Vaseモードにはまりました(2022/6/2追記)
はまったきっかけ
Yoyoメーカー東方さんのYoutubeライブの抽選に当選し、Prusament PVBオレンジを頂きました。何を作ろうかと思い、花瓶でも作ってみようかと。本来は、花瓶は花より映えてはいけないのですが、ほかに何も思いつかず、そうはいっても貴重なPVBの前の習作をPETGで作ることにしました。
そしてついに、PVBでのプリントに成功しました!タイトル画像はPVBでプリントしたものです!(2022/6/2)
デザインの変更
初めのデザインはこんな感じでした。こちらはFusion360でデザインしたものです。苦労の跡が見えます。(私にしかわからないかも、くりぬく部分に放射状に線が入っていますよね。フォーム機能を使えるようになっておらず、サーフェス機能を使って設計しています。サーフェス機能の輪郭を複数の平面に描いてつなぐ方法を思いつき、実践しました。おかげで形はとりやすいです。)
これを下から見るとどうなっているかというと、
このようになっています。この底面のがたがたによって、花瓶下部の強度が増した(後でわかったことですが)のですが、プリントの際にものすごい振動を起こしますし、うまくブリムとはがれない、底面からの立ち上がりの部分で輪郭に乱れが発生する、というようなことがあり、いろいろ試してみました。
底面を円にする
最終的な設計図はこちらです。
ボディラインは変えていません。底面を円形にしてラフトでつなぎました。そして、もう完了!と思ったらここからが試行錯誤の連続でした。
最外周の射出幅を増やす
最外周の射出幅を増やすと上部になるという情報を、はるかぜぽぽぽさんのNoteの記事と、Youtubeから入手したので、とりあえず0.9mmにしてみました。これによって、途中が薄くなったり穴が開いていたりといった不具合がなくなり、かべが強固になりました。一方で、花瓶の株は立ち上がり角が小さく、途中は立ち上がり角が大きく直径が大きく、上のほうに行くと立ち上がり角が大きく直径が小さいので条件を変えたくなります。
ブロックを置いて部分的に射出幅を変えたいと思ったのですが、Vaseモードではブロックを置いて部分的に条件を変えることができません。Gcodeを勉強して途中でGcodeを挿入して射出幅を変えられないかと思ったのですが、私が調べた範囲だと射出幅を変更するGcodeは存在しない。射出幅とレイヤ高さなどを勘案し射出量を計算したものをGcodeに埋め込んでいるようですのでこれはプログラムを作るしかない?ホントかよ?という感じでした。
花瓶下部の穴・レイヤが密着しないことへの対処
花瓶の底面を円形にしたことにより、形的にはすっきりしましたが、今度はレイヤ同士が外れがちとなるという現象が発生しました。
そこで、底面付近だけを条件を変えて印刷することを繰り返しました。
以下の4つは、射出幅を0.6mm(1のみ条件失敗)としたときのものです。デフォルトは0.45mmですので、これでも分厚くしていますが、0.6mmだと全く層間の接着が弱かったです。そして、下部に2重底とあるのは、最下層とその上のスパイラル(この時はVaseモードではないのですが)の下なん層かを外周2にしたら効果があるかと思って試したものです。結果は効果なし、ということで、射出幅をもっと上げることとしました。(この時、最下層の外側エッジ付近が汚いのを気にしていましたが原因がわからず、後から原因がわかりました)
こちらは射出幅を1.2mmにしたときのものです。1.2mmにするとかなり強固になりました。ただし、よく見るとわかるのですが。各お皿(のような印刷物)の左下部分が凸凹しています。スライスの結果と合わせて考えるとレイヤを切り替えている部分のようで、これ以降はVaseモードに切り替えることとしました。
レイヤ高さ変更
東方さんのライブ中のチャット欄のやり取りで、ブロックを置いてレイヤ高さを変えるのはどう?というご提案をいただきました。Vaseモードではブロックを置くことはできないのですが、レイヤ高さとの関係を調べてみることに価値があると思いました。
0.3,0.2,0.1mmの3種類で試してみました。すると、0.2mmが一番よさそうに思えました。ここで気が付いたのですが、デフォルトではOnになっていた”垂直軸の厚み確認”をOffにしていました。印刷時間を短くしようといろいろ条件を変えたままになっていたようです。これをOnにすると底付近の穴がなくなり、また最下層の外側エッジ付近の凸凹が消えました。Bottom4の結果から、底面付近はレイヤ高さ0.2mmが最良のようでした。
同様のことを、花瓶の真ん中、上部でも試しました。
可変レイヤ高さ機能を使う
ブロックはおいてもスライスできないのですがこれが大きなヒントになりました。射出幅とレイヤ高さの組み合わせをいくつか試してみるうちに、可変レイヤ高さ機能でやってみたらどうなるか?と思いつきました。やってみたらこれがよかった!たったこれだけのことですが
これにより、一発で問題が解決しました。
3つのサイズで作ったのですが、それぞれに条件を出しなおす(といっても射出幅と可変レイヤ高さの調整だけですが)ことが必要でした。条件出しをして、水を入れて漏れないことを確認しました。
最終的に出来上がったのがこちらです。
現在、PrusaPrintersにて小さいサイズと大きいサイズのGcode,プロジェクトファイルを公開しています。ご興味ありましたら是非プリントしてみてください。
PVB用スライスデータをこちらに公開しています。PETGモデルをプリントしていただいたものがPrintableにアップされていましたが、首のところがよれていましたので、参考までに私の設定もPrintableで公開しています。まだFFF方式のプリンタを使い始めて1年弱の素人ですが、よろしければご利用ください!
謝辞
Youtubeライブで技術的な質問の機会を頂いた東方さん、ライブ中にレイヤ高さを変えたら?のアドバイスをいただき、スライサでいろいろ試していただいた、えどさん、フォーラムなどで私の代わりに質問をして情報をたくさん授けてくださったもろぴちゃんさんに感謝です。
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