タイムリープ

やばい、ここままでは1限に間に合わない。遅刻する。
焦りながら自転車を漕ぐ。
アパートから大学までの約5キロ、一度も休まず立ち漕ぎでペダルを回した。

なぜ早く起きなかったのか、、、いや、今日は早く起きた、7時に起きた、時間に余裕があったためちゃんと朝食を食べ、顔を洗い歯を磨き、洗濯物を干して、zipを見ながらスマホをダラダラといじっていたらいつのまにか8時50分ぐらいだった。やらかした。遅刻だ。
1限は日本政治論のとても厳しいK先生の講義だ。後から遅れて教室に入ることなどできない、そんなことをしたら他の生徒の前で公開説教をくらい、名前と顔を覚えられ、単位取得が厳しくなり、今後の学生生活にも危害が及ぶ。

後悔と絶望を抱えながら自転車を漕ぐ。
必死になって漕いだ。
すると、前方にジョギングをしているおじいちゃんが見えた。こっちに向かって走っている。
、、、?様子がおかしかった。
なかなか距離が縮まらない、むしろ開いている、、
おじいは、こっちに向かって走っていて自分も自転車で走っているので、2人の距離は当然縮まるはずである。だが、縮まらない。
不思議な体験だった、自分に向かって走っくるおじいとの距離が何故か埋まらない。
とても怖くなった。
だか、そんなことよりこのままでは講義に遅刻してしまう。
遠ざかるおじいを追いかけるように、一層早くペダルを回した。
音速を超えたような気がした。
やっとおじいに追いついて抜かした。
そこでやっと気がついた。
このおじいとんでもない速さでバック走してやがる。

謎の健康方を試すおじいのおかげか、本当に音速を超えた走りをしたのか、授業開始15分前に学校に着いた。


大学が終わり、家に帰って時計を見ると電池切れで遅れていた。
その日は、コンビニで電池とおにぎりを買って、屁こいて寝た。

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