見出し画像

高山植物等保護パトロール員事業概要

1 組織 あゆみ

(1)高山植物等保護パトロールの組織形態
高山植物等保護パトロール
は、昭和46年から始まった歴史ある活動で、今日に至るまで色々と形を変えてきた。現在2020年は下記形態で運営されている

高山植物等保護パトロール 組織.001

(2)あゆみ

高山植物等保護パトロール事務局では、
1950年代中頃より職員を中心に高山植物等保護を取り組んできたが、
1971年(昭和46年)5月の立山黒部アルペンルートの全線開通に伴い、以前から実施していた高山植物保護監視員制度を改め
1971年(昭和46年) 7月、国有林野事業地内の関係機関等が賃金などの費用を相互に負担して対応する
立山地区国有林野保護管理協議会を発足した

立山センターと室堂平

(3)国有林野保護管理協議会

国有林野事業地内の山小屋、運輸事業者等関係の協力のもとで、国有林野の保護、管理を目的として結成され、高山植物等パトロールを実施している

(4)富山県森林管理署

北アルプス等の国有林を管理する国の出先機関で、高山植物等保護パトロールの事務局を実施している

2 パトロール概要

画像2

(1)活動内容

○ 高山植物等(ライチョウ)保護のための巡視
・違反行為者への注意指導
・登山者等への高山植物等保護を呼びかける啓発活動
・ライチョウ目撃時の写真撮影 (貸与されたデジカメでの撮影)

○高山植物郎保護のための立ち入り禁止柵の設置及び改修等
○ゴミの回収等を中心とした山岳美化活動
○植生保護及び登山者保護のための雪渓除去活動
○森林官等職員及び山小屋支配人等の指示した作業(山小屋のお手伝い)
○活動内容、自然環境等の写真撮影  (貸与されたデジカメでの撮影)


一の越下雪渓の雪切

3 パトロールの具体的内容

(1)登山者への指導 啓発

・登山道外への踏み込み者を見かけたら注意すること
・ストックキャップ未装着者を見つけたら声をかける

2 植生被害の拡大防止等

①道形の確認
・踏み込みの脇道は置き石等で閉鎖する。砂礫地で不明瞭なら両脇に置き石等を
・湿地帯は転石や倒木、枝等で沈下防止をし。水たまりや水道(みずみち)は”水切り”をして洗堀(せんくつ)防止に務めること。

②休憩地点等の踏み込み跡の確認
・周囲にゴミ、盗掘、脇道等の異常がないか確認
・拡大を防ぐために置き石等をする
・不要なケルン(小石を円錐状に積んだもの)で、崩せるものは崩す。

③グリーンロープ等の確認
・簡易なものは修理する。
・更新。親切の必要性はないか確認する

グリーンロープ

④指定地外幕営地の確認
・周囲にゴミ、伐採、盗掘、焚き火、脇道等の異常がないかを確認する
・焚き火後は消去する。
・置き石等で閉鎖する。
・時間的に遅い者等には呼びかけ等

踏み込み禁止杭

⑤ゴミ等の処理の確認
・歩道沿い、広場等の脇で拾えるものは拾う。(飴袋の切れ端、タバコの吸い殻、キジ撃ち排泄物等)

⑥注意標識、道標等の確認
・簡易的なものは修理する(標識、文字のかすれ等)

注意標識の簡易修理

⑦自然環境等の観察
・高山植物や樹木の異常や枯損箇所を記録
・新たな崩壊地等の記録
・ライチョウを目撃したら貸与したデジカメで写真撮影する(図面で確認しライチョウ目撃位置図に記録する)
・セイヨウタンポポ等の外来種や低地性の移入種、カラス、サル、ニホンジカ(糞)等の低山帯の動物を目撃したら貸与したデジカメで写真撮影をする。(図面で確認し巡視員ノートに記録する)

グリーンパトロール室堂平01


今後の活動のサポートしてもらえたら嬉しい。