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私とiPhone

私のiPhoneの画面はバキバキで、傷だらけ。

とはいっても、その傷は100均のガラスタイプの保護フィルムが割れているだけで本体はほとんど傷が無い。
私は半年以上このフィルムを変えられずにいる。勿論、100円なんだからさっさと変えろよ、と、私も思っている。


携帯をよく落として頻繁にフィルムを割ってしまう私は、いつも器用な彼に貼り替えて貰っていた。
大好きな彼の綺麗な手で、丁寧に画面を拭いて、気泡が入らないように曲がらないように慎重にフィルムを貼ってくれるところを見るのが好きだった。

バキバキの画面がまた綺麗に戻るのを見ていた時、
毎日の生活の中で負った私の心の傷も彼が元に戻してくれているなあと思った。彼はiPhoneの傷も、私の心の傷もなんだって元通りに治してくれた。

別れる間際は、傷つけるのもまた、彼になってしまったけれど。

でも、別れてしまった今、私のiPhoneも心バキバキのまま。

私の心はセロハンテープで何とか貼り付けているようにギリギリ形を保っている。
だけど、セロハンテープではいつバラバラと砕けてしまうか分からないという恐怖がいつもついてまわる。
だから、誰かに直してもらう、ではなくて、自分で元に戻せる強さが私には今1番必要なのだ、と、思った。

何故、また今日は元恋人のことを話しているのかというと、今日は彼の成人式があったから。
どうしても成人のお祝いまではしたくて、もう連絡しないでおこうと思っていたのに、LINEギフトなんかも送っちゃったりして。
そして、返信は無いが、それでももういい。
それどころか、ストーリーで彼のスーツ姿を初めて見ることが出来て、私はとっても満足している。スラッとした彼はやっぱりスーツがよく似合っていた。

と、一日を過ごしていてTwitterを開いていた時、

宮崎駿「カオナシは溢れる欲を受け止めてくれる相手をいつも探してる。
それでいて想いを言葉にするだけの知性もない。
だから金品を貢ぐ以外に相手との共通言語がないんです。
でもそれが一方通行だとしたらどうするでしょう...?
とどのつまりこいつは自己性愛者なんです。
誰からも愛されないし、誰かを愛し遂げることも出来ない。」

と言う文章と宮崎駿とカオナシの画像のツイートを見かけた。

「ホストに行く私たちじゃん」

という文章と共に。


私は、彼氏(今は元恋人)に貢ぐ私じゃん……

と思った。私はカオナシだった。
溢れる欲を受け止めてくれる人を探している……
想いを言葉にするだけの知性が無い……
金品を貢ぐ以外に共通言語が無い……
誰からも愛されない……
誰かを愛しとげることも出来ない……

あ……あっ……あっ……


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