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大人のための国語ゼミ「はじめに」読む

この本は野矢茂樹さんによって書かれた「国語の授業」を体験する本だ。
子供ではなく、授業としての「国語」から離れて久しい大人たち、あなたたちに向けた本だ。

この本はとても実用的な本らしい。学ぶのは実用的な日本語で、小説の読み方を学ぶわけではない。

また、この本には3つの目標がある。

その一つ目は、

「国語の授業」を体験する本だ。子供ではなく、授業としての「国語」から離れて久しい大人たち、あなたたちに向けた本だ。

この一文を見て、「なんでいまさら日本語を学ばなければいけないのか」と思ったそこのあなたを振り返らせることにある。

筆者はこんな問いを投げかけてくる。

「あなたは本当に、『日本語なんていまさら学ぶ必要ないよ!』
と言えるほどに、日常の中で日本語という言語を使いこなせているだろうか?」と。

こんなあなたにむけて筆者は本文中の問題を用いながら問いを投げかけてくる。

 次の文章中で不適切な接続表現を一箇所指摘し、適切な言い方に訂正せよ。

肖像画を見ると、モーツァルトは髪をカールさせている。だが、あの髪はかつらである。では、どうしてモーツァルトはかつらをかぶっていたのか。禿げていたからではない。フランス革命以前のヨーロッパでは、かつらが貴族taの社交における正装だったのである。そして、フランス革命によって貴族の力が失われてからは、かつらがすたれていった。例えばバッハやモーツァルトはかつらをつけているが、フランス革命以後のシューベルトやショパンはかつらをつけていない。

このほかにも数多くの問いが掲載されており、私たち「受講生」(読者)を悩ませてくる。この問題を見ただけで僕はワクワクしてきた。だけど正直なところ、この問題の正解を直観的には思い浮かべられなかった。

そこで筆者の二つ目の目標が出てくる。

それは、うまく答えられなかった人を放り出さずに、国語力を鍛える手助けをすることだ。

筆者は訓練なくして上達はないと断言する。まったくもってそうだと思う。難しい文章を読んで「なんか読めた気がする」ところで、あなたより国語力が高い人よりもあなたがその本の内容を理解できている可能性は低いだろう。

名文を読むのではない、筆者は

身近な文章を読んでいくことで、きちんと伝えられる文章を書き、話す力、そしてそれを的確に理解する力、私たちはそんな国語力を鍛えなければならない。

という。

長い時間をかけて、ゆっくりと考えながら読み進めていくことでこの本を真に楽しむことができるんじゃないか、筆者の書きっぷりからはそんなことを感じさせられる。

実際に筆者もできれば一か月はかけてほしいと言っている。

そして最後の目標として「楽しんでもらうこと」を筆者は挙げている。

随所にキャラクターが出てきて楽しめるように工夫してくれたみたいだ。すごい真摯な態度でよくわからないけど、既に好感が持てる。「はじめに」でここまで好感を持てた筆者はなかなかいない。

まだ読んでないけれど、うんうんと頭を抱えながらこのnoteを読んでくれたあなたと一緒にこの本を読み進めていきたい。

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