見出し画像

【Hack To 8x9】#01 柴原先生をハック

8x9のあらゆるものをハックしていく『Hack To 8x9』 記念すべき第1回目は、ちょうど横に座っていた柴原先生をhack!柴原先生のお仕事の話や幼少期の話、教育への想いなどをじっくりお聞きしたので、ロングインタビューにてお届けいたします!

画像1

“プログラミングのきっかけは兄のパソコン”

ーそれではよろしくお願いいたします!まずは自己紹介をお願いします。

柴原 はい。8x9で初級~中級Ⅱまで一通り担当しています柴原です。プログラム自体は小学3年生の頃から始めました。 ゲームを作りたい一心でやりだして兄のPCを触っていたんです。自己流で学んでいって…なので、プログラミング歴は30数年になります。

ー小学3年生からプログラムを始めたということですが、具体的にはどんな感じで?当時のPCといえば今とは全く違うと思うのですが…?!

柴原 兄が祖母から高校入学祝いに買ってもらったパソコン「MSX(プログラムコマンドはIchigoJamのような感じ!)」を本体のマニュアルとか、雑誌を読んで触っていました。

ーゲームを作りたかったからとのことですが、当時どんなゲームが好きだったんですか?

柴原 好きなゲームはファミコンだったらありすぎて(笑) アクションゲームだったらマリオブラザーズから始まって、RPGではドラゴンクエスト、アドベンチャーゲームだったらポートピア連続殺人事件とか。

で、 面白いなと思ったゲームを真似て作ってみようとしていましたね。それから中学時代にはMSX・FANという月刊誌に投稿していたんです。 当時はプロコン ※やプログラミングスクールもなかったので(笑)。

※プロコン … プログラミングコンテスト

画像2

毎月発刊される雑誌を見て、投稿されたプログラムを読んで、座標や数値を同じように入力してみたり、それを少し変えていじってみては、「あぁっ!こういう感じで動作が変わるんだ!ということは、ここにはこんな役割があるんだ!」といった感じでプログラムの意味を少しづつ理解していきました。

雑誌に掲載されている通りにコマンドを打ち、実行し、また打っては確認し…そんな感じで数年間独学でいろいろ試していました。先にもお話したように、当時は教えてくれる人や場所がなく、ネットすらない環境でしたから本当に雑誌だけが頼りでした。

ーなんだか凄く難しそうに聞こえるのですが、普段から勉強はたくさんされていたんでしょうか?

柴原 僕は勉強は全然しなかったですね。親に勉強しろと言われたこともなかったですし、帰宅部(本当は陸上部・科学部)でしたし(笑)。もちろん外で遊んでましたが、ゲームもしていましたし。ファミコンは1時間と決められているんですが、やりすぎて隠されたこともあります(笑)。その辺は今の子ども達と変わらなかったです。親からは高校受験の進路に関する時だけアドバイスされましたね。

ーそうですか、好きな教科、嫌いな教科はなんだったんですか?

柴原 好きだったのは美術・技術ですね。数学は大人になってから面白いと思うようになりましたね。嫌いなのは歴史でした。「過去を振り返るより先を見たい!」って感じで(笑)。国語も嫌いだったけど、詩や小説を書くのは好きでした。

あ、あとやっておけば良かったなと思うのは英語ですね。プログラムを書くのは英語ですしね。今やっている勉強は楽しいものに感じないかもしれませんが、大人になった時に役立つこともありますよね。

“仕事はプログラミング一筋”

ーそんな柴原先生がプログラミングを職業にすることになったきっかけは、やっぱりその時代の頃なんですか?!

柴原 そうですね、ゲームを作りたい!という気持ちで。 電子回路・機械系を専攻する学校に入ってプログラミング以外にもさまざまな事を学んだんですが、面白かったのはやはりプログラミングでした。 プログラミングだけは何もしなくても他の誰にも負けなかったので、これしかない!これを極めたい!と思いました。

画像3

就職は情報系に進みました。 なぜゲーム会社に行かなかったか、自分では理由はわからないのですが。 ゲームを作るのって夢が大きすぎて、自分にはあんなすごいことできないわと思ってしまったんですかね。 それでIT系の会社に進んだ、といったところでしょうか。

ーそうなんですね、それから今も続けて現役でエンジニアとして働いていらっしゃるんですよね。専門はどういったカテゴリですか?

柴原 最初の7~8年は堅い公共系のインフラシステムの仕事を請け負っていました。その次がWeb系の仕事ですね。独立してからはスマホアプリの制作、ITテクノロジーを活用して印刷業界の紙の価値をさらに上げるお仕事をしたり。現在はその企業のニーズに合わせて専門というより、なんでもありという感じです。「これしかできない」というより、いろんなことができるように普段からアンテナを張っています。

―今までに手掛けたお仕事をいくつか教えてください!

柴原 名前は出せないんですが規模が大きいのだと、受注額が億を超える商社のシステム刷新案件とかですかね。中核機能部分を担当するチームのリードプログラマーとして、みんなが使う機能を共通化し、生産効率とメンテナンス性を高める作業を担ったり。

あとはAR ※ですね。地元密着のクライアントと、当時(8年前)出てきたばかりの技術であるARを用いた開発案件を行いました。ビジネスとして、クライアントや業界を変えていけるかもしれないというのがとても楽しかったですね。

※AR … Augmented Reality、拡張現実

画像4

“趣味は子育てとプログラミング教育!”

ーなるほど。なんとなく柴原先生が見えてきた気がします(笑)。今ハマってる趣味やマイブームはありますか?!

柴原 ゲームは相変わらずやっていますね(笑)。あとは、フリーランスで仕事をしていると仕事と生活の境目がどんどんなくなってくるんですが、8x9でみんなに教えることを研究することもとても楽しくて、普段からいろいろ考えたりしています。

ー仕事以外の活動で注力していることはありますか?

柴原 特にはないですが、強いていえば子育てですかね。小4の子どものやりたいこと(習い事や遊び)をできるだけやらせてあげるために時間を使っています。フリーランスは仕事の時間が管理できるのが強みなので。とにかくいろんな事を経験させたい。だから、習い事の送迎をしたり、もちろん一緒に遊んだり、マイクラもします。最近は家族でベビーメタルのライブにも連日行ったりして。そういう時間も大切にしています。

画像5

“もし子どもの頃に8x9があれば通いたかった”

ー先生から見て8x9はどんなところですか?

柴原 単にプログラミングをするではなく、教科書通り、お手本通りするのでもない。まさしくハッカー※を育てようという場所ですね。僕自身もハッカーになりたかったので自分が子どものころ本当にあって欲しかった理想の場所ですね。

※ハッカー … 常人より深い技術的知識を有し、知見や経験を基に技術的な課題をクリアする人々のこと

ー子どもにプログラミングを教えようと思ったきっかけは?

柴原 ハッカーになりたいと想っている子がいるならば、それを実現する手助けができればと思うようになったのが理由です。もしかしたら過去にそういう場を求めて止まなかった自分と、今の子ども達を重ねているのかもしれません。

画像6

ー現在受け持っているクラスは?

柴原 初級Ⅰ~中級Ⅱまで、全てのクラスを受け持っています。

ーエンジニアが専業だった昔と、エンジニアをしながら子どもにプログラミングを教えている今とで、何かご自身が変わられたことはありますか?!

柴原 技術面で言うと特に変化はありません。というのもプログラミングは新しい技術を学び続けることがスキルアップにつながるので、教え方が上手くなることとはあまり関連しないんです。ただ、コミュニケーションの面で言うと、クライアントに対してわかりやすく説明できたり、優しくなれたりするようになりました(笑)。あと実現したいことを聞く時に話の引き出し方が上手くなったかも。

8x9のレッスンでは子どもの反応が様々なので「どう言ったら伝わるかな?」という状況が常にあります。以前は、クライアントに対して聞いたことを断定しがちだったんですが、今は反応を分析しながら声掛けして引き出そうという感じになっています。なので、仕事では終盤までお互いのイメージの差異があまりなくなった気がします。これはすごい影響です(笑)。

ーそうですか。では、子ども達に教えていて面白いと思うときはどんな時ですか?!

柴原 レッスンの中で、子ども達にわざと悩ませたりするんですけど、そんな時「あ!そうか!!」とひらめいた時や、ゲーム中や課題ができた時にテンションが高くなった時のみんなの様子も面白いなと思いますね。

あと教材を考える機会も多いのですが、教材作りをブラッシュアップしてよりわかりやすい授業になったなと感じた時もとても楽しいですね。

画像7

ー教えていて難しいと思うときはどんな時ですか?

柴原 子どもの扱いは得意だと思っていたんですが、教えるということになると経験不足ということもあり、まだわかっていない部分もあるなとは思いますね。その子に応じた「わかるポイント」が違うので難しい。あるやり方がダメでも、もしかしたらうまく伝える違う方法もあるかもしれないんですよね。「先生」になるための教育を受けたわけではないので身に染みて思いますね。それはこれから解決していきたいな、と思います。

ー柴原先生が教える時に大切にしていることは何ですか?!

柴原 必ず自分で、自分の事だと思って取り組んでもらえるように。 おもしろかったという体験や、自分で解決したっていう達成感を持ってもらうように、押し付けにならないレッスンを心がけています。 “勉強ではなく学び取る”、経験にすることを重視しています。

ーこれから挑戦してみたいことはありますか?!

柴原 教材・カリキュラムのアイデアを考えていっているんですけど、いつかは独自の面白くてためになるレッスンみたいなものをDVDとして出すとかYouTubeで出すとかしてバズらせてみたいですね(笑)。

“自信を持って周りをどんどん巻き込むべし!”

ーだんだん柴原先生のことがわかってきました!では、そんな柴原先生から見て、これからの子ども達にとって必要だと思えることはどんなことですか?!

柴原 情報がありすぎて、将来何になったらいいのか、どうしたらいいのか迷うと思うんですよね。昔と比べて大変だなぁと感じます。

自分の子にはなんでも経験したらいいよと言っています。教育方針としては子どものやりたいことは絶対にやらせる。「やったらあかん」をなるべく言わないようにしています。 親として気を付けていることはコントロールではなくてサポートに徹しています。親のレールと違うレールはたくさんあるんだよと言いたいですね。

最近はすぐに答えを聞いたり、意味がないならやらない、と言ったり、わからないことをわからないと言えない子もいるんですよね。今の世の中、ネットで検索すれば答えがすぐたくさん出てきますからね・・・

なので、 答えを自分で発見する楽しさを経験してほしい、たくさん考えたり探したりすることを大切にしてほしいですね。

画像8

8x9でプログラミングを学ぶということも、「習うこと」を目的にしないで、目的を持って目標を立てて、それを達成する「手段」を学んでくれたら嬉しいですね。

ーありがとうございます。それでは、最後に、子ども達にむけてのメッセージをお願いします!

柴原 ITテクノロジーが発達して情報過多になって、SNSなどで人の声もガンガン耳に入ってくる大変な時代ですが、人の目を気にせずに自分に自信を持ってやりたいと思うことに突き進んでほしいですね。「スルー力」が大事!

あとは、やりたいと思ったことを声に出して発信して、周りの人を良い意味で巻き込んでいけるか考えてほしいです。自分で考えることも大事ですが、一人ではできることは限られているので、内にこもらず、いろんな人と協力して頑張ってほしい。我慢せずにのびのびとやってほしいです。僕ら8x9の先生はやりたいことや困ったことがあったらサポートするので、何かあったら相談して下さいね!

ーインタビューの最後に「〇〇をハックする!」って決め台詞をもらうことにしています。柴原先生のハックしたいことをお願いします。

柴原 “ 未来造りをハックする!”

柴原 僕自身、これからの未来が想像出来ている状態で子ども達にプログラミングを教えているわけではありません。そして、おそらく僕たちが想像もつかないことが起こるのだろうと思っています。そんな未知の未来の担い手である子ども達が、自ら未来を作り出せる力を付けさせてあげたい。そのために興味を持って、楽しんで、実力も伴って、取り組んでいけるようにサポートしていきたいと思っています!

ー柴原先生のパッションとてもよく伝わりました!急なインタビューにも関わらずありがとうございました

皆さま、いかがでしたでしょうか?HackTo8x9では、このような形で普段からもの凄い熱量でプログラミング教育に取り組んでいる先生達を深彫りしていきたいと思います!次回は8x9を作った張本人で、校長でもある寺園先生をhackした模様をお届けします!お楽しみに(^-^)

( 取材・執筆:藤田 / 撮影・デザイン:岩崎 )

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?