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みんなで作る物語 「青猫太郎」~旅立ち~

むかーし昔の事じゃなかった。でも最新でもないお話じゃった。

とある所に「青猫太郎」というそれはそれは良い女子がおったそうな。

どうして女子が「青猫太郎」なのかって?

それは世間を賑わす鬼を退治するべく産まれた子が、女の子だったからじゃ。

「この日のために、勇敢な男の子のように育てたつもりです。」

とある有名な母のせりふが、今にも聞こえてきそうじゃった。



「ただゆき爺ちゃん、Akko婆ちゃん、じゃあこれから鬼退治に行ってくるね!」

ただ爺「くれぐれも次元上昇には気を付けてな。」

Akko婆「都会は嘘ばかりの世界ですよ。人の言うことを鵜呑みにしちゃいけませんよ。」

「私、鬼退治に行くんだよね…?」

不安な青猫太郎じゃったが、爺と婆はとても明るく送り出してくれたのじゃ。はて、母はどこに行ったのかな?



青猫太郎が道を歩いていると、下駄で行脚する餅屋と出会うた。

餅屋「当方、餅作りが趣味でして、こうして日がな芋を餅にして売り歩いてるんですよ。良ければ如何ですかな?」

「そういえば、爺ちゃんも婆ちゃんも何もくれなかったな。きび団子もないし、じゃあ3つ頂きますね。」

餅屋「当方が中華包丁で切って叩いて練り上げた芋餅、是非ともお召し上がり下さいませ。」

(…この人の方が鬼退治に向いてるんじゃないかしら。)



そんなことを思いつつ青猫太郎が道を進んでいくと、犬が寄ってきおった。

青犬「青猫さん、青猫さん。お腰に付けた…ん、きび団子じゃない?こ、これは新しい…。」

「あら青さん、今回はワンちゃんなのね。」

青犬「そうみたいっす。忠実キャラって事なんすかね?あ、良ければお供するす。」

ハリ犬「ちょっと待って、青猫さん。私もお供しますよ。忠犬のイメージといえば私でしょう。」

「あらハリーさんまで、でもお子さんは大丈夫なの?」

ハリ犬「ホントは大変なんですけど、世界の一大事って事で馳せ参じました。大変なのに笑顔で送り出してくれた妻はマジ女神です。」

「あらあら、じゃあお二人にお願いしようかしら。お餅、二人で仲良く食べてね。」

青犬&ハリ犬「了解です!」



犬をお供に連れた青猫太郎が海へ向かって歩いていると、雉が飛んできおった。

ミミ雉「青猫太郎さんこんにちは!えーと、多分初めましてですよね。よくわからないですけど出して頂いたので、お供させて頂けませんか?」

「あら、これは初めまして。ありがとうございます。えと、ミミ雉さんは何が出来るのかしら?」

ミミ雉「おやつを摘みながら、馬が駆ける様を応援するのが大好きなんです!」

「………す、素敵なご趣味ですね。実は何か護身術を身に付けていたりとか、されるんですか?」

ミミ雉「いいえ、私そんな攻撃的なこと出来ませんよ。」

「……………」

クルカッピー「お困りのようですね、青猫太郎さん。」

「あら、あなたは?」

クルカッピー「クルカッピーという名前が鳥っぽいというだけで出演させて頂いて、公営の後衛は光栄なのです。」

「クルカッピーさんは、何かお得意なことは有るのかしら。」

クルカッピー「軍事の知識は、人並みに奢れよということで、餅さえ頂ければお供を友にします。」

「旅は道連れと言いますもんね。お二人ともよろしくお願いしますね。お餅は半分こでお願いしますね。」

ミミカッピー「分かりました。」



更に海へ向かって歩いていると、猿が駆け寄ってきおった。

猿時「太郎ときて、犬ときて、雉とくれば猿でござる。ここで拙者が出てこなければちょっと泣いちゃいそうでござったが、無事出演でござる!」

「えーと、あなたは?」

猿時「拙者は、髷が結えるか意味もなくドキドキしておった猿時でゴザル。あ、頭はあまり見ないで欲しいでゴザル。」

「猿時さんも鬼退治手伝って下さるの?」

猿時「せいびょ…、いやいや、青猫太郎殿の頼みとあらば断れぬでござる。」

「ま~だそんなこと言ってるの!?頼むのやっめよっかな~。」

猿時「あいや待たれい!拙者が悪かったでゴザル。ほれこの通り。」

「頭を手で抑える土下座は初めて見たわね…。」

よう猿「うっきっきー!お猿で登場、ようちゃんだよ。」

「あら、こんにちは。初めましてかしら。あなたもお供して下さるの?」

よう猿「うっきー!初めまして、是非ともお供に。猿役なら服着なくて良いと聞いたもんで。」

「この話が実写化しようもんなら、ちょっと出番を削られそうね。でもここは二次元、きっと大丈夫ね。二人ともいらっしゃい。お餅は半分こよ。」

よう猿時「うっきーでゴザル。」



犬たちと雉たち、猿たちを連れた青猫太郎は、遂に海まで辿りついたのじゃった。

「さ、鬼ヶ島に向かわないとね。あ、あんな所に渡し舟が有るわ。えーと何々、鬼ヶ島、通称ディープステイ島行き、【渡しの船頭賃は530000です】…、って何これ、ぼったくりじゃない!」

冷「人聞きの悪いこと言わないでくれよ。こっちも危険な仕事やってるんだぜ。これぐらいは当然だよな。」

猿時「あいや、フリ助ではござらんか。ここは拙者に免じて何とかしてくれぬかのう。」

ミミ雉「フリ助さん、私からもお願い!」

冷「ありゃ、乙杯神社の神主に参拝仲間のミミ雉さんもいるじゃねーか。仕方ないな、乗っていって良いぜ。」

「二人ともすごーい!ありがとうフリ助さん。」

冷「ただし、ルールは守って貰うぜ。乗れるのは4人まで。ソーシャルディスタンス守んないといけねーしな。」

「えー、こんな屋外でも距離が要るの?何とかならないのフリ助さん。」

冷「こればっかりは譲れねーな。お上から金も貰っちゃってるしよ。もう一回タダで運んでやるから、それで勘弁してくれよな。」



こうして青猫太郎は、一足先にディープステイ島へと旅立つのじゃった。

長くなってきたので、続きは明日にしようかのう。



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