2024年5月7日 環八沿い


25:00

GW最終日の夜、最悪の気分なので散歩します。家が環状八号線沿いにあり、主に排気ガスを主食に生活しているため、ここをひたすら北上します。雨も降ってるし明らかに散歩には向かないのですが、もう歩くことくらいしか抵抗手段が残されていないのですみません。



都心といえどこの時間は全く人がいません。怖すぎます。ずっと後ろに何かの気配がします。でも、今刺されても別にいいか。GW楽しかったし……。



しまむらのマネキンですら怪異に見えます。首なしマダムかと思いました。でも、首なしマダムだったとしても別にいいか。GW楽しかったし……。



中学生のころこの事件のWikipedia擦り切れるくらい読んだなー。当時はまるで異世界の出来事のようでしたが、実際のポスターを見ると上京してきた実感が湧きます。一家殺害したあとウンコしてアイス食べて劇団四季のWebサイトを見てたんですよね。

やばい、こんなことを夜道で書いてたら後ろに犯人とかいそうすぎる!!

まあ、いてもいいか。GW楽しかったし……。


GWは有給をとっていたので3連休+6連休みたいな休み方をしました。旅行とかもしました。本気の引き継ぎを行ったので有給中も何の連絡も来なかったな。もうこのまま飛んだって誰にも迷惑かからないだろうな。何のために働くんだろう明日から……。

僕はすごく楽しいことがあると冗談で「なんか最悪今なら死んでもいいなあ!」と言うのですが、守るべきものがある知り合いが増えて共感されなくなってきました。今後は思うだけにします。



そんな背筋の凍る夜道ではありましたが、環八にはビュンビュン車が走っており何の静けさもありません。昼間は耳障りでしかないエンジン音も、この時間帯は精神的支柱になります。そして令和のビッグブラザーこときぬた歯科もいい安心材料でした。


25:30

こうやって文章に残す目的で散歩していると、都内のベンチの少なさに気付かされます。



やっと見つけたベンチが笑えるくらいの排除ベンチでした。Twitterでいつも見てます! 握手してください! といった気分です。空想上のベンチじゃなかったんですね。そして、歩き疲れてるときにこれ見ると本当にムカつきますね。今それに座って文章を書いているのですが、こんなものは「座る」とは言いません。新しい動詞を作った方がいいです。「たなづく」とかです。



あとこの時間に見る公衆電話も怖かったです。"向こう"からかかってきそうで仕方ない。調べてみると、500メートル四方に1台目安で設置するのがルールらしいです。散歩中に4台くらい見ましたが、ならベンチももっと置いてくれ。

そして、現時点で歩いてる人間を1人も見かけていません。車ばかりが通り過ぎていきます。ということは、休みが終わる現実から逃げるために環八沿いを徘徊している人間は僕だけなのでしょうか。みんな普通に夜だから寝て、明日の仕事に備えているのでしょうか。すごすぎる。機械じゃん!



いやでも、路上寝込み多発時間帯らしいし、俺より限界の人がたくさんいるのかもしれない。路上で寝たら朝起きたとき楽しいだろうな。



26:00


子供の心か。持ってたかな。自分のある部分を「子供の心」とかメタ認知できてたらもう子供じゃないですよね。だからここで悩んだりせず、真っ直ぐ「コイン下さいッ!!」と言えるヤツが本物なんだろうな。



野田クリスタルさんが「俺の方が面白いなんて言葉はお笑いにはいらないすからね。二度手間なんで。面白いこと言えばそれが証明できるんで(16:19〜)」と言ってたのかなり印象に残ってる。放つべき言葉は「俺は子供の心持ってますよ(笑)」じゃないんですよ。「コイン下さいッ!!」なんですよ。


同様に、個性があるかどうかは見ればわかるのだから「個性や自由ではみ出していく!」なんて宣言もいらないですよね。効率が悪い。むしろそこにコンプレックスがあるように見えてしまいます。



夜の川って墨汁流してるみたいですね。




最奥にすべり台の入り口があって禍々しい公園がありました。と思って撮ったら映画『怪物』のティザー映像みたいなブレ方をしてしまいました。

『怪物』を見てまず得た感想は「アンジャッシュみたいだな〜」でした。すれ違いが色んなドラマを生んでいく感じ。実際そんな笑える映画ではないんですけど、逆にアンジャッシュって絶妙なバランス感覚でお笑いにしてるだけで、「すれ違い」という現象自体は思いっきり悲劇であると気づけました。他人の中にどんな事情が詰まってるかわからないから、簡単にすれ違えてしまう。みんなしゃべるブラックボックスです。その闇を切り抜ける武器は想像力だけ。心許なすぎ。でもそれを鍛えるしか道が残されてないんだから仕方ないですよね。


26:30


まだクリスマスのイルミネーションを出してるみたいな、世界のチャームポイントに気づけるのが散歩の利点です。



「アメリカだと利用率が高いから日本のみなさんもコインランドリーを使いましょう」ってことなんでしょうか。にしてはアメリカ20%って少ないな。改行する場所がおかしいの気になるな。国名の文頭は揃えてほしいな。数字の前のスペースは半角か全角かで統一してほしいな。個人的には半角スペースの方が好きだな。全角スペースって、虚無としての主張が激しくて虚無とは思えないんだよな。昼なのにフクロウが元気なの変だな。



閉まってるのに看板の照明は消してないのが乙ですね。いつでも街を七色に照らしてやるよという、強い意志を感じます。ただ、明朝体のせいでその煌びやかさにいかがわしさを帯びてしまっていますね。

ていうか本当にいかがわしい店なのでは? と思って検索したら、かなり画期的なシステムのお店でした。



店舗を持たないフードデリバリー専門店がキッチンをシェアすることで、低コストかつ効率的に運営できるようです。だから七色キッチンか。賢い! 広告会社のインターンに行ってたとき、学生から出るアイデアが大体マッチングかシェアリングエコノミーで、何なんだこいつら、もっと孤独とか愛せよと思ってましたがナメてはいけませんね。



トイレ三兄弟も僕のことを出迎えてくれたので、これからも頑張るぞー。













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