アルチンボルド展 国立西洋美術館

2017.09.16

一番印象に残ったのは寄せ絵の瞳の部分。

「人間の目」を描く事無く人物を描く。

モチーフにした動物の目鼻口を生かし、
そのまま描いているのは他の画家と一線を
画している点だと思う。

鳥をベースに描かれた《大気》はキャプションの作者名にアルチンボルト?とされていたが、上記の特徴を考えると、彼の作品だと考える。

また、同絵の頭に敷き詰められた鳥たちを
観て笑いと共に出てきたのは「クレイジー」の一言。

ルドゥーテの薔薇の茎にびっしりと
敷き詰められたトゲを思い出した。

アルチンボルトの作品が他の人と何が違うのか?をさらに考えてみた。

モチーフに対する興味は勿論のこと、それだけにとどまらず相手のバックグラウンド
さえも自分の作品に取り込んでいく好奇心。

今回展示された「四季」と「四大元素」を用いて皇帝を礼賛する、素晴らしいアイデアは彼の知識があってこそだと思う。

その「知の集大成」が、絵画により表現され、切り口や角度を変えても至る所から魅力を感じることが出来る、味わい深い展示だった。

レオナルド・ダ・ヴィンチの素描も観る事ができなかなか美味しい時間だ。

さてさて、ここからは本当の独り言。
美術も文化なので、ファッションと同じように流行がある。今回改めて、美術界の流行を感じた。

最近は盛り袖や刺繍が流行り、
彩豊かな食材のカフェご飯など「魅せる」
ことに重きが置かれている。

先日観に行った「ミュシャ展」「バベル展」も、アールヌーボーやだまし絵など盛ることに視点がいきがち。

『SNS映え』がここにも影響している。
*宣伝効果のためにスマホでの企画も増えているしSNSに拍車がかかるな~

そんなことを考えながら鑑賞していたけど、
考えを上手く言葉に出来ない…

もっと勉強しておけば良かった!という
後悔と同時に、これからも勉強していかなくてはいけないな~。と思えたとてもよい展示だった。

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