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遊び。

自分の弾きたい曲だけを弾くことにしたら、ギターは俄然遊びになった。
若い人なら、これから私よりずっと長い間ギターに関わる時間を持てるだろう。だが、年老いた私に残された時間は、彼らよりはずっと短い。 弾きたいと思わない曲を弾いている時間などないから、弾きたい曲だけ弾いていこう。なんだかジタバタしているみたいだが、せっかく老いたので、こんなふうにジタバタと老いていこうと思う。
まだ、仕事に通う日々の中で、時間のある時に、アコギを弾いたり、エレキを弾いたり。ゆるくまったりした時間を楽しんでいる。

少し前に買ったタブ譜ノートを開くと、ちゃんと写せたタブ譜とそうでないものと。後者は自分で書いたメモがわりのもの。それらしく書いたものの、音の長さは合っていないと思う。だが、これが重宝している。 知っている曲や憧れた曲はすぐに頭に浮かぶので、譜面上でここはどこだろうと、迷子になることもおかげさまでなくなった。もちろん動画先生を見ながら。そしてまた譜面を見てギターを弾く。以前は、馴染んだ曲じゃないので、いつ弾けるようになるのか、不安があったりで「ザ・練習」だった。今はこのノート代わりのタブ譜ノートの 記入とか、手間をかけても、あっという間に時間が過ぎている。
弾き始めれば、もうへたくそだし、曲になってないし、おかしさ満載なんだけれど楽しくて仕方がない。 エレキでジャジャーンっと引いたり、アコギでぽおろんと弾いても、自分の耳には、当時憧れていた曲を鳴らしている自分がそこにいる。 新しい曲は、まだまだちゃんとは弾けていない。それなのに、弾きたい曲が後から後から次々思い浮かぶ。
アコギではローリングストーンズのミック・ジャガーが切なく歌ったあの曲を弾いてみたい。それから、アルペジオが美しく続く宇多田ヒカルさんのあの曲も弾いてみたい。エレキではやっぱり有名なあのリフを。概ねクラシックロックで構成されそうだが。
こう書くと、ギターを弾く時間をかなり持ったように聞こえるかもしれないが、実際のところ今月はとってもサボってしまった。遊びをサボると言うのもおかしな話だ。

 ライブハウスには3回足を運んだ。 素敵だった。あんな風に弾けるようになりたい。絶対に、ありえない夢を見る。

そして気づいた。私の憧れ目線の先で 演奏しているスターの奏でている楽器は、決してピカピカ、ツルツルではなかった。長い間愛され、使われてきたものだけが持つ証の創。それは堂々とした風格をギターに添えているようだった。

私のギターはまだ綺麗なままだ。だけれど、ちょっとだけアコースティックギターには 私と1年間過ごした跡がある。

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