可能性の塊「シミュレーション」
①初めに
「シミュレーションってなにをすることなの?」
と聞かれ、自信を持って「~~~することだよ!」と言える人は世の中に何人いるだろうか。レジャー施設内の簡易ゴルフ(シミュレーションゴルフ)などのスポーツや恋愛シュミレーションゲームなどのゲーム、最近ではシミュレーション教育といった人材育成の分野までいろいろなところで耳にするこの言葉だが、「ぼんやりとイメージは出来るけどなぁ」という人がほとんどだろう。そこで、今回はそのぼんやりしたイメージにスポットライトを当ててみようと思う。
②シミュレーションってなーに?
システムが複雑で、予測が困難な戦略立案・収益予測・リスク分析などの現実世界の問題をモデルを使い、コンピューター等を利用して模倣することを指す。つまり、簡単に説明すると、実際では様々な理由(危険である・高コスト・途方もなく時間がかかるなど)があって、現実では再現できない問題や仕組みを数式やプログラムなどを使った別の方法(モデル化)で表し、コンピューターや模型を使うことによりその問題の解決策や対策、突破口を見つけるということである。
③シミュレーションを行うメリット
1 製品の欠陥を見つけることができる
例(エレベーターの建設時の重量の負荷の限界や強度を探し出すことが
できる)
2 ビジネスにおける仕事の効率化と利益の向上
例(サービス業や販売業などは客層や商品の口コミ、時間帯や店舗ごと
の立地と売り上げの調査結果から得られる情報をシミュレートする
ことでこれからの営業に必要な新たな要素を炙り出せる)
3 自然災害の発生時期や場所、規模の事前予知・防災
例(最近の話題にもチラチラ顔を見せる 東京直下型地震は、内閣府に
のシミュレーションによる調査で今後30年年間のあいだに70%の
確率で起こるということや1923年の関東大震災よりも大きい海溝型
地震の発生(M 8.2)、地震による津波の影響で港区や中央区の
一部浸水が予想されており、被害と対応可能なシナリオの確認、
水道管の被害や土砂崩れなどの二次災害と重なった時の対応などが
検討されている)
④シミュレーション技術の活躍場所
1 フライトシミュレーション
主に若手の操縦士が、航空機の操縦訓練行う際に用いられる。このシミ
ュレーションで飛んだ距離が、実際の訓練時間として認められている。
エンジンが停まってしまった場合の飛行や離陸トラブルなどの命の危険
が伴う実地では困難な訓練課程を低リスク、低コストで行われている。
2 軍事訓練シミュレーション
私たちの日々の安全を守ってくれている自衛隊の訓練にも使われている
。従来は一つのチームを自軍と敵軍の2チームに分けて行っていたのだ
が、コンピューターシミュレーションを導入することにより、チームを
1つに統合することができ、これまで以上に軍の結束力を高めると同時
にコンピューターシミュレーションの多種多様でランダムな攻撃パター
ンに対応しなければならない実戦にかなり近い形式での訓練を実現させ
た。
3 ゲーム
私たちの生活と関わりの深いゲームにもシミュレーションの技術は応用
されている。具体的に「どんなところに使われているの?」と言われる
と例えば、戦争を題材にしたウォー・シミュレーションゲームと呼ばれ
種類のゲームだと自分のチームと相手のチームの進行を同時に行い、
よりリアルな体験を生み出すリアルタイム制という機能や、これまで
導入が難しいとされていた同盟軍や中立軍などの第三勢力をゲーム内容
に盛り込むことを可能にしたプロット制という機能、簡単なものでいう
と、ゲームの終了条件や勝利条件を決めるという箇所で、シミュレーシ
ョンが、活躍している。
⑤シミュレーションの問題点
シミュレーションの問題点でもあり、一番怖いところでもあるのが、
前提の条件を少し変えただけで、全体の結果が大きく変わってしまうこ
とだ。これは、シミュレーションを操作する我々人間側の配慮や注意
の欠落により、導き出された答えが信用性のないものになるということ
を意味する。このように、今現在のシミュレーション技術ではどんなに
数値が早く表れても、人間側のミスが介入すると結果にズレが生じて
しまうので、コンピューターに全てを委ねるのではなく、我々が常に
注意を払い、仮に結果が出てからも疑いの目を持つことが重要視され
る。
⑥最後に
現在シミュレーション技術は、様々な分野で必要不可欠な役割を担っていて、今後は宇宙開発などの新たな事業への参入も予想される。成長を重ね、
日々大きな発展を遂げているシミュレーション技術の未来に期待しようと思う。
⑦参考文献
https://www.msiism.jp/article/what-is-simulation.html
http://www.bousai.go.jp/kyoiku/bousai-vol/drill/h26/tokyo/tokyo03_kato.pdf
https://news.mynavi.jp/article/military_it-49/
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