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女性シンガー・ソングライター 193/工藤ちゃん
工藤ちゃん。どこにでもいるような女の子が、彼女にしか歌えない歌を歌う。それは、どんなに凡庸に見えても、あらゆる人の人生がオリジナルであるように、工藤ちゃんの歌にも、工藤ちゃんの生きている日々が滲み出ているからだ。時にか細く、時にひきつって、時に優しく、喉を震わせて、工藤ちゃんは工藤ちゃんを歌う。時に生々しさを感じる程に、悲痛に。可憐なビジュアルに対して根暗なMCが笑いを誘ったり、かと思いきや突然ライブ中に服を脱ぎだしたり、全ては工藤ちゃんが工藤ちゃんとして進んでいくにはどうすればいいか、彼女自身が考えた結果だ。新世代のガール・ネクストドアー。隣の部屋の女の子が作っている夕飯の味をこっそりと知ってしまえるように、隣の部屋の女の子の頭の中をこっそりと知ってしまえるように、工藤ちゃんの歌に耳を傾ける事がやめられなくなる。かもしれない。
君といた部屋(2018)
エクスフレンズ(2019)
夏に見た夢(2022)
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