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掌編小説や詩作

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2021年6月の記事一覧

【SAMPLE】オーダーメイド小説例

 別に珍しくもないでしょ、この時代。  私は心の中でそう呟いて、気温が爆上がりしている校庭を見下ろしながら冷房ガンガンの教室で補習なのにろくに授業を聞いていなかった。教師だって気にしない。馬鹿高校の馬鹿生徒による馬鹿生徒のための馬鹿補習、by馬鹿教師だ。  とことん、馬鹿。  でもそれって成績の話であって書類上の話であって、これから様々な出来事とぶつかりながら長い人生という名の道を歩く上でのスマートさとは、まあ、無関係とは言わないけど、あんまり直接的にリンクしない気がする。

掌編小説「箱庭の孤独」

 『ジオラマ』と聞いて俺が最初に連想するのは、米津玄師が最初にインディーズで出したアルバム「diorama」だ。 『ここは誰かのジオラマなのだ』  って歌詞があった。  でも、実は『diorama』は英語では『ダイオラマ』と発音される。  ダイオラマ、だいおらま。  なんと間抜けな響きだろう。  何だか日本の昔話か神話に出てくるバケモノみたいな名前だ。  だいおらまぼっち、とか。 ——ん?  『だいおらま』は『ぼっち』なのか。  俺は自分で思いついた戯れ言に自ら妙な引っ