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アビスパ福岡と「福岡嫌い」のわたし。

自分語りしてよいですかね。いや勝手にしますけど。

小学校の時に関西某県から福岡に引っ越してきた梱包材。引っ越した時に仲の良かった友達と離れるのが辛くて寂しくて。そして福岡の親戚はみんな兄贔屓(のように感じていた)。母方の一部の親戚だけが優しくしてくれました。転校先も馴染めず、そんな福岡が私は大嫌いでした。

福岡の何もかもを拒絶していました。博多弁、食べ物、全てが嫌い。

思春期のある夕食の時でした。父が仕事の取引関係の方を連れて実家にいらして、母が夕飯に水炊きを用意していました。父とお客様、母も兄も美味しそうに食べています。だけど私にしてみたら、引っ越す前には出たこともない料理だったのです。その時点で心が拒否反応を起こしていました。「こんなもの食べたくない」と駄々をこねて母に叱られ、結果的に自室に押し込められてしまいました。
大人になってくるにつれて福岡の友達ができるようになって露骨な嫌悪感はなくなったにしても、出ていけるものなら出ていきたい。でも当時の自分には思うだけで実行する勇気はありませんでした。そんな中、ぺけちゃんと結婚します。

ぺけちゃんは生まれも育ちも福岡。理由は色々ありますが一番は「気が合う」ということでした。ただひとつだけ結婚したての私と合わないことがありました。それは「地元のサッカークラブを応援している」。私達が結婚したのは福岡に「アビスパ福岡」が発足した年だったのです。ぺけちゃんはクラブの誘致にも協力していたのです。

ぺけちゃんは私にサッカー見に行こうよと誘ってくれました。でも私は断りました。根底にある福岡に対する嫌悪感があったのかもしれません。それでもぺけちゃんは何度も誘ってくれて、折れた私は「一度だけなら」ということで今のベススタに足を運ぶことにしたのです。
最初は「面倒くさいなぁ」とか「サッカーのルールなんて分からないのに」とか思っていました。スタジアムに着いて、メインゲートの階段を上がった先の景色に私は言葉を失いました。ナイトゲームだったのですが鮮やかな緑のピッチを照らし出す照明。そしてその上を走り回る選手たちがそこにいました。

当時の私はサッカーのルールなんて全然分からなくて、ぺけちゃんにしつこく聞きまくって迷惑かけちゃったなぁ…(∀`*ゞ)テヘッ でもあの時の光景が忘れられなくて、また見たいなぁと誘われたら行くようになり少しずつだけどアビスパのことが好きになっていきました。同時に福岡への嫌悪感もなくなっていく自分を感じていたんです。

でも楽しいことばかりではありませんでした。苦しいチーム事情にフロントの対応…深く関われば関わるほどフラストレーションが溜まる。疲労を感じ、アビスパから遠ざかった時期もありました。でもぺけちゃんは変わらず応援していて、完全に離れるということはなく今になってはそれが良かったのかなと思います。チーム状況が少しずつ改善されていくのを感じた頃、私の足はスタジアムに戻っていったのです。
"5年周期の呪い"に振り回されたこともありましたが、笑って泣いて時には怒って。ぺけちゃんと二人の息子と共にアビスパはいつも私達家族の隣にいました。

そして28年経った今。私達はボランティアなどもするようになるなんて、そしてアビスパがカップ戦の決勝で国立に行けるなんて…結婚したての私達からしたら想像もしなかったでしょう。想像もしなかった未来は今確実にここにあります。だから…一番星、取りに行きます。28年分の色んな想い、そして「福岡嫌い」だった私を変えてくれたアビスパと家族に感謝の気持ちを込めて勝利のために後押ししてきます。

今では福岡大好きですよ♡
水炊きも大好きな料理のひとつとなりました。


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