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嫉妬の話

私は嫉妬深くて嫌な女だと言い切りながらも、友人である彼女は白状な薄ら笑いさえ浮かべて恋人への嫉妬心を私に聞かせてくれた。人間誰もが抱く感情の代表格「嫉妬」という感情に苦しめられた経験がある人は少なくないはず。私だって嫉妬した事が無いわけじゃない。
けれど子供の頃に抱いた○○ちゃんが持ってる新しいバービちゃんが羨ましいとか、○○君の足の速さに憧れていたそれと、大人になって抱く嫉妬の正体はまた別の話であり、ましてや恋愛絡みの男女が取り巻く嫉妬心はなかなかのドツボ感が匂う。友人が抱いている嫉妬心はその
ドツボであり、かつその重っくるしい感情を抱く自分に嫌気を感じている様子が汲み取れた何とも闇深い深夜。そんな夜、私はまったく正解ではない自分が思う事を彼女に話した(ただしアルコールに持ってかれ気味の深夜だったので彼女は半分聞いていなかったかも知れない)

恋愛における嫉妬心の爆発ポイントは他の異性と仲良くしている状況や関係を察知するなんてのがベタだけど、それが恋人の場合なんかは自分以外の異性を好意的に見た理由が、自分より魅力的だからだと勘繰る気持ちによって「今日まで相手から愛されている事で維持していた自信」を喪失してしまう不安もあるのではと思っていて。

彼女の場合嫉妬心を爆発させてしまったのは、束縛心が強いだのましてや本気で好きだからなんて事じゃなくて、単に相手に思われている自分でしか生きていないからなんじゃないかなと。「好きといってくれる」「私だけを大事にするって約束してくれた」と友人の言い分は止まらなかったけど、そういう言葉を盲信的に受け止める事で、全ては相手次第で継続も終わりにもなるんだと言わんばかりで、裏を返せばいつでも被害者ヅラできるような都合の良い立場でふらつく恋心だなと私は感じた。

仮にそんな感情を含んだ恋愛なら、当然逐一些細な相手の言動に嫉妬してしまいそうだ。それが負の感情になりやがて憎しみに変わっていくようなヘラヘラな結末を彼女には迎えて欲しくはない。だから私は彼女に全く正解ではない自分が思う事を伝えた。

気持ちって抑え込むとより強まるよね。だから今の気持ちをいっそ感じきったら、いっちょ素直に言ってみなよ。自分から改めて

「想像以上に君が好きだ」と

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