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クトゥルフ神話TRPGシナリオ「Last 30 Minutes」

#同じ映画から作る千差万別TRPGシナリオ
#ムビシナ

太平洋上に位置する孤島の実験施設で事故または事件? 島全体に有毒物質が拡まっている危険があるため、探索者たちは防護服に身を包んで島の探索を行なうことになる。だが、回収部隊との合流までの時間はたった30分しかない。

◆シナリオ情報
ゲームシステム:クトゥルフ神話TRPG
シナリオ名:「Last 30 Minutes」
舞台:現代日本(オカルト/ホラー)
プレイヤー数:2~4名程度
想定プレイ時間1~2時間(戦闘あり・ロスト/死亡あり)

◆はじめに
これは、矢鹿(やしか)@TRPG&ボドゲ勢 ボドゲ製作中(@rusty_keeper)さんの呼びかけた #同じ映画から作る千差万別TRPGシナリオ #ムビシナ の企画用のシナリオです。
今回テーマとなったのは「BIO HAZARD」です。

◆注意
4月18日に加筆・修正しました。
5月1日にテストプレイ前に加筆・修正しました。

◆シナリオコンセプト  探索者たちは感染リスクに怯えながらも30分以内に任務を果たしていかねばなりません。また、一度目の任務に失敗しても繰り返し任務に臨むことができます(つまり、探索者が死んでも次の探索者を作成して次回の任務を行なうことが……)。

◆ハンドアウト   
◇協力プレイ時
探索者は同じ目的の達成のために協力して行動していきます。
CBIRF(米国化学生物事態対処部隊)に属する探索者は、事件の全貌を調査しデータを集め、上層部へ報告する任務を帯びています
◇対抗プレイ時

探索者はそれぞれの属する組織から下された密命を帯びて任務に臨みます。
(1)CBIRF(米国化学生物事態対処部隊)に属する探索者は、事件の全貌を調査しデータを集め、上層部へ報告する任務を帯びています。
(2)CBIRFに属しながらもDARPA(米国国防高等研究計画局)から別の任務を命じられた探索者は、細胞賦活化ウィルスのデータの回収および感染者を連れ帰らねばなりません。また、細胞賦活化ウィルスについては最高機密であり、真相を知る者は抹殺しなくてはなりません。
(DARPAは新エネルギー体について関与・認知していません)
(3)CBIRFに属しながら、レイン・インダストリアル社から多額の報酬と引き換えに依頼を受けた探索者は、事件・事故調査の名目で島に上陸しますが真の目的は新エネルギー体のデータ回収です。データさえあれば、エネルギー体の生成を再現できるかもしれません。社の重要機密であるそのデータはたとえ政府や軍関係者であっても知られてはなりません。
 どのプレイヤーが(2)および(3)の探索者に選ばれたのかは、プレイ開始時には秘匿します。また、(1)の探索者2名、(3)の探索者1名でプレイする等も自由です。ロストにより次の探索者で開始するときには、(1)の探索者となります。全員がロストしたあとは、キーパーの裁量で(2)や(3)の探索者を再度登場させても構いません。

探索者の職業技能
職業技能:機械修理、信用、運転(自動車)・操縦(船舶・ヘリコプター)、登攀、水泳、コンピュータ、応急手当、任意の近接技能、任意の火器技能
+次の技能から2つ:鍵開け、電気修理、経理、砲

◆ストーリー(粗筋・ネタバレ)
 孤島では多国籍企業と軍が協力して極秘裏に生物兵器及び新エネルギーの研究開発が行われていました。従来の原子力を凌ぐ莫大なエネルギーを得られますが、「人の意識」を食うことにより増殖します。一部の研究者と警備にあたっていた軍人が協力してその封じ込めを図りますが、新エネルギーは意識あるものをコントロールする能力を持つため、あえて意識を喪失させる生物兵器を散布して島への侵入を阻もうとします。

◆登場する神話生物(オリジナル) 
新エネルギー体
 一辺が2メートルほどの漆黒の立方体で、表面には文字のような紋様が明滅している。
 インダストリアル・レイン社の研究により異空間から取り出されたこの存在からは、変換設備を介することで1000万~10億キロワットの電力を得ることができる。廃棄物も出ない革新的エネルギー技術ではあるが、この存在は人の意思に作用する能力を持ち、動画や写真ではなく実際に紋様を見た者の意識を食う(同時に肉体も蒸発する)。一人を食うごとに一辺の大きさが10㎝ずつ膨張する(これまでに20名食われている)。また、一辺の50倍メートルまで、空気の振動によらない「声」を聴かせることで、意識ある生命体を呼び寄せる能力も持つ(POW3倍判定で失敗かつSAN判定で失敗した場合、SAN値を1d8喪失する。この喪失で狂気に陥った探索者は新エネルギーのもとに向かおうとする)。ゾンビは意識を持たないため、新エネルギーの影響を受けない。
細胞賦活化ウィルス(ゾンビ化ウィルス)
 インダストリアル・レイン社の生物化学研究で開発された生体活性化技術によって生まれた。遺伝子技術により開発された特殊なウィルスの効力は生物を不死状態へと変質させるが、意識は失われ、新たな宿主を求める怪物になる。実験結果が思わしくなかったため研究は凍結されていたが、新エネルギー体の膨張・暴走を封じ込めるために警備部隊が使用した。

◆舞台設定     
太平洋上の孤島の多国籍企業インダストリアル・レイン社の極秘研究施設。軍関係者が警備するこの施設はガードロボットや対空機銃等で武装しています。島の周囲は崖で囲まれているため海上からの侵入は困難で、唯一の港も事件後には破壊されて接岸できない状態となっています。探索者たちは泳いで上陸するかヘリで降りることで研究施設に侵入できます。

◆事件について    
 南太平洋にある“ロングブーツ島”は周囲と隔絶した孤島だ。島は全てインダストリアル・レイン社が所有しているが機密性の高い研究も行っているため警備には米軍部隊が協力している。14時間前、この島の警備担当責任者であるポール・ゲインズ中尉からの連絡を最後に通信が途絶した。
「島は汚染された。危険なので近づいてはならない」
中尉からの連絡はそれだけで、事件なのか事故なのかも不明だ。状況を把握するため、諸君ら探索者は巡洋艦アークレイから海またはヘリによる上陸によって夜間の強行偵察を行なう。
 また、島内は電波障害を生じており、衛星やレーダーでの探査は行えない。上陸後の隊員からの通信も不能である可能性が高い。アークレイから隊員へは、アークレイの強力なアンテナによるバースト通信で指示・連絡を送ることはできるだろう。
 ゴムボートによる上陸時には隠密性を保つためボートは沈める。帰還はヘリで行なうが、作戦開始から30分後ちょうどに指定されたランディングゾーンに着陸・回収する。作戦中は1分1秒たりとも無駄にできない。
 なお、回収に失敗した場合や任務が完了しなかった場合にはその15分後に再出発または次のチームが出発することになっている。
 6時間後には化学戦装備の部隊200名も上陸予定だ。それまでに島の状況を徹底的に調べなくてはならない。

 島の周辺は原因不明の電磁波による影響でドローンによる観測や衛星からの情報収集が行なえない。港湾部以外は切り立った崖に囲まれているため海上から上陸することができない。ヘリは島のヘリポートか広場に着陸できるが、これが事件であった場合には「敵」による妨害・攻撃も予想される。どちらを選ぶかは探索者次第だ。

 島では生物化学の研究も行われており、ゲインズ中尉からの連絡では「汚染」について警告されていたことから、探索者たちは軍用防護服・簡易防護服・防毒マスクを装備できる。また、武器を含めたその他の装備についても探索者は装備可能だ。ただしSTR値分の重量までしか保持することはできない。また、軍用防護服と簡易防護服を着用している場合には、身体を用いる技能や感知に関する技能について、マイナス修正される(軍用防護服ではマイナス20%、簡易防護服ではマイナス10%)。防毒マスクの着用者は感知系の技能についてのみマイナス10%の修正を受ける。また、防護服を着用している者は、〈応急手当〉を受けることができない。シナリオ中に防護服を脱いで防毒マスクのみ、または装備なしにすることもできる。
 軍用防護服は重量4、簡易防護服は2、防毒マスクは1。アサルトライフル等の銃は3、拳銃は2,予備弾倉は1。その他の物品に関する重量についてはキーパーと相談して決めること。
 作戦開始後は連絡が取れなくなるため、回収地点を事前に決めておくこと。

◆シナリオのマップと展開  
https://assets.st-note.com/img/1618739524187-CpdqW5az4L.png

 ※マップを上下左右方向(斜めには移動できない)に1マス移動するごとに5分経過します(車で移動する場合には1分になります)。移動する毎に遭遇判定を行ないます(開始時の遭遇率は10%)。敵に遭遇した場合、戦闘を避けて移動前のマスに撤退する移動を行なった場合は時間経過は1分で済みます(後述の通りDEX判定が必要)。また、シナリオ1周目で最初に出現するのは「ゾンビ犬」です。移動しないで時間経過を図った場合も、5分毎に遭遇判定を行ないます。
※各シーンでの判定では失敗しても振りなおすことができますが、判定を行なうごとに1分が経過します(複数の探索者が同時に行った判定については、個々に時間経過は行いません)。

海からの上陸
ゴムボートによる接舷もしくは泳いで上陸することになります。ボートを用いる場合には探索者のうち一名が〈ボートの操縦〉に成功する必要があります。泳いで上陸する場合には、探索者全員が〈水泳〉に成功する必要があります。どちらの技能も成功条件を満たすまで降り直しできますが、振りなおすごとに1分経過します。

ヘリからの降下
 〈目星〉に成功した探索者は、地上の施設・街灯が消灯していて暗いことに気づきます。そのうえで〈アイディア〉に成功すれば停電しているのではないかと推測できます。
 対空砲を無力化していない場合は地上からの攻撃を受けるものの上陸を果たすことはできます(【幸運】判定で失敗した探索者は1d6のダメージ)。全員が【幸運】判定で失敗した場合にはヘリが墜落してしまい、この探索者たちは帰還・回収の目処がなくなります(次回の出撃時には別のヘリコプターが用意されます)。
ヘリコプターは上陸した探索者によって地上の安全が確認できた「何もないところ(車も止まっていないところ)」であれば、次回以降着陸可能になります。また、着陸したことのある場所では上陸だけでなく撤収も可能になります。

港湾施設(上陸ポイント【海】)
 上陸した探索者たちは、破壊された港湾部を目撃します。接舷した船・港湾施設ともにまだ燃えている状態です。〈目星〉に成功した探索者は、周囲にだれもいないことに気づきます。

ヘリポート(上陸・撤収ポイント【ヘリ】)
 明かりが消えて真っ暗なヘリポート。周囲に人影もなく、静まり返っています。
※2周目以後は、最後に撤収した地点では、上陸時にも遭遇判定を行ないます。
居住施設
 この島の研究に関わる社員全員のための居住施設はシンプルなホテルのような造りとなっていますが、駐車場にはおびただしい量の血痕が残されており、出入口にはバリケードが作られていて不穏な雰囲気です。〈聞き耳〉に成功すれば建物内部から這いずるような物音を聞くことができるかもしれません。バリケードはSTR3倍判定で成功すれば撤去して内部に入ることが可能になります。バリケードのすぐ内側には警備員の制服を着用した人物の“腕だけ”が落ちています。そのそばにメモが落ちているので読むことができます。

“中尉からの命令で建物を封鎖完了。アイツの餌食にされるわけにはいかない。みんなの命を守らねば……”
(※アイツ=新エネルギー体のことであり、居住施設内部の人間を新エネルギーに食わせるわけにはいかない、というメモ。“みんなの命”とは、島の外にいる世界中の人たちのことを意味しているが、探索者たちはゾンビから居住施設の人たちを守ろうとしたのだと誤解するはず。)

 メモを読んだ後、ゾンビ1体が出現するので、戦闘または逃亡を行なうことができます。
 バリケード撤去後はゾンビとの遭遇率が15%上昇しますが、マップ移動前に再度バリケードを構築すれば、遭遇率は上昇しません(STR2倍判定での成功が必要です)。

広場(上陸・撤収ポイント【ヘリ】)
 公園のように整備されている広場です。ここでの遭遇率は2倍になります。
 駐車場があり、自動車が複数台停まっています。〈機械修理〉に成功すると車を動かせるようになります。〈運転(自動車)〉に成功すれば、マップの移動時間が短縮できます。また、遭遇時の逃亡が容易になります。ファンブルした場合には車は故障し、以後使用不能になりますが、故障しなかった場合にはシナリオ2周目以降も移動先の車両を〈機械修理〉なしに使用できます(キーパーは車両が何台どこにあるかを把握しておいてください)。

インフラ施設
インフラ施設には送電設備がありますが、配電部に焼け焦げた死体が回線をショートさせて設備が故障しています。〈電気修理〉に成功すれば電力供給を復旧させることができます。

管理施設
 管理施設には島の施設を制御するコンピュータがあります。電力が回復していれば〈コンピュータ〉によって、エレベータのロックを解除することができます。

防衛設備
 施錠されているため〈鍵開け〉に成功する必要があります。
 武器庫では銃・弾薬を含む一般的な武器(爆薬は手榴弾程度まで)を入手することが可能です(重量制限に注意してください)。また、武器庫ではメモを見つけることができます。

“モノ―曹長がやられた。「腑抜けになったら撃て」と中尉に言われたが、味方を撃つのは嫌なものだ。神よ、曹長に救いあれ(ついでに俺にも…)。俺たちは防波堤だ。なんとしても、アイツが”(メモはそこで終わっている)

屋上にある対空砲(自動狙撃システム)は手榴弾等で破壊することが可能です。あるいは〈機械修理〉で壊すこともできます。
 地下の格納庫に収められているガードロボットは電力が回復すると巡回を開始します。マップ上の名前のついている場所に出現しますが、全部で10台破壊すると出現しなくなります。また、送電を停止するとガードロボットは動かなくなります。

新エネルギー研究施設
施設は地下にあるためエレベータで降りるしかないが、電子的にロックされています。〈コンピュータ〉〈電気修理〉〈鍵開け〉で成功すれば、管理施設のコンピュータでなければロックを解除できないことがわかります。同時に電力が回復していないとエレベータは動きません。
エレベータが稼働したタイミングで巡洋艦アークレイからバースト通信で連絡が入ります。「20分後に増援部隊50名が大型ヘリで到着する。回収ヘリで帰還もしくは増援部隊との合流のどちらを行なうかは現場の判断に委ねる
地下に降りると実験炉を観測するためのモニター室があり、〈コンピュータ〉で成功すれば、実験中の新エネルギー体から最大10億キロワット相当の電力を取り出すことに成功したこととそのデータを入手できます。〈物理学〉〈博物学〉〈経理〉のいずれかで成功すれば、廃棄物も出ないこの研究成果は莫大な利益を生むことが予想され、この研究データは天文学的な価値を持つものだと把握します。

新エネルギー実験炉に通じる廊下があり、警備部隊の制服を着たゾンビたちとの戦闘になります。彼らを倒すと、警備隊長らしき人物のメモが入手できます。

“いまウィルスを自分に投与した。あと数分で俺は意識をなくすだろう。だがそれでいい。やつは意思のある者を食ってデカくなる。これ以上あれが大きくなったら、世界は終わるかもしれない。俺たちはゾンビとなってでも、ここを守る。誰もやつに近づけてはならない。もし俺たちがやられたら、代わりにここを守ってほしい。そのときは注射器を使え。俺はポール・ゲインズ中尉、ここの警備隊長を務めていた。あれの歌が聞こえ始めた、身体が勝手に、でも、思い通りにはならない、ウィルスが、意識さえなければ、餌食には、”

 ゲインズ中尉のポケットには、パッケージされた注射器と薬液のセットが入っています。これは細胞賦活化ウィルスであり、注射するとすぐに意識を喪失してゾンビ化します。

警備部隊を倒して更に進むと、突然探索者の脳に直接響く歌声が聞こえます。歌詞も何もわかりませんが、非常に魅力的な歌声で魅了されないように抵抗するには、POW18に対する対抗判定が必要です。失敗した場合にはSANを1d20+5喪失します。この判定で狂気に陥った場合には、探索者はまっすぐ奥へと進み、実験炉内の新エネルギー体に意識を呑み込まれ、肉体も消滅します。狂気に陥った探索者が最後にできることは、自身の頭に銃弾を撃ち込むか、ウィルスを体内に注入してゾンビ化することだけです。他の探索者は狂気に侵された者へウィルスの注入または射殺を行なうことができます(判定なしで無条件に成功します)。ひとりが呑まれるごとに対抗判定のPOW値は1ずつ上昇します。また、この場所に留まる限り(なにかの判定を一度行なうたびに)、この判定は繰り返し行われます。
ウィルスを投与された探索者はゾンビとなりますが、今まで遭遇したゾンビとは桁違いのウィルス量を投与されたことで身体は変貌を遂げます。皮膚は硬い鱗状のものに覆われ、全身の筋肉が発達・強化します(装甲1d6+2追加、STR1d8+2追加(ダメージボーナスも変化)、DEX1d6追加、耐久力1d6+4追加)。わずかに残った生前の意識が、外に出ようとはせずにこの場所を守ろうとします。
この場を脱出できた場合には、回収ヘリで帰還するか増援部隊と合流するかを選択することになります。帰還を選んだ場合、エレベータが稼働可能な状態のままであり、通路を守るゾンビと化した探索者(またはゲインズのゾンビ)がいない場合には、増援部隊が餌食となって新エネルギー体は増殖しています。次回この建物に来たときに増援部隊の隊員から「地下に降りた連中が戻ってこない。モニター室を調査後の報告が途絶えた」との話を聞くことができます。地下に降りると、実験炉モニター室で歌が聞こえ、POW対抗判定はPOW24との対抗になります。ここで探索者が新たに餌食になるとエレベータを降りる途中で歌が聞こえるようになり、POW対抗判定値も人数分上昇します。その次に誰かが餌食になると建物外部まで歌が聞こえるようになり、増援部隊の多くが犠牲となって、新エネルギー体の本体が地上に露出するようになります。そうなると被害範囲は拡大を続け、世界は滅びます。
巡洋艦から爆薬を持ち込んで建物をつぶすしか止める方法はありません。

生物化学研究施設
この施設は外からバリケードが築かれて封鎖されています。STR3倍判定で撤去可能です。(バリケード撤去後は遭遇率が15%上昇しますが、マップ移動前にSTR2倍判定に成功してバリケードを再度構築すれば遭遇率は上昇しません)。
研究所内には1d3+1体のゾンビと遭遇します。敵を撃退したうえで〈コンピュータ〉判定に成功すれば、細胞賦活化ウィルスの研究データを入手できます。このデータを持ち帰ることができれば、2周目以降の探索者の感染率を抑制できます。
また、撃退したゾンビからメモを入手できます。

“警備の連中が研究を中止したウィルスを持ち出した。そのうえ研究所の入口を塞いでしまった。主任が青くなって、「連中はウィルスをばら撒くつもりだ」と震えているがまさかそんなことはあるまい。連中が無線で言っているのを聞いたが、「地下のアイツの増殖を食い止める」とかなんとか言っていた。この島で地下施設があるのは新エネルギー研究施設だけだが、あそこで何かあったのだろうか”

◆シナリオ終了処理    
30分経過時にヘリの回収ポイントに到着していれば、探索者たちは帰還できます。このとき、新エネルギーのデータを持ち帰った場合には、研究データに基づいて再現実験が行われたことでエネルギー体は周囲の人間を食いつくし膨張を重ね、人類は滅亡します(たとえ持ち帰らなくても、データを破壊し新エネルギー体に近づく者を阻止し続けなければ、いずれ人類は滅びるかもしれませんが)。
1周目の30分で核心に迫れなかった場合には、2周目以後のプレイを行なうことができます(シナリオ半ばで死亡した探索者はゾンビとして出現することになります)。その場合、帰還後の探索者がウィルスに感染していなかったかの判定を行ないます。
戦闘を行なった回数+HPダメージ量の回数分のCON5倍判定を行ないます。最後まで軍用防護服を着用していた場合は5回、簡易防護服なら3回、防毒マスクなら1回の振り直しが行なえます。ファンブルが出たら振り直しできません。失敗したら感染が確定し、研究所送りとなってロストします。
 生物化学研究所からデータを持ち帰っていた場合、適切な防疫が行なえるため2周目以後の出撃・帰還後の判定では振り直し回数を5回増やせます。

◆結末について    
 探索者たちが他の誰にも知られないように新エネルギーの存在を抹消してしまうことがハッピーエンドになります。アークレイの指揮所に気づかれないようにエネルギー施設を爆破・埋設してしまうのが、もっとも簡単な方法になるでしょう。爆薬は島の武器庫にはないので、巡洋艦から持ち込む必要がありますが、重量換算で(探索者の人数×12)必要です(一度では運びきれないかもしれません。ゲインズ中尉も爆破したかったのでしょうが、手持ちがなかったのですね……)。また爆薬の持ち出しの許可を取るには〈信用〉や〈説得〉の成功するか、爆薬もヘリも無許可で盗み出して島へ向かうしかありません(地形および電磁波の影響で海上からは艦砲やミサイルで研究所を攻撃できません)。
 開始から6時間経過すると200名の部隊が上陸します。施設の爆破が成功していない場合、ゲインズ中尉または探索者たちが通路を守っていないと、部隊はエネルギー体の餌食となり、膨張したエネルギー体は島全体を覆いつくします。その後近隣を航行する船舶等も餌食にしながら拡大したエネルギー体は、いずれ地球全体を覆いつくすことでしょう。それは世界の終わりを意味します。

◆出現エネミー    
戦闘を回避して逃亡・撤退する場合には、DEX対抗判定を行なう(防護服によるマイナス修正に注意すること)。成功した場合には、1分消費して移動前のマスに戻ることができる。

ゾンビ(ノーマル)
STR15/CON15/SIZ13/POW1/DEX7/耐久力14
噛みつき30%:ダメージ1d3/ダメージボーナス1d4
正気度喪失(初見のみ)1/1d8
備考:(1)ルールブックのゾンビの項の「装甲」についての記述は適用しない(※ホロ―ポイント弾等であれば十分効果的であり、映画でも銃での攻撃は機能していたため)。
(2)〈組みつき〉の判定に成功すれば、探索者が1点のダメージを負う代わりにゾンビの頸椎を破壊して動きを止めることができる。

ゾンビ(警備部隊)
STR15/CON15/SIZ13/POW1/DEX9/耐久力8(かなり傷ついている)
拳60%:ダメージ1d3/ダメージボーナス1d4
射撃(拳銃)50%:ダメージ1d10※グロック17だが、身体の損傷の影響で1ラウンドに1発しか撃たない
正気度喪失(初見のみ)1/1d8
備考:(1)ルールブックのゾンビの項の「装甲」についての記述は適用しない(※ホロ―ポイント弾等であれば十分効果的であり、映画でも銃での攻撃は機能していたため)。
(2)〈組みつき〉の判定に成功すれば、探索者が1点のダメージを負う代わりにゾンビの頸椎を破壊して動きを止めることができる。

ゾンビ(元探索者)
元探索者の能力値・技能による(ただしPOWは1)。
正気度喪失2/1d10
備考:ゾンビ化してからの時間が短いため、銃器などを所持していた場合にはそれらを使って攻撃してくる。その他は上記ゾンビと同じ。

ゾンビ犬
STR8/CON10/SIZ8/POW1/DEX10/耐久力9
噛みつき30%:ダメージ1d4
正気度喪失(初見のみ)1/1d8

ガードロボット
STR15/CON10/SIZ8/POW1/DEX9/耐久力9
ゴム弾:射程30mダメージ1d4
装甲3
正気度喪失なし

対空砲
砲弾:帰還・回収用にヘリが到着した際に対空砲が健全だと撃墜される。
耐久力30/装甲5

◆遭遇判定    
遭遇判定で敵が出現したときの判定です。
ゾンビ犬は1d4-1体で出現します(0だった場合にはゾンビ犬の死体を発見します)。
ゾンビは1d3-1体で出現します(0だった場合には無残な遺体を発見しますが、とどめを刺さなかった場合には、〈幸運〉判定に失敗した探索者は襲われます)。
自動車で移動している場合には、出現エネミー数の回数〈自動車運転〉に成功すれば敵を回避して進めたことになります。失敗した場合にはマップ移動が行なえません。車内にいれば探索者はダメージを受けませんが、自動車は合計10ダメージを受けると使用不能になり、ゾンビは車内にも攻撃できるようになります。また、車内から攻撃を行なった場合もゾンビは車内へ攻撃できます。〈自動車運転〉はファンブルすると、その車は一切使用できない状態になります。

◆探索者経歴 (おまけ)   
演出上、探索者を使い捨てのように扱わないよう肉付けを行ないたい際には以下の1d10の判定で探索者に経歴を加えてください。
1.大家族(子だくさん)
2.愛妻家
3.婚約者がいる
4.入院中の弟/妹がいる
5.借金持ち
6.島の研究施設に家族が勤務
7.前科持ち
8.退役直前
9.愛犬家
10.元社員(インダストリアル・レイン社)

◆終わりに
 劇場公開時に観た際にはイマイチ乗れなかった映画ですが、今回の企画で見直してみたら、意外と楽しめました。わかる人だけにはわかるかもしれませんが、某レトロPCゲームと小説も参考にしました。
 シナリオの案自体は2年前くらいからあったのですが、きっかけがないとアウトプットすることもなかったので、参加できてよかったです。

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