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あなたならどうする?


『地球には人が増えすぎたと思わないか?』



「ヨシヒコや、これはいったい何事じゃ?」

「閣下、久し振りにスケール大きく支配者になってみようではありませんか。一応先に断っておきますが、今回の話は結論なんてありませんからな。感じ方は人それぞれでしょうし。」

「ふむ、ならそのつもりでなりきってみるか。とはいえアバウトな質問じゃな。要は人口削減の話なのであろう?」

「左様で御座います。閣下なら、もし間引かねばならぬとしたら、何を基準に優先的に残すかという話ですな。」

「支配という点からいくと、疑わず、従順で、賢すぎず強すぎぬ個体が良いのう。」

「決められた範囲内で、言われた通りに行動し、実によく世の中のために尽くしてくれる…。確かに支配する上ではこの上ないのですが、弱点もありまする。想定外のトラブルに滅法弱いのです。下手をするとあっと言う間に全滅してしまい、支配どころではなくなってしまいまする。」

「ふむ、そうすると自然界の摂理のように個の能力が高い者が生き残る社会の方が良いのか?」

「それはそもそも支配に向きませんな。あちらこちらで自立し、下手をすれば争いが起こり種そのものが滅びます。」

「何だか難しくなってきたな。ではどうすれば良いのじゃ?」

「最初に申した通り、この問いに答えなどありませぬ。ただ、前者の案は人が人を支配する視点、後者のそれは地球や宇宙が人をどうするか…という視点ですな。」

「ふーむ。

「地球が今お怒りなのはきっと間違いないところなのでしょう。我々の進む道は地球と仲良く存続していく事を選ぶか、技術で地球をねじ伏せるかなのです。」

「少し不便だろうが環境に優しい道か、技術の粋を集めて襲い来る地球の攻撃をいなしていくか…。」

「以前の我々は後者でしたな。今もまだ、その思想を諦めぬ連中は多々居ります。しかし、地球の負担が限界な事も承知しているので間引きを画策しておりますな。」

「前者だとどうなるのじゃ?」

「野生動物は食料が不足しているときは繁殖を行いません。個体数は自然に委ねられております。地球に任せても、ゆっくりと人類は数を減らすでしょうな。」

「どちらにせよ増え過ぎではあるのか。人が人のために人を削るか、地球が地球のために人を削るか。」

「左様で御座います。答えなきこの問い、どう捉えるかは人次第です。」

「ところでヨシヒコや、この問い掛けは例えば農業における人工的な栽培か自然栽培か…みたいな物でも良かったのではないか?」

「それも考えましたが、一度我が身と思い行動選択するのも必要であるかと思いましてな。さあ、人類は如何なる道を進みますかな…。」


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