世代で受け継がれるプレー

大同キッズで小学生の指導を始めて4年が経つ。

指導歴としては、まだまだ浅い部類に入るとは思うが、世代を重ねていくに連れて、いろいろなことに気づかされる。

先日の話になるが、2021年度のチームは、3月の県大会において創部初の3位入賞を果たしてくれた。

勝つことだけが全てではないけれど、選手たちが本当によく頑張った結果、チーム初の賞状をもたらしてくれたことは素直に嬉しい。
忘れられない思い出の一つになると思う。
(試合のスコアや戦評をチームのホームページにて掲載しているので、よかったら読んでやってください。)

この時のチームが特に頑張っていたのはDFだった。
高いラインの3−3DFでありながら、簡単に間を割られないように、全員がよく足を動かし、プレスとフォローができていた。

それまでは、高く出てけん制はするものの、1人が抜かれたら後はOFはシュートまで一直線…と、私の力不足で上手く機能するところまでは到達していなかった。

それが2021年度になって、ようやく機能するようになった。
これは選手たちの努力が大きく、いろいろな練習をする中で成功体験を積めたことで、その世代がプレーを身につけてくれたということだと考えている。

前置きが長くなったが、不思議なことはこの後である。

今日、新年度1回目の練習があった。
2021年度の試合に出ていたメンバーは全員が卒部したので、メンバーががらりと入れ替わることになる。
試合経験もあまり積ませてあげられなかったので、プレー面ではこれから一つ一つ身につけていこうか、といったスタートである。

それで、DFの練習をしてみたのだけど、これが結構上手くいって驚いた。
4対4のセット形式での攻防も、なんとなくではあるが、前のチームで実現されていたプレーの芽生えのようなシーンが多くあった。

若干名、卒部生と長く一緒に練習したメンバーはいる。しかし、ほとんど一緒にプレーしたことのない選手も同じようにプレーができていた。
まるで前チームが遺してくれたプレーが遺伝したかのように。

はっきりいって、そんな気がしただけで、因果関係はわからない。
原因は色々あるだろう。

見本となるプレーを見ていた選手が真似してできるようになったとか、練習メニューが試行錯誤の中で洗練されてきたとか、指導者がよりそういった現象に気付けるようになってきたとか、説明しようと思えばできるのかもしれない。全部こじつけかもしれないが…

ただ、ある世代が何かをできるようになったタイミングで、次の世代がその何かを習得するのが早くなるというのは面白い。
伝統のあるチームが強いというのは、そういったことも関係しているのかもしれない。
大同キッズも世代を重ねて1歩ずつ成長できているので、選手たちがハンドボールを楽しんでくれることを最優先に、焦らずに進んでいけたら良いなと思った。

逆にいうと、新設チームは何もかもが0からのスタートなので、そのチームならではの強みや、当たり前の基準、良い文化をイチから作っていかなければならない。
これは結果を出すことだけを考えるとハードに感じるけれど、それはそれで自分たち自身の手で作っていく楽しさや面白さがあって、かけがえのないことだと思う。

今回の記事も、「そんなん当たり前だろ」という話なのかもしれない…
いわゆる車輪の再発明というやつなのかもしれない…

きっと、自分自身が指導者としての理解を深めていくという意味では無駄ではないはずなので、ご容赦ください。
これからもこんな投稿が多くなるかもしれませんが、よろしくお願いします。

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