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掌編小説や詩作

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2018年7月の記事一覧

写真を見て書く掌編:「真冬の薔薇」

 真冬だというのに薔薇が咲いていた。と言っても歩道の脇に一輪だけで、しかも折れてて、他の花はもう枯れちゃったみたいだ。あたしは花の名前とか全然詳しくないけど、なんかこの花の気品というか、哀愁漂ってる感じ、でも茎にちゃんと棘があるのを見て、ああ多分薔薇だなーって思った。    前に一度、植物園的な所で薔薇園的なゾーンを見たことがある。県下最大っていう謳い文句は結構ホントで、薔薇だけじゃなく紫陽花とか珍しい花とかもあったけど、あたしはやっぱり薔薇に目を奪われた。あそこの薔薇は、

写真を見て書く掌編:「とこしえに」

 駅前広場にある時計の存在を、彼は最初無視していた。 広場にあるベンチに腰掛けコンビニで買ったサンドイッチを貪りながら初めて目を遣り、まだ二時ならゆっくり出来るな等と考えたが、会議が長引いて昼休憩を取れたのが二時過ぎだった。  慌てて腕時計を見ると、そちらは十一時半を指していた。混乱した彼はスマートフォンを取り出したが、液晶には午後九時十二分と表示されていたので彼は更に狼狽し、立ち上がって駅前のロータリー周辺の建物をぐるりと見渡した。一つの雑居ビルは古くさい電飾に時刻と気温

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