈夫なの?とファンは声をかけるべきだったかもしれないが、『誹謗中傷』と誤解される危険を考えると、迂闊に書き込みなどできない。
やはり、チームが選手管理にもう少し力を入れるべきだろう。誰かが彼らの生活に目を光らせなければ、コロナクラスターの悲劇は防げない。
アスリートは総じて若い。考えが至らない点、未熟な点はあって当然だ。
彼らを諌める大人って、どこにいるのだろう?チームが彼らを『大人扱い』したら、彼らはそのまま『野放し』状態なのだろうか。
会食今はやめた方がいいのでは?
家に籠らなくて大丈夫なんですか?
今SNS上では、こういう呟きでさえも誹謗中傷と認識される恐れがある。だとしたら、表面上アスリートの行動には賞賛の言葉しか並ばないことになる。彼らが自分の行動を顧みる機会はどこにあるのだろう。
今アスリートは、物申さぬ大人達に『無責任』に甘やかされていないか、最近妙に気になる。もちろん、気遣いと誹謗中傷の線引きは難しい。気軽に直接会話のできる大人、と言ったら、やはりチームスタッフか先輩しかいないだろう。
今回の件で、SNS上はチームや選手への激励の言葉で溢れている。この言葉の花束は絶やしたくない。彼らは相当に打ちひしがれている、間違いなく。私も、彼らにはリーグ開幕から最終戦までエールを送り続けようと思う。
これはこれで大切なファン活動だ。
しかし、彼らは『大人』である以上、自らの行動に責任を持たなければ。ファンはその点を甘やかしてはいけない。ファンも『大人』にならなければ。
万が一、集団での会食など、謝罪すべき行動をしていたならば、その選手は、しっかり頭を下げてファンと関係者に詫びなければならない。ファンはそれを冷静に受け止め今後を見守っていけば良い。
説明すべき点は説明する。
取るべき責任は取る。
ケジメは大事。選手にも、ファンにも。
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