Dove sonoに感動する身体に産んでくれてありがとう

私は有り金を全部レッスンにぶっこむ生活をしているため、趣味にお金を使う余裕がなかなかありません。
その中で、お笑い芸人のテレビやYoutubeを見るのが数少ないささやかな趣味です。好き度の度合いでいうと、M-1を正座で見るくらいの、まあ平均的関西人の嗜みくらいだと思います。

そんな私がなけなしのおこづかいで舞台を見に行く芸人がミルクボーイです。関西在住者の星!
私はミーハーなので、賞レースで売れた芸人が出るととりあえずその芸人のラジオを聞いてみて、何週か経つとすぐ聞くのをやめちゃうのですが、唯一ずっと聞き続けているのがABCラジオ「ミルクボーイの煩悩の塊」です。ハガキを送ることはないが第1回からずっと聞いているサイレント生産者(生産者:リスナーのこと)です。

Radikoで聴けるので聞いてみてね

そんなミルクボーイが先日ラジオで「自分は町裏ぴんくが面白いと思える身体で良かった。町裏ぴんくを面白いと思える身体に産んでくれてありがとう」と発言していて、その言葉が妙に心に残りました。


タイトルに戻り、最近Mozartの譜読みをしています。
Mozartって私はすごく苦手意識があって、とにかく歌いづらい。なんか喉が詰まってくる。なぜ喉にくるかというと、喉にくる良くない発声をしているからに他ならなくて、つまり発声の粗が全部白日のもとにさらされる、そんな怖さがあります。あと「全部一緒に聞こえる」というアンチの意見を覆せない自分が情けない。
歌うのは嫌で嫌でたまらないけど、モーツァルトのオペラを聴くのは好きです。フィガロの結婚が好きです。魅力的なアリア、人間くさい登場人物、くるくる目まぐるしく変わる展開、男の娘(おまけ)。中学校の学習指導要領ではオペラはアイーダを学習することになっていますが、フィガロにしたら良いのにってずっと思ってる。あらすじがハレンチだからだめなのか…。

その中の伯爵夫人のアリア、Dove sonoが好きで(歌うのはなんでこんなに難しい?ってくらい難しい)、レチタティーヴォが終わって、もう最初のドミソの和音が鳴った瞬間パブロフの犬状態で涙が出て来るくらい、全身の毛穴が逆立つような感動を覚えるのです。

https://www.youtube.com/watch?v=B4w7iReLj_c


でもこの曲って本当に楽譜だけ見たらシンプルの極みで、特に最初の2小節なんかC→D/F→C/G→G→Cっていうハノンの最初に習うような和声だけで成り立ってて…こんな気を付け!礼!みたいな進行でなんでこんな泣けるのか不思議でしょうがなくて、何度もアマゾンの奥地に行こうとして断念する日々を過ごしています。

なんでこんなにDove sonoに感動してしまうのか。モーツァルトが天才なのは置いておいて、この話しても同意してくれる人としてくれない人がいて、
それでミルクボーイの言葉を思い出して、理由はなんだかわからないけれど、ひとまずDove sonoに感動できる身体に産んでくれてありがとうと感謝することにしました。

そして逆に、世間一般では名曲と呼ばれているけれど、私にはなんのこっちゃわからん曲というのが恥ずかしながらいっぱいありまして…色々勉強しながら、感動できる身体に肉体改造してみたいなぁと思っています。


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