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【機材レビュー】Nikon D5

運用開始から半年ということで、そろそろ。


機材レビュー第10弾、今回はNikon D5を取り上げます。
2016年3月、リオオリンピックに合わせD4Sの後継として発売。有効2082万画素のCMOSセンサーを搭載し、常用感度は100~102400。AFは153点、連写は秒間12コマ(ミラーアップ14コマ)です。


導入経緯

2023年7月。Z6を投入し、それに伴い当時所持していた一眼レフ3台(D3・D500・D800E)の使用頻度が大幅に低下することとなりました。
しかし、自分の撮影フィールドにおいてはレフの方が有利な場面も少なからずありました。加えてZ6では、細かい操作性の面から最前線を任せておくには、少々不安でした。
そこで「使わないやつを3台持っておくより、使えるやつを1台持っておけばいいのでは?」という発想に至り、約2ヶ月をかけてレフ3台とお別れ。

そして2024年2月2日。某店のオンラインショップに1台だけあったXQDモデルを発注し、本機はやってきました。(値段面は今思うとすごくいいタイミングで購入できました)


所感

デカさは慣れ

D3の使用経験上、重さ・大きさに関しては運用開始時点から慣れていました。大きいレンズをつけた際のバランスは良く、ホールドもしっかりできます。


連写の細かい調整が効く

筆者の運用においてはドライブは連写L(低速連写)でホーム位置を7コマに、素早い被写体には10コマを使用しています。
撮影者側から見てボディの左下に連写コマ数切り替えのボタンがあるため、メニューから十字キーをポチポチいじらずとも素早く切り替えられる点がストレスフリーです。

このボタンを押しながらメインダイヤルを回すことで、連写コマ数を変えられる


伸びまくる高感度

本機を検討中の方は、ここが一番気になっているのではないでしょうか。
高感度の伸びは2024年現在においても通用するレベルと考えます。上の写真はISO16000で撮影していますが、ノイズリダクションを少しかければ、十分鑑賞に耐えうるレベルです。シチェーションにもよりますが、概ねISO20000あたりまでは使えるのではないでしょうか。
とりあえず言えることとしては、今まで諦めていた環境での撮影が可能となりました。


シャープネスを引き出すチューニング

※話半分でお聞きください

個体差かは不明ですが、ピントの合った面はシャープネスを強め、高画素機を使っているかのように見せる画像処理がなされているように見えます。同じレンズでD5と別ボディを比較した際、D5を使う方がよりシャープネスが引き出せている印象でした。
上の写真2枚はピクチャーコントロール「スタンダード」から輪郭強調の部分はいじっていない状態です。
良く言えば人工物向け、裏を返せば人物撮影には不向きでしょうか。


高速連写Hは暴れる

本機のポイントの一つに、高速連写Hで使用できる秒間12コマ連写があります。
が、これを手持ちで使おうと考えるのはやめておいた方がいいです。初心者はまず機体の制御すらできないだろうとこの場で申し上げておきます。
ファインダーの像消失による被写体の追従難度が普及機と違ううえに、12コマもの連写による機体のメカシャッターの衝撃もセットでついてきます。このようなことを体験したのは本機がはじめてで、恐ろしさを感じました。
逆に申し上げれば、この高速連写Hを制御できた時、一段階上の領域へたどり着くことができると考えます。
筆者は手持ち撮影では最大10コマでリミッターをかけて運用している現状です。MT車で6速あるけど高速域でも4-5速を使っているようなものです。持ち腐れと言われればそれまでですが、機体の事情は扱い者しか知らないことだってあります。(言い訳)


Fn3ボタンの自由度が低い

本機を扱ううえで最も残念な点です。
同位置にあるD500のFn2ボタンではマイメニューを充てていたのですが、本機はネットワーク接続、音声メモ、レーティングしか選べません。



設定まわり

基本的にはD500と合わせています。
(詳細はおいおい記載します)


本機を手に入れたい方へ

この下のクラスとは全く違う撮影体験が可能です。
余程の超望遠や超精密なピント合わせが求められる場面でもなければ、おおよその任務はこなせます。それだけの信頼性が本機にはあります。

そして撮影においては失敗した原因を明らかにし、次回の撮影で対策できるようにならないと、扱い者は成長できず、本機のもつポテンシャルは引き出すことができません。
そういった意味では、メーカーのキャッチコピーにもある「未知なる光」以外にも、本機は撮影者の成長プロセスをも伸び代として睨んでいると考えています。
機能を活かすか殺すかは撮影者次第です。


他機から乗り換え・買い増し検討をしている方へ

D500から
運用経験上、D500はISO8000あたりが限界と踏んでいます。D5はセンサーの大きさという力で、さらに一段階上へたどり着けます。ただし、縦グリ一体型なのでバッテリーグリップ解結、SDカードなどD500ほどの柔軟性は効かない点には注意が必要です。あと高速連写Hに慣れておいてください。
上記の点から買い増しで運用すると、高速連写機として理想的なペアになれるかと思います。
筆者は購入資金捻出のためD500は掃いてしまいましたが、今買い戻したい機種は何かと問われればD500と即答します。

D800系統から
高感度・高画素・連写の棲み分けで、こちらも良いペアになれると思います。D5は1.2xクロップでもA3印刷に耐えうる画質は持っていますので、引き延ばしの度合いに応じて使い分けるのが良いかと思います。

D3000・D5000系統、ZマウントAPS-Cミラーレスからの場合
まずはMモードで露出の原理を知ってから購入を検討してください。
また、大都市圏の量販店が住まいのお近くにある方はD6を店頭で触ってみて、大きさに慣れてみましょう。
エントリー機は小回りが効くのでこの場合も残しておくのも手です。


2024年現在、修理がまだ可能なため、最前線での活躍が可能ということも加味し、どのクラスにおいても、多大な信頼を寄せられます。
故に本機を失う状況にあたってもケアできるよう、手にした後の地盤(サブ機・レンズ)は整えておいてください。

手にした場合は、どこに、何のボタンがあるか、手持ちレンズとのフィーリングや重心のチェックをじっくり行ってください。
本機が睨む可能性は未知数レベル。繰り返しになりますが、それを引き出すか殺すかは撮影者次第です。

なお執筆時点での筆者は、この機体のポテンシャルを3割も引き出せていないと痛感していることもここに記しておきます。


作例

AF-S NIKKOR 70-200mm F2.8G ED VR II+TC-14E II
F4 1/160 ISO1600
AI-S Nikkor 50mm F1.2
F2 1/50 ISO400
Ai AF Nikkor 180mm F2.8S<New>
F3.2 1/2500 ISO400

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