厚生労働省は狂言に予算つけよう。メンタル強くするなら狂言が処方箋より効く

狂言のいろんな流派が集まり、一気に古典の演目を8つも連続で披露する #立ち合い狂言会
@国立能楽堂みてきまきた

一気に8つも演目をみると、同じ言い回しが何度もでてきました!

何気なく聞いてたセリフのなかに、言い回しの型があったのです。

今回の公演は、武士に仕えて雑用をこなす使用人が主役のストーリーが8つありました。

ご主人様に面倒くさい仕事をアサインされると使用人がトラブルを起こす、が今回の8つの演目のパターン。

使用人は、悪気がなく働いた結果ミスする場合もあれば、主人にバレないようにサボろうとして失敗するパターンもありました。

主人にトラブルがばれた時に怒られる、定番のセリフがありました

ご主人様が大切にしてた漆の桶や、刀を無くしたときに使用人が怒鳴られる会話パターン!

使用人「ご主人様のお宝は無くしましたが、その代わりに命からがら私は逃げて帰ってこれました!」

ご主人「使用人の生命ひとつふたつより、俺のお宝のほうが価値あるんだよ!」

文字にするとパワハラ満載の会話!裁判沙汰、文春砲が飛びそう...

しかし実際の舞台では、このセリフがユーモラスな表情で話されるので客席から笑い声が起きるのです!

笑いにまみれた客席にいた私は、

ああ、この国は室町時代からずっとブラックである。しかもそれがずっと昔から笑いにされてた!

今の時代も、雇用者に人権などない。お前ひとりの生命なんかより、株主のご機嫌どりが大事なんだ。お前ひとりがボロボロになろうとかまわない。また似た奴を派遣で雇えばいいんだ。

経営者はぶっちゃけ心の奥底ではそう思ってるのが透けて見える!

たしかに労働者の人権は守られるべき。闘うべき。しかし職場で窮地に追い込まれた人は弱り果てて闘う気持ちになれない。しかも戦ってすぐ人権が勝ち取れるとは思えない。

そんなときに、500年も前のブラック環境でトラブル起こす使用人の狂言を見たら、てっとり早く救われる!

自分だけが職場で苦しめられてると思いきや、すでに500年前からブラックだし、すでに笑いのネタ荷なっとるがな!

急に自分が客観視できて、悲しみの没入から浮上する。絶望の沼から笑いの風船つかんで浮き上がれる!

狂言は現代日本のメンタルに効く。即効性あり。みなさんも外に出歩ける元気があるうちに早く狂言見に行きましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?